「退社」と「退職」の違いとは?履歴書にはどちらを書く?意味や使い分けも文学部卒のライターがわかりやすく解説
「退職」の意味と使い方
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「退職」は「職を退く」と書きます。会社や公務員、フリーランスなど企業や勤務先の種別に関係なく使えそうですね。「退職」の意味や使い方について詳しく見ていきましょう。
「退職」の意味
「退職」は「現在就いている職業を退く」ということなので、今の仕事を辞めるという意味です。意味は1つだけなので、混同して誤解される恐れもないでしょう。また、どのような職業であるのか、特に規定はなさそうですね。
勤めている職をやめること。現職をしりぞくこと。(類語 辞職)
出典:コトバンク 小学館 デジタル大辞泉
「退職」の使い方
では、「退職」の使い方を例文でみてみましょう。
・サービス残業が多いブラック企業を、来月末付けでやっと退職することになった。
・退職後にプロの転職エージェントに登録した。
・カウンセリングを受けて就活し、退職してすぐに条件の良い企業に転職できた。
・勤務先が倒産して、心ならずも退職するはめになった。
・彼は能力がある。退職しても簡単に次の勤め先が決まるんだろうな。
「退職」は勤務先が会社組織でなくてもOK
「退職」は勤務先が会社組織でなくても全般的に、職を辞する意味で使えます。病院などに勤務した場合も、会社組織に当たらないので「退社」とは使いにくいでしょう。個人事務所や役所などに公務員として就職した時には「入所」と表現することもありますね。辞める時には「退所」という語も使えますが、施設などから出る際にも「退所」ということがあり、紛らわしいです。
また、銀行に就職した場合は「入行」、信用金庫の場合は「入庫」ということもあります。しかし、仕事を辞める時に「退行」や「退庫」という語句は、意味をなさないためほぼ使われません。
「退職代行」とは?
「退職代行」というサービスをご存知でしょうか。退職に特化したサービスで、仕事を辞めたい人のために退職手続きを代わりに行うこと。会社に退職を報告するところから、備品の返却や勤めていた間の給与まで取得できるように取り計らってもらえるということです。
企業に「仕事を辞めたい」と申し出ても退職させてくれない、切実な悩みを持った人にはありがたいサービスですね。直属の上司や経営者が怖くて、退職を言い出せない人も利用するそうですよ。
「退職代行」を選ぶには、労働者の権利を守る労働団体が運営していたり、弁護士のような法の専門家がアドバイスしてバックアップできる体制を整えていたりするところが安心かもしれませんね。
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