Webアプリって便利ですね。そのWebアプリを作るのがJavaScriptとPHPです。どちらか片方を使うわけではなくて、役割に応じて使い分けるようですが、何が違うのでしょう。今回はWebアプリに欠かせない2つのプログラミング言語の違いを、それぞれの役割を確認しつつ、プログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

JavaScriptとPHPの違いとは?

JavaScriptは1995年に誕生しました。その時のJavaScriptはNetscape NavigatorというWebブラウザの中の一機能でしたが、その後、いろいろなWebブラウザに搭載されます。今ではWebに不可欠なものです。

PHPが登場したのもJavaScriptと同じ1995年。JavaScriptがブラウザでユーザーに動きのあるWebページを見せるものであるのに対して、PHPはユーザーの操作に応じた結果を返す仕組みになります。

JavaScriptもPHPも、どちらもWebアプリを簡単に作るためにできたプログラミング言語です。ブログをはじめとしたWebサイトやWebアプリが色々ありますが、その多くがPHPとJavaScriptの組み合わせで動いています。

どちらもWebアプリで活躍!

できた当時のWebは研究者のためのものでした。そのため、テキストと画像だけで動きもない「文書」を表示するだけ。しかし、1990年代から一般にもWebが普及するにつれて、アニメーションなどの動きのあるWebが必要になってきます。利用者も増えたので、多くのWebサイトやWebアプリが増えました。

それまでは他の一般的なプログラミング言語を使ってWebアプリを作っていましたが、Webアプリ用ではないので作るのも大変です。そこでWebアプリ専用のプログラミング言語が作られました。それがJavaScriptとPHPです。今では多くのWebアプリでこの2つが使われています。

違いその1.役割

同じWebアプリ用プログラミング言語ですが、JavaScriptとPHPには違いもあります。まずは、役割がどう違うかをみていきましょう。

Webアプリはブラウザで表示します。しかし、全てがブラウザの中で動いているのではありません。データや一部のプログラムはインターネットの向こうにあるコンピュータにあるのです。そのため、手元側を「フロントエンド」、向こう側を「バックエンド」と呼びます。

JavaScriptはフロントエンド

JavaScriptはフロントエンドのためのプログラミング言語です。フロントエンドではどんなことをするのでしょうか?例えば、Web検索サイトでキーワードを入れると、自動的によく一緒に検索されるキーワードのリストが表示されますよね。入力を続けるとどんどん変わっていきます。また、数字しか入れてはいけないところに漢字を入力すると、警告してくれることがありますね。

このように、送信や登録などのボタンを押す前に様々な情報を出すのがフロントエンドの仕事になります。また、最初は無効だったボタンが必須事項を入力すると有効になりますよね。これもフロントエンドの役割です。

Javaというプログラミング言語もありますが、JavaとJavaScriptには関係はありません。JavaScriptを省略してJavaと呼ぶ方もいますが、違うものですので省略しないようにしましょう。

PHPはバックエンド

一方、PHPはバックエンドのためのプログラミング言語です。バックエンドではどんなことをするのでしょう?

Web検索なら入力したキーワードを探したり、掲示板なら文章を登録したり、ユーザーの操作に合わせた作業をするのがバックエンドの役割になります。Webアプリの重要な仕事は全てバックエンドで動くのです。PHPはバックエンドのためのプログラミング言語なので、専用の命令が用意されています。

このように同じWebアプリでも2つの役割があり、フロントエンドはJavaScript、バックエンドはPHPという役割分担になっているのです。

違いその2.実行場所

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その1では役割が違うことを紹介しました。そのため、プログラムが動く場所も違ってきます。次はこの点を見ていきましょう。

ブラウザで動くJavaScript

フロントエンドであるJavaScriptは、ネットの手前側にあるブラウザで動きます。JavaScriptはブラウザの中に含まれているので、ブラウザによってJavaScriptのプログラムも少しづつ違いがありました。

ただ、それでは作るのが大変なので現在は標準規格が決まっています。そのため、同じプログラムが多くのブラウザでそのまま動くようになりました。

サーバーで動くPHP

バックエンドで動くPHPはネットの向こう側で動きます。それを「サービスを提供するコンピューター」として「サーバコンピューター」や、単に「サーバー」と呼ぶのです。PHPはこのサーバーで動きます。

サーバーではブラウザから送ってきたデータを登録したり、登録してあるデータをブラウザに送り返すのが仕事です。フロントエンドとバックエンドはネットを通してつながっていて、サーバーとブラウザはネットで通信しながら動きます

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JavaScriptとPHPを比べてみよう!

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JavaScriptはフロントエンド、PHPはバックエンドで動くことをご紹介しましたが、他には何が違うのでしょう。続いて、共通点や違いといった特徴を見ていきます。

JavaScriptとPHPの共通点は?

共通点は2つあります。1つはどちらもWebアプリのために作ったものです。もう1つは書いたものがそのまま動くことになります。

そのまま動く、とはどういうことでしょう。プログラムは人間にわかりやすい文章のようなもの、ソースコードを書きます。コンピュータはこのソースコードを見ても実行できないので、それをコンピュータにわかるプログラムに変換するのです。

CやJavaというプログラミング言語は、ソースコードを事前にプログラムに変換してから動かします。一方、JavaScriptやPHPは、ソースコードをプログラムに変換しながら実行するのです。同時通訳を想像するとわかりやすいかもしれません。

共存も可能、どう使い分ける?

JavaScriptはフロントエンド、PHPはバックグラウンド、と動くところが違うので共存も可能です。フロントエンドとバックエンドのどちらでするものかを考えて使い分けることになります。

データを探したり、登録したりということはバックエンドですることなのでPHPを使うのです。それ以外のサーバーに送る前にチェックするものや、サーバーから送った情報の見栄えを整えるのはフロントエンドであるJavaScriptを使います。何か操作するごとにデザインや装飾、レイアウトが変わるページがありますが、それらもJavaScriptが使われているのです。JavaScriptを使うことで、動きのあるWebアプリになります。

サーバーは多くの人がアクセスするので骨組みだけをブラウザに送り、ブラウザで細かいデザインや装飾を整えて表示するといった役割分担をしているのです。

最近はJavaScriptをフロントエンドだけでなく、バックエンドでも使うようになってきました。なぜなら、1つのプログラミング言語で両方扱うことができた方が覚えることが少なくて済みますよね。でも、まだまだ使い分けることが多いです。

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どちらが簡単?難しい?

フロントエンドとバックエンドと使い所が違うJavaScriptとPHPですが、どちらが簡単でしょうか。プログラミング言語としてはどちらがより簡単か難しいかという差は少ないです。ただし、PHPはバックエンドで様々な仕事をこなすので、覚えることも多くなっています。

また、ブラウザで実行できるJavaScriptはブラウザがあれば試すことができますね。しかし、PHPはサーバーで動くものなので、PHP一式をインストールしたコンピューターを用意する必要があります。そのため試すのが簡単なのはJavaScriptです。

プログラムを書くには何が必要?

JavaScriptはまずブラウザが必要です。そのほかにプログラムを書くためのテキストエディタが必要になります。Windowsならばメモ帳でも構いません。一方、PHPを動かすのにはPHP一式を手元のコンピュータにインストールします。インストールした後は、JavaScriptと同じくテキストエディタが必要です。

どちらの場合も、便利な機能が用意されているプログラミング専用のテキストエディタを使うのがおすすめします。ただ、インストールが必要になるので、最初はメモ帳でも構いません。

JavaScriptはブラウザ、PHPはサーバで動く

どちらもWebプログラミングに欠かせないJavaScriptとPHP。ですが、動くところや用途が違います。

JavaScriptはフロントエンドという、ユーザーに直接触れる部分でアニメーションや画面上の動きのある部分で使うものです。PHPはバックエンドという、インターネットの向こうにあるサーバーでデータを読み書きするのに使います。どちらかだけでWebアプリができるのではなく、組み合わせて使うものです。

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IT・プログラミング雑学

JavaScriptとPHPの違いとは?仕組みや特徴もプログラマーがわかりやすく解説

JavaScriptとPHPを比べてみよう!

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JavaScriptはフロントエンド、PHPはバックエンドで動くことをご紹介しましたが、他には何が違うのでしょう。続いて、共通点や違いといった特徴を見ていきます。

JavaScriptとPHPの共通点は?

共通点は2つあります。1つはどちらもWebアプリのために作ったものです。もう1つは書いたものがそのまま動くことになります。

そのまま動く、とはどういうことでしょう。プログラムは人間にわかりやすい文章のようなもの、ソースコードを書きます。コンピュータはこのソースコードを見ても実行できないので、それをコンピュータにわかるプログラムに変換するのです。

CやJavaというプログラミング言語は、ソースコードを事前にプログラムに変換してから動かします。一方、JavaScriptやPHPは、ソースコードをプログラムに変換しながら実行するのです。同時通訳を想像するとわかりやすいかもしれません。

共存も可能、どう使い分ける?

JavaScriptはフロントエンド、PHPはバックグラウンド、と動くところが違うので共存も可能です。フロントエンドとバックエンドのどちらでするものかを考えて使い分けることになります。

データを探したり、登録したりということはバックエンドですることなのでPHPを使うのです。それ以外のサーバーに送る前にチェックするものや、サーバーから送った情報の見栄えを整えるのはフロントエンドであるJavaScriptを使います。何か操作するごとにデザインや装飾、レイアウトが変わるページがありますが、それらもJavaScriptが使われているのです。JavaScriptを使うことで、動きのあるWebアプリになります。

サーバーは多くの人がアクセスするので骨組みだけをブラウザに送り、ブラウザで細かいデザインや装飾を整えて表示するといった役割分担をしているのです。

最近はJavaScriptをフロントエンドだけでなく、バックエンドでも使うようになってきました。なぜなら、1つのプログラミング言語で両方扱うことができた方が覚えることが少なくて済みますよね。でも、まだまだ使い分けることが多いです。

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