この記事では「足を取られる」について解説する。

端的に言えば足を取られるの意味は「動けなくなる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足を取られる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足を取られる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「足を取られる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足を取られる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足を取られる」の意味は?

「足を取られる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.金が不足して動けなくなる。
2.酒量が過ぎて酔いがまわって歩けなくなる。
3.交通機関の故障などで、それを利用できず、立往生する。
4.足の自由を奪われる。障害物などにじゃまされて、歩行がみだれる。順調な進行がさまたげられる。

出典:精選版 日本国語大辞典「足を取られる」

「足を取られる」は金が不足して動けなくなる・酒量が過ぎ酔いで歩けなくなる・交通機関の故障等で立往生する・足の自由を奪われることを意味する慣用句です。4種類の意味をもった言葉となっているため、どの意味で使われているのか、見聞きした際は前後の文脈に注意して読み取るようにしていきましょう。

どの意味においても、動けなくなるという意味が共通しています。「足を取られる」は書籍・新聞等の文章中のほか、時折口語においても使用されている言葉です。この機会に「足を取られる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「足を取られる」の語源は?

次に「足を取られる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足を取られる」の語源は現在はっきりとはしていません。「足を取られる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「足を取られる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1918年の葛西善蔵・子をつれてでは「泥沼に脚を取られたやうに」として、この言葉が登場しています。こちらの点から「足を取られる」は古くから現在と同様の意味で使われていたことが分かりますね。こちらの点についても、あわせて確認しておきましょう。

\次のページで「「足を取られる」の使い方・例文」を解説!/

「足を取られる」の使い方・例文

「足を取られる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.調子に乗って飲み過ぎて、足を取られた。
2.脱線事故が起こったらしく、通勤の足を取られてしまった。
3.波が強く、足を取られてしまった。

「足を取られる」は例文のように、酔いで歩けなくなること・交通機関を利用できず立往生すること・足の自由を奪われてしまうことを表して使われています。他にお金の不足によって動けなくなってしまう様子についても表現されることがあるため、こちらの点についても確認しておきましょう。

実際に使用する際は、なんらかの理由でその場から動けなくなってしまうことを表すというニュアンスに注意して使用しましょう。また同様の意味の言葉に「足を奪われる」が存在しています。こちらも覚えておきましょう。例文から「足を取られる」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「足を取られる」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「足を取られる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「足を取られる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「足を取られる」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「首が回らない」:支払いが多くやりくりがつかない

「首が回らない」は借金などのために支払うべき金銭が多く、やりくりがつかないことを意味する言葉です。こちらも金銭の不足によって動けなくなることを意味している言葉となっており、「足を取られる」と一部似た意味をもった類義語となっています。酔いで歩けなくなるといった意味はない点に注意しましょう。

\次のページで「その2「酔態(すいたい)」:酒に酔っ払った姿」を解説!/

その2「酔態(すいたい)」:酒に酔っ払った姿

「酔態」は酒に酔っ払った姿を意味する言葉です。こちらも酒に酔った様子を表す言葉となっており、「足を取られる」と一部似た意味をもった言葉となっています。金銭の不足によって動けなくなること・立往生すること・足の自由が奪われることといった意味はない点に注意しましょう。

その3「千鳥足(ちどりあし)」:酒に酔ってふらふら歩く

「千鳥足」は酒に酔ってふらふらと歩くことを意味する言葉です。こちらも酒に酔い、しっかりと歩けなくなる様子を表す言葉となっており、「足を取られる」と一部似た意味をもった類義語となっています。他に、馬の足並みが千鳥の飛ぶ姿のようであるという意味もある点に注意しましょう。

その4「立往生(たちおうじょう)」行き詰まりどうにもできなくなる

「立往生」はある地点で止まったり行き詰まったりしたまま、どうにもできなくなることを意味する言葉です。こちらも動けなくなる様子を表す言葉となっており、「足を取られる」と一部似た意味をもった類義語となっています。他に、立ったまま死ぬことも意味する点に注意しましょう。

その5「足留め(あしどめ)」:不測の事態でその場から動けなくなる

「足留め」は不測の事態でその場から移動できなくなることを意味する言葉です。こちらも動けなくなる様子を表す言葉となっており、「足を取られる」と似た意味をもった類義語となっています。こちらの言葉は他に、外出や通行を禁じることという意味も持っている点に注意しましょう。

「足を取られる」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「足を取られる」の対義語についても確認していきましょう。「足を取られる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「身が立つ」:生活が出来る

「身が立つ」は生活が出来る・生計が立つことを意味している言葉です。「足を取られる」が金銭が不足して動けなくなることを意味していたのに対し、こちらは金銭を十分に得て生活が出来ることを意味している言葉となっています。対義語として、こちらの言葉についても覚えておきましょう。

\次のページで「「足を取られる」を使いこなそう」を解説!/

「足を取られる」を使いこなそう

この記事では「足を取られる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足を取られる」は金銭が不足し動けなくなること・酔いで歩けなくなること・交通機関の故障等から立往生すること・足の自由が奪われることを意味している慣用句です。4種類の意味をもっているため、前後の文脈に注意して、丁寧に読み取っていきましょう。

また類義語には「首が回らない」、「酔態」、「千鳥足」、「立往生」、「足留め」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「足を取られる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「足を取られる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「足を取られる」について解説する。

端的に言えば足を取られるの意味は「動けなくなる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足を取られる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足を取られる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「足を取られる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足を取られる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足を取られる」の意味は?

「足を取られる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.金が不足して動けなくなる。
2.酒量が過ぎて酔いがまわって歩けなくなる。
3.交通機関の故障などで、それを利用できず、立往生する。
4.足の自由を奪われる。障害物などにじゃまされて、歩行がみだれる。順調な進行がさまたげられる。

出典:精選版 日本国語大辞典「足を取られる」

「足を取られる」は金が不足して動けなくなる・酒量が過ぎ酔いで歩けなくなる・交通機関の故障等で立往生する・足の自由を奪われることを意味する慣用句です。4種類の意味をもった言葉となっているため、どの意味で使われているのか、見聞きした際は前後の文脈に注意して読み取るようにしていきましょう。

どの意味においても、動けなくなるという意味が共通しています。「足を取られる」は書籍・新聞等の文章中のほか、時折口語においても使用されている言葉です。この機会に「足を取られる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「足を取られる」の語源は?

次に「足を取られる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足を取られる」の語源は現在はっきりとはしていません。「足を取られる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「足を取られる」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1918年の葛西善蔵・子をつれてでは「泥沼に脚を取られたやうに」として、この言葉が登場しています。こちらの点から「足を取られる」は古くから現在と同様の意味で使われていたことが分かりますね。こちらの点についても、あわせて確認しておきましょう。

\次のページで「「足を取られる」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: