自宅にインターネット回線を設置するときに、業者から「ルーターを確認してください」とか「モデムを確認してください」とか言われたことはないか?
ふだんこれらの機器に不慣れだと、どちらが「ルーター」でどちらが「モデム」だかわからないよな。
今回は現役エンジニアとしてこれらの機器の設置を行ってきたおおつけと一緒に解説していくぞ!

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

ルーターとモデムの違いとは?

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ITが専門分野の人でない限り、「ルーター」と「モデム」の違いを説明できない人がほとんどでしょう。多くの人が「どちらもインターネットを使うには必要な機器だとなんとなくわかるけど……」と思うはず。インターネットを使うのに必要という意味では正解ですが、この2つは行っている処理がまったく違うのです!

ここではまず「ルーター」と「モデム」それぞれの機能から説明していきます。

「ルーター」:ネットに接続するための通信機器

「ルーター」はその名の通り、「route:道筋」を決める通信機器です。ここでいう道筋とはインターネット上の目的地までの道筋。たとえば見たいWebサイトがある場合、そのサイトのインターネット上の住所までナビゲートしてくれるのが「ルーター」です。

そもそもインターネットとは「inter:相互」と「net:網」が合わさってできた言葉。コンピューター機器同士をつなぐ巨大な通信網のことです。インターネットには「ルーター」がルート検索をすることで接続できます。自動車で目的地に向かうときに、カーナビ設定をしてから公道に出るのと一緒ですね。

「モデム」:電気信号を変換する装置

「モデム」は「modulator:変調器」と「demodulator:復調器」が合体した言葉です。変調とは信号を変換すること、復調は変換された信号を元に戻すことを意味します。つまり信号を相互変換する機器ということですね。

ではなぜ「モデム」が必要なのでしょうか?それは自宅に届く信号がアナログ信号だから。日本では一般的に、電話回線やケーブルテレビ回線というアナログ信号回線が設置されています。なので「モデム」を介してコンピューター機器で使えるデジタル信号に変換する必要があるんですね。

ルーターとモデムの見分け方は?

「ルーターを確認してください」と言われても、自宅にある2つの機器のうちどちらが「ルーター」かわからない人も多いはず。似たような見た目をしているので困惑してしまいますよね。ではどうやって「ルーター」と「モデム」を見分けるのでしょうか?ここでは3つの見分け方をご紹介します。

\次のページで「ハブとはどう違うの?」を解説!/

1.壁に近い:電話回線やケーブルテレビ回線など、アナログ信号回線を接続できる方が「モデム」です。わかりやすく言うと「自宅の壁に近い方」ですね。
2.LANケーブルの接続口が多い:「ルーター」は外部からの信号を内部の複数機器にふりわけることもできます。よって「ルーター」の方がLANケーブルの接続口が多いです。
3.PPP(またはPPPoE)ランプがある:PPP(またはPPPoE)とは、カンタンに言えばインターネットに接続する規格。「接続」は「ルーター」の仕事なので、この規格のランプがあれば「ルーター」です。

ハブとはどう違うの?

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「ルーター」や「モデム」と同じくらいよく聞く単語「ハブ」。自宅というよりは、オフィスなど規模の大きい場所で耳にすることが多いかもしれません。ここでは「ハブ」が「ルーター」や「モデム」とどう違うのか説明していきます。

「ハブ」:接続する端末数を増やす装置

「ハブ」とは「スイッチングハブ」の略称。「ハブ」は接続の分岐を増やすだけの機器です。コンセントで言うところの「たこ足配線」のようなものでしょうか。

たとえばルーターにLANケーブルの接続口が4つしかなかった場合、有線機器は5台以上使えませんよね。そういった場合に接続する端末数を増やす目的で使われるのが「ハブ」。「ルーター」や「モデム」のように信号に対する処理を行っているわけではなく、あくまで分岐を増やすだけなんです。

よく聞く「ONU」って何のこと?

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インターネットを契約すると、業者から「モデム」ではなく「ONU」という機器を貸与されることもあります。アルファベット3文字の機器、ますます混乱してしまいますね。ここでは「ONU」の正体に迫ってみましょう。

\次のページで「「ONU」:光回線版「モデム」」を解説!/

「ONU」:光回線版「モデム」

「ONU」は「モデム」に似た機能を持つ装置です。「Optical Network Unit」という英語の略で、日本語では「光回線終端装置」なんて言うムズカしげな正式名称がつけられています。その正体は光回線版「モデム」と呼べるもの。

そもそも「光回線」とは「光信号」を用いる回線のことです。光信号とデジタル信号を相互変換するのが「ONU」。「モデム」がアナログ信号とデジタル信号の相互変換なので、変換する対象が違っているという意味で別物なんですね。

「モデム」で変換して「ルーター」で接続!

ここまで「モデム」と「ルーター」の違いと、関連機器の特徴を説明してきました。「ルーター」はインターネット上の道筋を決めて接続するもの「モデム」は信号を変換するものでしたね。電話回線・ケーブルテレビ回線の接続口から「モデム」→「ルーター」という順番でつなぐことでインターネットが使用できるようになるのでした。

また「ハブ」は接続端末数を増やすための機器「ONU」は光回線版「モデム」なこともわかりましたね。いろいろな種類の機器があるのは、それぞれ担う役割が異なっているためと言えます。

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3分でわかるルーターとモデムの違い!ONUやハブ・見た目の違いも雑学好きライターがわかりやすく解説

自宅にインターネット回線を設置するときに、業者から「ルーターを確認してください」とか「モデムを確認してください」とか言われたことはないか?
ふだんこれらの機器に不慣れだと、どちらが「ルーター」でどちらが「モデム」だかわからないよな。
今回は現役エンジニアとしてこれらの機器の設置を行ってきたおおつけと一緒に解説していくぞ!

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

ルーターとモデムの違いとは?

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ITが専門分野の人でない限り、「ルーター」と「モデム」の違いを説明できない人がほとんどでしょう。多くの人が「どちらもインターネットを使うには必要な機器だとなんとなくわかるけど……」と思うはず。インターネットを使うのに必要という意味では正解ですが、この2つは行っている処理がまったく違うのです!

ここではまず「ルーター」と「モデム」それぞれの機能から説明していきます。

「ルーター」:ネットに接続するための通信機器

「ルーター」はその名の通り、「route:道筋」を決める通信機器です。ここでいう道筋とはインターネット上の目的地までの道筋。たとえば見たいWebサイトがある場合、そのサイトのインターネット上の住所までナビゲートしてくれるのが「ルーター」です。

そもそもインターネットとは「inter:相互」と「net:網」が合わさってできた言葉。コンピューター機器同士をつなぐ巨大な通信網のことです。インターネットには「ルーター」がルート検索をすることで接続できます。自動車で目的地に向かうときに、カーナビ設定をしてから公道に出るのと一緒ですね。

「モデム」:電気信号を変換する装置

「モデム」は「modulator:変調器」と「demodulator:復調器」が合体した言葉です。変調とは信号を変換すること、復調は変換された信号を元に戻すことを意味します。つまり信号を相互変換する機器ということですね。

ではなぜ「モデム」が必要なのでしょうか?それは自宅に届く信号がアナログ信号だから。日本では一般的に、電話回線やケーブルテレビ回線というアナログ信号回線が設置されています。なので「モデム」を介してコンピューター機器で使えるデジタル信号に変換する必要があるんですね。

ルーターとモデムの見分け方は?

「ルーターを確認してください」と言われても、自宅にある2つの機器のうちどちらが「ルーター」かわからない人も多いはず。似たような見た目をしているので困惑してしまいますよね。ではどうやって「ルーター」と「モデム」を見分けるのでしょうか?ここでは3つの見分け方をご紹介します。

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