この記事ではカタバミとクローバーの違いについてみていきます。どちらも公園や道端など、さまざまな場所で目にする似たような植物というイメージがあるよな。大きな違いは葉にあるようですが、花の特徴や花言葉など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなカタバミとクローバーの違いを、一番わかりやすい違いから確認しつつ、雑学オタクの田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

雑学オタクなWEBライター。日頃から少しでも疑問に思ったことを調べては、知的好奇心を満たしている。日々のリサーチ力を活かして、様々な違いをわかりやすく解説していく。

カタバミとクローバーのわかりやすい違いは?

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公園や土手、道の片隅などでもよく見かけるカタバミやクローバー。カタバミはカタバミ科カタバミ属に、クローバーはマメ亜科シャクジソウ属に分類される多年草です。どちらも雑草というイメージを持たれる方も多いですが、綺麗な花を咲かせて楽しませてくれます。ただ花が咲くまでカタバミとクローバーはかなり似ていて見分けが難しい植物です。

具体的にどんなところが異なるのか、まずは一番わかりやすい違いからチェックしていきましょう。

葉の形がカタバミは「ハート型」クローバーは「丸型」

葉っぱだけの状態であるカタバミとクローバーを見分ける最大のポイントは、葉の形です。形以外にも模様などの違いがあります。それぞれの葉の特徴をもみてみましょう。

カタバミの葉
・形:ハート型
・模様:なし
・枚数:基本は3枚
・色:鮮やかな緑/黄緑など
・毛:フチや裏側に疎毛あり

クローバーの葉
・形:丸型(先端に少し凹みあり)
・模様:V字型の白い斑紋など
・枚数:基本は3枚
・色:濃い緑色など
・毛:なし

細かく見てみると葉だけでもさまざまな違いがありますが、葉の形は一目で違いがわかります。ハート型だったらカタバミ、丸みのある形だったらクローバーと覚えておいてください。

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違い1:花の特徴

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カタバミとクローバーはどちらも花を咲かせる植物です。葉は似ていますが、花にはかなり違いがあります。それぞれどんな花が咲くのか、特徴をみてみましょう。

カタバミは「黄色の小さい花」

カタバミは小さい花を咲かせます。開花時期は4〜10月頃で、花びらの枚数は5枚程度。色は基本的に黄色ですが、品種によって白・ピンク・紫色の花も。開花時期が終わってから、熟した種をはじけ飛ばすところも特徴です。種の飛散距離は平均的に80cmほどですが、2m以上飛ぶこともあります。

クローバーは「白色で丸みのある花」

クローバーは、小さな花びらが球体状に集まった花を咲かせます。「花冠などの材料によく使われる白いお花」と言えば少しイメージしやすいでしょうか?シロツメクサと呼ばれる植物はよく花遊びに使われますが、実はクローバーの花なのです。

開花時期は3〜9月頃で、色は基本的に白ですがモモイロツメクサというピンク色のものも。クローバー(シロツメクサ)は蜜があり開花時期も長いため、ハチミツの生産でも重宝されています。

違い2:人との関わり

カタバミやクローバーは、どんなことに利用されているかという点にも少々違いがあります。よく見かける植物のため、あまり気にとめたことはないかもしれませんが、さまざまな場面で役に立っているのです。

カタバミは「家紋」や「薬」など

繁殖力の高いカタバミは子孫繁栄のシンボルとして、家紋に利用されています。日本には、桐・木瓜・鷹の羽・藤など特に多く使われている五大家紋というものがありますが、片喰(かたばみ)もその一つです。

片喰紋はその中でも特に使われているという調査結果もでています。また平安時代から家紋として日本人に愛されてきたようです。

家紋の他にカタバミは薬として利用されることも。カタバミは酸っぱいことを意味する「オキザリス」という学名がついています。本当に酸っぱいのですが、原因はシュウ酸が含まれているから。このシュウ酸を10円玉などのサビ除去剤・虫刺されによるかゆみ止めとして利用していたようです。

クローバーは「牧草」や「肥料」など

クローバーはヨーロッパから家畜の餌になる牧草として、日本に持ち込まれました。栽培がしやすくタンパク質やミネラルを豊富に含むため、イネ科の牧草と混ぜて利用されています。

またクローバーは土を豊かにすることも得意です。共存している根粒菌が空気中の窒素を取り込み、土の中に供給してくれます。窒素は植物が成長するための大切な養分です。クローバーを育てれば空気から肥料を自動的に作ってくれるため、農業やガーデニングで大活躍しています。

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違い3:花言葉

花言葉は、イメージやエピソードから植物それぞれに意味を持たせた言葉です。花を贈る風習があったトルコで、気持ちを伝えるために生まれた言葉だと言われています。カタバミやクローバーにはどんな花言葉がついているのか、さっそくチェックしてみましょう。

カタバミは「喜び」

カタバミは喜び・母の優しさ・輝く心などの花言葉を持っています。スペインやフランスなどでは、キリスト教で歓喜や感謝を表す「ハレルヤ」という名前で呼ばれることも。以下のような理由で、3つの花言葉がついたようです。

喜び
・イースター(キリストの復活祭)の時期に咲くため
母の優しさ
・キリストの復活を祝うように咲くため、聖母マリアの優しい心を表す
輝く心
・カタバミの葉に含まれるシュウ酸で酸化した銅を磨くと、ピカピカに輝くため

クローバーは「幸運」

クローバーの花言葉は、幸運や約束など。クローバーが幸運のシンボルであることは、知っている方も多いのではないでしょうか?いい意味をの言葉を多く持つクローバーですが、復讐という意味も持っています。少し意外ですね。それぞれの言葉がつけられた理由をみてみましょう。

幸運
・アイルランドの司教がキリスト教を広めるとき、「神・キリスト・聖霊は三位一体だ」ということを教えるためにクローバーを使ったから
約束
・聖パトリックの祝日に、緑色のアイテムを身につけて祝う習慣を忘れないでという意味から
・アイヌの伝説で対立する部族の娘と青年が約束の場所で会えず、悲しい運命を迎えた翌朝にシロツメクサ(クローバーの花)が咲き誇っていたから
復讐
・キリストがはり付けられた十字架に四葉のクローバーの形が似ているから

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カタバミやクローバーが四つ葉になる確率は?

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カタバミやクローバーは基本的に葉が3枚の植物ですが、たまに4枚ついているものもあります。特に四葉のクローバーは有名ですね。子供の頃に、一生懸命探した経験がある方も多いのではないでしょうか?ここではどのくらいの確率でカタバミやクローバーが四つ葉になるのか、詳しく紹介していきます。

どちらも10万本に1本程度

結論を言うと、カタバミやクローバーが四つ葉になる確率は10万本に1本です。どちらもよく見かける植物ではありますが、いざ四つ葉を探すとなるとなかなか見つからないことも納得できますね。

四つ葉になる原因はさまざまで明らかにはなっていませんが、大きく分けると2つ。環境と遺伝にあると言われています。環境が関わる原因は、踏まれたりして葉をつくる元となる原基が傷つくことなど。

遺伝が関わる原因は突然変異などです。園芸店などで売られている四つ葉のクローバーの種などは、遺伝で四つ葉になることが決まっている個体となります。

カタバミやクローバーを育てる際の注意点

カタバミやクローバーはお花もキレイなため、自分で育ててみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?四つ葉の個体が誕生するかも楽しさの一つだと思います。どちらも育てやすい植物ではありますが、良い面だけではありません。育て始める前に、注意点もしっかり確認しておきましょう。

繁殖力が強いため駆除には手間がかかる

カタバミとクローバーは繁殖力がかなり強力です。途中で育てることを辞めたいと思ったとき、駆除に手間がかかります。

カタバミは根っこが多く、一度掘り出したくらいでは同じ場所から生えてくることも多いです。また種を飛ばすため、想定外の場所で育っていることも。クローバーは茎を切っても地中に広く根を張っているため、どんどん増え続けます。

完全に駆除したい場合は、根っこまでしっかり枯らすことのできる除草剤などが必要です。カタバミやクローバーを育ててみたい方は、駆除が難しいことも考えたうえでチャレンジしてみてください。

迷った時は葉っぱに注目してみよう!

カタバミとクローバーは似ているイメージのある植物ですが、葉っぱの形さえ覚えておけば簡単に見分けることができます。カタバミはハート型で、クローバーは丸型。この2点はしっかり押さえておきましょう。

葉っぱの形だけで判断がつかないというときは、表面に白いV字の模様があるかもチェックしてみてください。模様があったらクローバーということになります。

どちらも日本の至る所に生えている植物です。ぜひお散歩がてら見分けられるか試してみてくださいね。

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生き物・植物雑学

カタバミとクローバーの違いはどこ?見分け方や四つ葉の確率も雑学オタクが詳しくわかりやすく解説

この記事ではカタバミとクローバーの違いについてみていきます。どちらも公園や道端など、さまざまな場所で目にする似たような植物というイメージがあるよな。大きな違いは葉にあるようですが、花の特徴や花言葉など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなカタバミとクローバーの違いを、一番わかりやすい違いから確認しつつ、雑学オタクの田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

雑学オタクなWEBライター。日頃から少しでも疑問に思ったことを調べては、知的好奇心を満たしている。日々のリサーチ力を活かして、様々な違いをわかりやすく解説していく。

カタバミとクローバーのわかりやすい違いは?

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公園や土手、道の片隅などでもよく見かけるカタバミやクローバー。カタバミはカタバミ科カタバミ属に、クローバーはマメ亜科シャクジソウ属に分類される多年草です。どちらも雑草というイメージを持たれる方も多いですが、綺麗な花を咲かせて楽しませてくれます。ただ花が咲くまでカタバミとクローバーはかなり似ていて見分けが難しい植物です。

具体的にどんなところが異なるのか、まずは一番わかりやすい違いからチェックしていきましょう。

葉の形がカタバミは「ハート型」クローバーは「丸型」

葉っぱだけの状態であるカタバミとクローバーを見分ける最大のポイントは、葉の形です。形以外にも模様などの違いがあります。それぞれの葉の特徴をもみてみましょう。

カタバミの葉
・形:ハート型
・模様:なし
・枚数:基本は3枚
・色:鮮やかな緑/黄緑など
・毛:フチや裏側に疎毛あり

クローバーの葉
・形:丸型(先端に少し凹みあり)
・模様:V字型の白い斑紋など
・枚数:基本は3枚
・色:濃い緑色など
・毛:なし

細かく見てみると葉だけでもさまざまな違いがありますが、葉の形は一目で違いがわかります。ハート型だったらカタバミ、丸みのある形だったらクローバーと覚えておいてください。

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