この記事では「四の五の言う」について解説する。

端的に言えば四の五の言うの意味は「文句・不平を言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「四の五の言う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「四の五の言う(しのごのいう)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「四の五の言う」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「四の五の言う」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「四の五の言う」の意味は?

「四の五の言う」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.なんのかんのと文句や不平を言う。「―・って言うことを聞かない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「四の五の言う」

「四の五の言う」はなんのかんのと文句や不平を言うという意味をもった慣用句です。ぐちぐちと文句を言う、面倒な態度をとる人物を非難する意味で使われることが多い言葉となっています。古風な表現となっており、日常的に使われる表現ではない点に注意しましょう。

「四の五の言う」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。口語ではあまり使われていない点も覚えておきましょう。この機会に「四の五の言う」の意味・用法をしっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「四の五の言う」の語源は?

次に「四の五の言う」の語源を確認しておきましょう。「四の五の言う」の語源には諸説あり、江戸末期の国語辞典「俚言集覧」では、サイコロ賭博において四(丁)が出るか五(半)が出るか、迷うところから生まれた言葉であるという説が記載されています。また他には「一」や「ニ」どころか「四」や「五」までぶつぶつと文句を言うという意味から生まれたという説。

「四書五経」に由来するという説も存在しています。「四の五の」という表現は「あれこれ」という意味で江戸中期頃から現れたとされ、四の五の言うの他にも「四の五もなし」・「四も五もいらず」など多彩な表現が生まれました。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「四の五の言う」の使い方・例文」を解説!/

「四の五の言う」の使い方・例文

「四の五の言う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.息子が四の五の言って言うことを聞かず難儀している。
2.四の五の言わずに、言いつけを守れ。
3.四の五の言わず、さっさと動け。

「四の五の言う」は例文のように、ぶつぶつと文句・不平を並べ立てる人の様子を指して使われている言葉です。なにかと文句を言って素直に言うことを聞こうとしない息子。不平不満ばかり言って言いつけを守らない相手。「四の五の言う」はこうした相手の様子を指して、非難・咎める意味で使われています。

また文句・不平を並べ立てる相手に、それをやめさせる意味で「四の五の言わずに」というフレーズも頻繁に利用されていますね。こちらもあわせて覚えておきましょう。例文から実際の使用場面をイメージし、「四の五の言う」を自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「四の五の言う」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「四の五の言う」の類義語・違いについて確認していきましょう。「四の五の言う」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「四の五の言う」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「うだうだ」:取るに足らないことを言う

「うだうだ」は取るに足らないことをいつまでも言う様を表す言葉です。こちらも面倒な態度をとる人物の様子を指して使われている言葉となっており、「四の五の言う」と似た意味をもった類義語となっています。細かい意味の違いに注意して、使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「ぐだぐだ」:つまらないことを長々喋る」を解説!/

その2「ぐだぐだ」:つまらないことを長々喋る

「ぐだぐだ」はつまらないことを長々と喋ったりする様を意味する言葉です。こちらも長々とつまらないことを言う様を表す言葉となっており、「四の五の言う」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に無気力でやる気のなさそうな様も表すなど、意味に違いがあるため注意しましょう。

その3「ぶうぶう」:不平不満を盛んに言う

「ぶうぶう」は不平不満などを盛んに言う等の意味をもった言葉です。こちらも不平不満を言う様子を意味している言葉となっており、「四の五の言う」と似た意味をもった類義語となっています。他に豚の鳴き声も表すなど、細かい意味に違いがあるため注意して使い分けていきましょう。

その4「ぶつくさ」:不平不満を小声で言う

「ぶつくさ」は不平不満をはっきりしない小さな声で言う様を表す言葉です。こちらも不平不満を言う様を表す言葉となっており、「四の五の言う」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは不平不満を小声で言う様子を指すなど、少し違いがあるため注意しましょう。

その5「がたがた」:つべこべと文句を言う

「がたがた」はつべこべと文句を言う様などを表す言葉です。こちらも文句を言う様子を表す言葉となっており、「四の五の言う」と似た意味をもった類義語となっています。他に硬い物が触れ合う際の音・騒がしく落ち着かない様なども表すなど、細かい意味に違いがあるため注意しましょう。

「四の五の言う」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「四の五の言う」の対義語についても確認していきましょう。「四の五の言う」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「素直」:心や気立てが他に逆らわず穏やかである

「素直」は心や気立てが他に逆らわず穏やかである様などを表す言葉です。「四の五の言う」が文句や不平をなんのかんのと言う様子を表していたのに対し、こちらは他に逆らわず従順である様子を表す言葉となっています。対義語として、こちらの言葉についても覚えておきましょう。

\次のページで「「四の五の言う」を使いこなそう」を解説!/

「四の五の言う」を使いこなそう

この記事では「四の五の言う」の意味・使い方・類語などを説明しました。「四の五の言う」はなんのかんのと文句・不平を言う様子を意味する慣用句です。古風な表現であるため、現在はあまり頻繁に使用されている言葉ではない点に注意しましょう。

また類義語には「うだうだ」、「ぐだぐだ」、「ぶうぶう」、「ぶつくさ」、「がたがた」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「四の五の言う」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「四の五の言う」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「四の五の言う」について解説する。

端的に言えば四の五の言うの意味は「文句・不平を言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「四の五の言う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「四の五の言う(しのごのいう)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「四の五の言う」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「四の五の言う」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「四の五の言う」の意味は?

「四の五の言う」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.なんのかんのと文句や不平を言う。「―・って言うことを聞かない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「四の五の言う」

「四の五の言う」はなんのかんのと文句や不平を言うという意味をもった慣用句です。ぐちぐちと文句を言う、面倒な態度をとる人物を非難する意味で使われることが多い言葉となっています。古風な表現となっており、日常的に使われる表現ではない点に注意しましょう。

「四の五の言う」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。口語ではあまり使われていない点も覚えておきましょう。この機会に「四の五の言う」の意味・用法をしっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「四の五の言う」の語源は?

次に「四の五の言う」の語源を確認しておきましょう。「四の五の言う」の語源には諸説あり、江戸末期の国語辞典「俚言集覧」では、サイコロ賭博において四(丁)が出るか五(半)が出るか、迷うところから生まれた言葉であるという説が記載されています。また他には「一」や「ニ」どころか「四」や「五」までぶつぶつと文句を言うという意味から生まれたという説。

「四書五経」に由来するという説も存在しています。「四の五の」という表現は「あれこれ」という意味で江戸中期頃から現れたとされ、四の五の言うの他にも「四の五もなし」・「四も五もいらず」など多彩な表現が生まれました。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「四の五の言う」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: