この記事では「手に掛ける」について解説する。

端的に言えば手に掛けるの意味は「自分で行う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に掛ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に掛ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に掛ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に掛ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に掛ける」の意味は?

「手に掛ける」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.自分で行なう。心のままに行なう。
2.自分で世話をする。手塩(てしお)にかける。
3.自分の手をくだす。また、自分の手で殺す。

出典:精選版 日本国語大辞典「手に掛ける」

「手に掛ける」は自分で行う・自分で世話をする・自分の手で殺すという意味をもった慣用句です。3種類の意味をもった言葉となっており、見聞きした際は前後の文脈に注意し、どの意味で使われているのか読み解きましょう。どの意味においても、自分自身で行うという点が共通しています。

「手に掛ける」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在でも使用されている言葉です。また口語においても時折使用されています。この機会に「手に掛ける」の意味・用法をしっかりと確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に掛ける」の語源は?

次に「手に掛ける」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に掛ける」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に掛ける」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「手に掛ける」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

「手に掛ける」は1001年~1014年頃の源氏物語・竹河に「手にかくる物にしあらば藤の花松よりまさる色を見ましや」としてこの言葉が登場しています。自分で行う・心のままに行うという意味で使われており、現在と同様の意味で非常に古くから使われていることが分かりますね。こちらも確認しておきましょう。

「手に掛ける」の使い方・例文

「手に掛ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.手に掛けた仕事に不備があったらしく、呼び出しを受けた。
2.手に掛けて育てた部下から裏切られた。
3.彼は両親を手に掛けたらしい。

「手に掛ける」は例文のように、自分で直接行うこと・自分で世話をすること・自分の手で人を殺すことを意味している言葉です。自分で行った仕事。手塩にかけて育てた相手。自らの手で殺めてしまう。「手に掛ける」はこうした様子を指す言葉となっています。

どの意味でも自分で行う行為を指すというニュアンスを含んでいるため、使用する際はこちらのニュアンスに注意しましょう。また非常によく似た表現に「手掛ける」がありますが、こちらは自分で行うこと・自分で世話をすることを表す意味では同じとなっていますが、自分の手で殺すという意味はありません。違いに注意して覚えておきましょう。

\次のページで「「手に掛ける」の類義語は?違いは?」を解説!/

「手に掛ける」の類義語は?違いは?

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続いて「手に掛ける」の類義語・違いについて確認していきましょう。「手に掛ける」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「手に掛ける」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「手を下す(てをくだす)」:直接自分で行う

「手を下す」は直接自分で行う・着手することを意味する言葉です。こちらも自分で行うことを意味する言葉となっており、「手に掛ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に着手することなども表す言葉となっているため、意味の違いに注意して使い分けていきましょう。

その2「手塩に掛ける(てしおにかける)」:手ずから世話をすること

「手塩に掛ける」は手ずから世話をすることを意味する言葉です。こちらも自分で世話をすることを意味する言葉となっており、「手に掛ける」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは自分で行うこと・自分で手を下すことといった意味はない点に注意しましょう。

その3「世話」:面倒を見ること

「世話」は面倒を見ること・尽力すること等を表す言葉です。こちらも他人の面倒を見ることを意味する言葉となっており、「手に掛ける」と似た意味をもった類義語となっています。自分で行うことや、自分の手で殺すことといった意味は持っていない点に注意しましょう。

その4「仕留める」:狙った敵を確実に殺すこと

「仕留める」は狙った敵・獲物などを確実に殺すことを意味する言葉です。こちらも殺すことを意味している言葉となっており、「手に掛ける」と似た意味をもった類義語となっています。自分で行うこと・世話をすることといった意味は、こちらの言葉にはない点に注意しましょう。

その5「手掛ける」:自らその物事を行うこと

「手掛ける」は自らその物事を行うこと・心をこめて世話をすることを意味する言葉です。こちらも自ら行うことや世話をすることといった意味をもっており、「手に掛ける」と似た意味をもった類義語となっています。自分の手で殺すという意味はない点など、違いに注意して使い分けていきましょう。

\次のページで「「手に掛ける」の対義語は?」を解説!/

「手に掛ける」の対義語は?

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つづいて「手に掛ける」の対義語についても確認していきましょう。「手に掛ける」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「人任せ」:他人に任せきりにすること

「人任せ」は他人に任せきりにすることを意味している言葉です。「手に掛ける」が自分で直接行うこと・自分で世話をすること・自分の手で殺すことなどを意味していたのに対し、こちらはそうした行為を自分ではせず他人に任せきりにすることを意味しています。対義語としてこちらも覚えておきましょう。

「手に掛ける」を使いこなそう

この記事では「手に掛ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「手に掛ける」は自分で直接行うこと・自分で世話をすること・自分の手で殺すことを意味する言葉です。複数の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際は前後の文脈に注意して、どの意味で使われているのか丁寧に読み取っていきましょう。

また類義語には「手を下す」、「手塩に掛ける」、「世話」、「仕留める」、「手掛ける」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「手に掛ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「手に掛ける」について解説する。

端的に言えば手に掛けるの意味は「自分で行う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に掛ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に掛ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に掛ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に掛ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に掛ける」の意味は?

「手に掛ける」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.自分で行なう。心のままに行なう。
2.自分で世話をする。手塩(てしお)にかける。
3.自分の手をくだす。また、自分の手で殺す。

出典:精選版 日本国語大辞典「手に掛ける」

「手に掛ける」は自分で行う・自分で世話をする・自分の手で殺すという意味をもった慣用句です。3種類の意味をもった言葉となっており、見聞きした際は前後の文脈に注意し、どの意味で使われているのか読み解きましょう。どの意味においても、自分自身で行うという点が共通しています。

「手に掛ける」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在でも使用されている言葉です。また口語においても時折使用されています。この機会に「手に掛ける」の意味・用法をしっかりと確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「手に掛ける」の語源は?

次に「手に掛ける」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に掛ける」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に掛ける」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて「手に掛ける」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

「手に掛ける」は1001年~1014年頃の源氏物語・竹河に「手にかくる物にしあらば藤の花松よりまさる色を見ましや」としてこの言葉が登場しています。自分で行う・心のままに行うという意味で使われており、現在と同様の意味で非常に古くから使われていることが分かりますね。こちらも確認しておきましょう。

「手に掛ける」の使い方・例文

「手に掛ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.手に掛けた仕事に不備があったらしく、呼び出しを受けた。
2.手に掛けて育てた部下から裏切られた。
3.彼は両親を手に掛けたらしい。

「手に掛ける」は例文のように、自分で直接行うこと・自分で世話をすること・自分の手で人を殺すことを意味している言葉です。自分で行った仕事。手塩にかけて育てた相手。自らの手で殺めてしまう。「手に掛ける」はこうした様子を指す言葉となっています。

どの意味でも自分で行う行為を指すというニュアンスを含んでいるため、使用する際はこちらのニュアンスに注意しましょう。また非常によく似た表現に「手掛ける」がありますが、こちらは自分で行うこと・自分で世話をすることを表す意味では同じとなっていますが、自分の手で殺すという意味はありません。違いに注意して覚えておきましょう。

\次のページで「「手に掛ける」の類義語は?違いは?」を解説!/

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