今回は英単語の"hear"と"listen"の違いについてみていきます。どちらも「きく」を意味する単語であることは知っているでしょう。しかし、使い方やニュアンスに微妙な違いがあることはご存知でしょうか?使い方を間違えてしまうと、うまく相手に伝わらないなんてことも。
今回は会話でもよく使われるこれらの英単語の違いを、英語オタクのとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中3でそれまで苦手だった英語にハマり、英語漬けの日々。苦手だったからこそ気づいた英語の楽しさを伝えるために英語のあれこれを分かりやすく解説していく。

違いその1.自動詞・他動詞

まずは文法的な違いから。どちらも品詞は動詞ですが、一方は自動詞、他方は他動詞に分類されます。自動詞と他動詞の違いを簡単に説明すると、主語と動詞だけで文章が成り立つかどうか。自動詞であれば、「主語+自動詞」で1つの文章として完成しますが、他動詞は動詞のあとに目的語が必要です。

hear:他動詞

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"hear"は他動詞です。そのため"hear"のあとには必ず聞く対象が続きます。また、「〜が〇〇しているのを聞く」という表現も可能です。例を見てみましょう。

1. I can hear a song of small birds.
2. I can hear small birds singing.

どちらの例文も「小鳥のさえずりが聞こえる」です。例文1は動詞のあとに目的語の"a song of small birds"が続く他動詞の典型的な例文。例文2は動詞のあとに目的語が2回続く例文で、直訳すると「小鳥たちがないているのが聞こえる。」

このように"hear"は聞く対象を動詞のすぐ後ろに置くことができます。

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listen:自動詞

一方、"listen"は自動詞。主語と動詞だけでも文章として成り立ち、動詞のすぐ後ろに聴く対象を置くことはできません。前置詞"to"を置くことで聴く対象を示すことはできますが、"hear"のように「〜が〇〇しているのを聴く」という表現をすることはできません。

1. I'm listening.(聴いてる。)
2. I listen to music.(音楽を聴く。)

例文1も例文2も文法的には問題ありません。しかし、例文1を使う時には、文脈から聴いている内容が分かる時のみ使うことが多いようです。基本的には、"listen to 〇〇"を使います。"listen music"は文法的に間違いなので気をつけましょう。

違いその2.「聞く」と「聴く」

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上記の例文であえて漢字を使い分けて表記しました。なぜなら、"hear"と”listen”には、漢字の「聞く」と「聴く」の違いがあるからです。詳しくみていきましょう。

hear :聞く

"hear"は「聞く」と訳します。生活音など、意図せず耳に入ってくる音を聞く際は”hear”を使いましょう。「小鳥のさえずり」は聞こうとして聞くものではなく、自然と耳に入ってくるといった方が正しいですよね。そのため、先程の例文の通り"hear"を使います。

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listen:聴く

一方、"listen"は「聴く」と訳します。音楽や授業など意図して集中して聴く時には、「試聴」や「聴講」など「聴」の漢字があてられていますね。自然と耳に入ってくる音ではなく、自分から能動的に獲得していく音に対しては”hear"ではなく"listen"を使いましょう。

違いその3.きく対象

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最後にきく対象の違いについてです。「聴く」と「聞く」の違いに近いですが、きく対象によって使い分けることができます。具体的には、「音」をきくのか、「内容」をきくのか、です。まず例文を2つ確認しましょう。

1. Can you hear me?
2. Listen to me!

どちらも"me"をきく対象としていますが、どのような違いがあるのでしょうか?

hear:音

"hear"の対象は「音」です。生活音や騒音など、とにかく耳に入ってくる音に対して使われ、その内容は関係ありません。例文1の"me"は「自分の声」を意味しています。「私の声聞こえてますか?」と相手に自分の声(音)が届いているかを確認する文章です。

listen:内容

"listen"の聴く対象は内容です。音楽や講義などその内容に重きを置きたい時には”listen”を使いましょう。 例文2は映画などで聞いたことがありませんか?この時の"me"は「私の話」の意味になります。「私の話を聴いて!」と相手に自分の話(内容)を聴いてほしい時に使われる文書です。

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英単語のニュアンスを理解して、ワンランク上の英語力へ!

英単語にも、日本語の漢字と同じように時と場合に応じた正しい使い方があります。誤った使い方をしても意味は伝わるかもしれませんが、ニュアンスが上手く伝わらなかったり、不自然な英語に聞こえてしまったりしてしまうかもしれません。ニュアンスまで伝えるのは、会話のテンポを保つ上で非常に重要です。類義語のニュアンスの違いを理解してワンランク上の英語力を手に入れましょう!

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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雑学

3分で分かる”hear”と”listen”の違い!ニュアンスや例文・使い分けも英語オタクが詳しくわかりやすく解説

今回は英単語の”hear”と”listen”の違いについてみていきます。どちらも「きく」を意味する単語であることは知っているでしょう。しかし、使い方やニュアンスに微妙な違いがあることはご存知でしょうか?使い方を間違えてしまうと、うまく相手に伝わらないなんてことも。
今回は会話でもよく使われるこれらの英単語の違いを、英語オタクのとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中3でそれまで苦手だった英語にハマり、英語漬けの日々。苦手だったからこそ気づいた英語の楽しさを伝えるために英語のあれこれを分かりやすく解説していく。

違いその1.自動詞・他動詞

まずは文法的な違いから。どちらも品詞は動詞ですが、一方は自動詞、他方は他動詞に分類されます。自動詞と他動詞の違いを簡単に説明すると、主語と動詞だけで文章が成り立つかどうか。自動詞であれば、「主語+自動詞」で1つの文章として完成しますが、他動詞は動詞のあとに目的語が必要です。

hear:他動詞

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“hear”は他動詞です。そのため”hear”のあとには必ず聞く対象が続きます。また、「〜が〇〇しているのを聞く」という表現も可能です。例を見てみましょう。

1. I can hear a song of small birds.
2. I can hear small birds singing.

どちらの例文も「小鳥のさえずりが聞こえる」です。例文1は動詞のあとに目的語の”a song of small birds”が続く他動詞の典型的な例文。例文2は動詞のあとに目的語が2回続く例文で、直訳すると「小鳥たちがないているのが聞こえる。」

このように“hear”は聞く対象を動詞のすぐ後ろに置くことができます。

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