「釜中の魚」の使い方・例文
「釜中の魚」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・自信満々で始めたサービスだったけれど、既に同業他社の似たようなビジネスが大量にあって、スタートした時点で釜中の魚のようなものだった。
・二股をしているのがバレていないと思っていた彼は、彼女に調子の良い事ばかり話していたが、実はもう一人の彼女も後ろで待機していて、完全に釜中の魚だった。
・勉強なんてしてないけどテストくらいヤマカンで余裕さ、と言っているあの子だけど、今回は筆記問題しか出ないはずだから、釜中の魚としか言いようがなかった。
「ほとんど死にそう、死が間近に迫っている」というニュアンスが伝わりますでしょうか。
今回の例文では、本当に死ぬと言うよりもたとえの意味での「死」を用いてみました。現代的な使い方をするとしたら、このようにややコミカルな感じのほうがわかりやすいかもしれません。
必ずしも肉体的な死ではなく、経済的だったり社会的だったりも考えられますので、どんな「死」なのかに注目しましょう。そして、その間際に迫っている「死」に気付かないというのは愚かで、時には笑えてしまうことも。その人物が置かれている状況にも注意です。
「少水の魚」:危険が差し迫っている
これは「水の少ないところにいる魚」のことで「いつ死んでもおかしくない、危険が差し迫っていること」をたとえた表現です。「釜中の魚」によく似ていますが「死に気付いていない」というニュアンスはなく、「危険が近い」ということに焦点が当たっています。
他にも「まないたの鯉」という慣用句もありますが、これは「相手のなすがままで逃げ場がない事」を意味するもの。「魚」を使った表現は色々とありますが、意味がそれぞれ異なっていて咄嗟に区別するのが難しいかもしれません。ここで覚えてしまいましょう。
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