この記事では「手に掛かる」について解説する。

端的に言えば手に掛かるの意味は「直接に取り扱われる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に掛かる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に掛かる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に掛かる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に掛かる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に掛かる」の意味は?

「手に掛かる」というキーワードを精選版国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.直接に取り扱われる。「彼の―・れば簡単にかたづく」
2.殺される。「暗殺者の―・る」
3.世話を受ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「手に掛かる」

「手に掛かる」は直接に取り扱われる・殺される・世話を受けるという意味をもった慣用句です。3種類の意味をもった言葉となっているため、どの意味で使われているのか、見聞きした際は前後の文脈から読み取っていきましょう。どの意味においても、直接行為を受けるというニュアンスが共通していますね。

「手に掛かる」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在も使用されています。よく似た表現に「手掛ける」・「手が掛かる」などがありますが、それぞれ違った意味をもった言葉であるため注意しましょう。この機会に「手に掛かる」の意味・用法をしっかりと確認し、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に掛かる」の語源は?

次に「手に掛かる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に掛かる」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に掛かる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「手に掛かる」がいつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

947年~957年頃の大和物語には「継母のてにかかりていますかりければ、心に物のかなはぬ時もありけり」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に掛かる」は非常に古くから使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点も覚えておきましょう。

\次のページで「「手に掛かる」の使い方・例文」を解説!/

「手に掛かる」の使い方・例文

「手に掛かる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.警察の手に掛かれば、すぐにでも証拠を発見できただろう。
2.殺人鬼の手に掛かる。
3.彼女の手に掛かれば、ものの数分で片付く仕事だった。

「手に掛かる」は例文のように、現在は主に直接取り扱われること・殺されることを表す言葉となっています。世話を受けるという意味は古い書籍にて登場する表現となっており、現在はあまり用いられていない点に注意しましょう。また殺されることを意味する場合、処刑を表している場合もあります。

「~の手に掛かれば」というフレーズは、文中の主体がある行為を簡単にこなす、という場合によく使われている表現です。こちらも注意して覚えておきましょう。例文から「手に掛かる」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「手に掛かる」の類義語は?違いは?

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続いて「手に掛かる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「手に掛かる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「手に掛かる」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「手に掛ける」:自分で行う

「手に掛ける」は自分で行う・世話をする・自分の手で殺すという意味もつ言葉です。こちらも世話・殺すという意味などをもった言葉となっており、「手に掛かる」とよく似た意味をもった類義語となっています。「手に掛かる」が受動態であるのに対し、こちらは能動態の言葉です。

\次のページで「その2「手が掛かる」:世話が焼ける」を解説!/

その2「手が掛かる」:世話が焼ける

「手が掛かる」は世話が焼ける・手で掴んだ状態になる・情交関係になるという意味をもった言葉です。こちらも世話に関する意味をもっており、似た意味をもった類義語となっています。「手に掛かる」と字面が非常によく似た言葉となっていますが、意味が異なるため注意しましょう。

その3「手掛ける」:自ら物事を行う

「手掛ける」は自らその物事を行うこと・心をこめて世話や指導をすることを意味する言葉です。こちらも世話に関する意味をもっており、「手に掛かる」と似た意味をもった類義語となっています。こちらも字面のよく似た言葉となっていますが、意味が異なるため注意しましょう。

その4「取扱(とりあつかい)」:物事を処理する

「取扱」は物事を処理すること・世話をすること・仲裁や仲直りさせることを意味する言葉です。こちらも世話に関する意味をもっており、「手に掛かる」と似た意味をもった類義語となっています。細かい意味に違いがあるため、意味の違いに注意して使い分けていきましょう。

その5「処分」:物事の取り扱い方を決める

「処分」は物事の取り扱い方について取り決めること・処罰を与えること等を意味する言葉です。こちらも取り扱いに関する意味をもっており、「手に掛かる」と似た意味をもった類義語となっています。他に自分の財産を譲渡することや、不要な物や余分な物を始末することも表すなど、意味の違いに注意しましょう。

「手に掛かる」の対義語は?

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つづいて「手に掛かる」の対義語についても確認していきましょう。「手に掛かる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「放置(ほうち)」:処置をせずそのままにする

「放置」は施すべき処置をせずにそのままにすること・置きっぱなしにすることを意味する言葉です。「手に掛かる」が直接取り扱われること・世話を受けること等を意味していたのに対し、こちらは処置されず放っておくことを意味しています。対義語としてこちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「手に掛かる」を使いこなそう」を解説!/

「手に掛かる」を使いこなそう

この記事では「手に掛かる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「手に掛かる」は直接取り扱われること・殺されること・世話を受けることを意味している慣用句です。一つではなく3種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどの意味で使われているのか、前後の文脈から丁寧に読み取っていきましょう。

また類義語には「手に掛ける」、「手が掛かる」、「手掛ける」、「取扱」、「処分」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「手に掛かる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「手に掛かる」について解説する。

端的に言えば手に掛かるの意味は「直接に取り扱われる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に掛かる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に掛かる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に掛かる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に掛かる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に掛かる」の意味は?

「手に掛かる」というキーワードを精選版国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.直接に取り扱われる。「彼の―・れば簡単にかたづく」
2.殺される。「暗殺者の―・る」
3.世話を受ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「手に掛かる」

「手に掛かる」は直接に取り扱われる・殺される・世話を受けるという意味をもった慣用句です。3種類の意味をもった言葉となっているため、どの意味で使われているのか、見聞きした際は前後の文脈から読み取っていきましょう。どの意味においても、直接行為を受けるというニュアンスが共通していますね。

「手に掛かる」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在も使用されています。よく似た表現に「手掛ける」・「手が掛かる」などがありますが、それぞれ違った意味をもった言葉であるため注意しましょう。この機会に「手に掛かる」の意味・用法をしっかりと確認し、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に掛かる」の語源は?

次に「手に掛かる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に掛かる」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に掛かる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「手に掛かる」がいつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

947年~957年頃の大和物語には「継母のてにかかりていますかりければ、心に物のかなはぬ時もありけり」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に掛かる」は非常に古くから使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点も覚えておきましょう。

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