国語言葉の意味

【ことわざ】「釜中の魚」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「釜中の魚」について解説する。

端的に言えば「釜中の魚」の意味は「死が迫っていることのたとえ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んだ。一緒に「釜中の魚」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「釜中の魚」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「釜中の魚(ふちゅうのうお)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「釜中の魚」の意味は?

「釜中の魚」には、次のような意味があります。

《「資治通鑑」漢紀から》まもなく煮られようとしている釜の中の魚。死が迫っていることをいう語。魚の釜中に遊ぶが如し。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「釜中の魚」

この言葉は、「死が間際に迫っていることを」例えたことわざです。「釜」とは訓読みで「かま」。食材を煮るのに使ったりする調理器具のことですね。壺などの入れ物ではなく調理器具なわけですから、そこに魚が入っているとしたら、もう料理される目前。死が近い、という意味になっています。

自分の死が近いことを理解して諦めているのかもしれませんし、あるいは理解せずにのんびりしている愚かな様子を表しているのかもしれません。このことわざだけではどちらの意味にも使えますので、文脈から読み取ることが必要です。

また、「ふちゅうのうお」という読み方にも注意。読みを書かされる問題が出ることもありますよ。他にも余談ですが、「釜中魚を生ず」という慣用句も。こちらは「釜をずっと使っていないのでボウフラがわく=きわめて貧乏なこと」という意味です。言葉が近いため、混同しないように注意してくださいね。

「釜中の魚」の語源は?

次に「釜中の魚」の語源を確認しておきましょう。この言葉は、中国の歴史書『資治通鑑(しじつがん)』に見ることができます。反乱軍の首領が、降伏時に自分たちについて述べる際に使ったのがこの言葉。「自分たちは、釜中で泳いでいる魚のように(生きていたけれど~)」という内容です。

改心をするシーンであったため、自分たちの愚かしさを反省する意味合いが込められている言葉でした。実際、茹でられる直前にも関わらずゆったりと泳いでいるとしたら、あまり賢いとは言えませんね。

危険性を理解していないというニュアンスが感じられやすいため、現代でもあまりいい意味には取られないでしょう。その人の愚かしさを強調することにもなりえますので、実際に使う時には注意が必要と言えそうです。

\次のページで「「釜中の魚」の使い方・例文」を解説!/

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