光の分散とは?身近な例を交えて原理・現象を理系ライターがわかりやすく解説!
・反射
・屈折
・回折
・干渉
光にもこの4つの性質があります。4つ目の性質の「干渉」は、波長や振動数など、波形の異なる波が互いに干渉し、新しい波形を持った波ができるという現象です。
そして、干渉した波は元の波に分けることもできます。光にもこの性質があるため、光は互いに干渉し混ざることができ、元の波に分けることもできるんです。干渉した光を複数の光に分かれることを「光の分散」といいます。
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「反射」「屈折」「回折」「干渉」の4つの現象は、波に特有の現象です。そして、それぞれの特徴を光も持っていることが実験から証明されました。これが、光が波であるという説が強くなった理由だったんですね。
光の分散とはどのような現象?
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太陽から降り注ぐ光は白色ですよね。白色の光は白色光と呼ばれており、太陽から降り注ぐ白色光は7色に分けることができます。これが光の分散です。光の分散をwikipediaで調べてみると、下のように書いてありました。
光学において分散(ぶんさん、英: dispersion)とは、入射した光線が波長ごとに別々に分離される現象、またはその度合いのことをさす。媒体の屈折率が波長によって異なることによって発生する。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E6%95%A3_(%E5%85%89%E5%AD%A6)
光の分散にはプリズムを使うことが多いです。プリズムを通った白色光が7色に分かれて出てくる実験は、目にしたことがある人も多いと思います。これは、媒質の空気とプリズムの屈折率の差で起きる現象です。光の屈折率は波長によって異なるので、光の分散が起きています。
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光の分散で起きる自然現象とは
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実験的にはプリズムを使うことで、光の分散を起こすことができますが、実は光も分散が使われている自然現象もあります。それが雨上がりに見られる「虹」です。虹はどうしてできるのか、その原理を紹介していきます。
虹ができる仕組みとは
雨上がり空にかかる虹ですが、虹は光の波としての性質があってこそ発生する自然現象です。「光の反射」「光の屈折」「光の分散」が絡み合うことでキレイな虹ができます。雨上がりの空には、適度な大きさの水滴が漂っていますよね。太陽から降り注ぐ白色光が水滴にあたると次のような現象が起こります。
その1.白色光が水滴内に屈折して侵入する。この時光が7色に分かれる。(光の分散)
その2.水滴内で光が反射する。(光の反射)
その3.水滴内を進む光がさらに屈折して空気中へ出ていく。
空気中から水滴内へ入っていった光が反射と屈折を経て、7色に分かれて再度空気中へ出ていきます。屈折率は光の波長と媒質によって変わると先ほど紹介しました。光の波長は色ごとに決まっています。媒質は空気と水で同じなので、屈折の仕方はどの水滴でも変わりません。
そのため、虹の順番は「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」に決まっています。
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