
「ml」:「リットル」が由来
「ml」は「milli litre(ミリ リットル)」の略。「milli」とは「1000分の1」を意味する言葉です。つまり「1000分の1リットル」のことですね。「ml」は「リットル」由来なんです。
そもそも「リットル」の定義は「1リットルは1キログラムの純水によって占められる体積」としたものが出発点。つまり「立方体の占める空間の体積」ではなく、「体積そのもの」を表現した単位が「リットル」。リュックサックの容量などでも使われていますね。
ちなみに「1dl(デシリットル)」は、「1リットルの1/10」の体積のこと。みなさんがふだん使っている500mlペットボトルは、5dlでもあるんです。
どう使い分ければいい?

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同じ意味であっても、作られた由来が違うところまでは理解できたと思います。しかし、日常生活でこの2つが混在していると思いませんか?オートバイクの排気量は「cc」。飲料のペットボトルや缶などに書かれているのは「ml」。どちらをどのようなタイミングで使えばいいのか迷うことも多いでしょう。
ここでは、「cc」と「ml」をどう使い分ければいいのかを解説していきます。
基本的には「ml」を使った方がいい
日本では慣例的に「空間を重視した体積」であれば「cc」を使っていました。オートバイクの排気量がこれに該当しますね。
しかし国際単位系では「cc」の使用は認められていません。国際単位系とは世界中で一貫して通用する単位のグループのこと。つまり「cc」で説明しても通用しない国もあるということですね。また日本産業規格(JIS)においても使用は認められていません。日本産業規格とは、工業製品だけなくデータやサービスも対象としています。要するに、日本でも広い範囲において「cc」はNGなんです。
世界でも日本でも「cc」は公式の場では使えない。となれば「ml」を使った方が無難と言えるでしょう。
「cc」はいずれ使われなくなる?
公式の場で認められない「cc」を使い続けるメリットがないこともあり、「cc」はどんどん使われなくなっています。その一例としてあげられるのが計量法という法律の改正。この改正では飲料などの液体の体積を「ml」とするよう生産者に義務づけました。
「cc」が認められなくなった理由は、数字の「00」と誤認する可能性があるからです。危険物や薬などの分量に誤りがあったら大変ですから、納得の理由ですね。たとえば医療現場では、かつて肺活量を測るときには「cc」を使っていました。現在は「ml」を使うのが標準となっています。
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