この記事では「瀑布」と「滝」の違いについてみていきます。「滝」は見たことがあるかもしれないが、「瀑布」についてはイメージできない人もいるかもしれませんね。「日本三大瀑布」のような言い方を聞いたことはあるでしょうか。もしかしたら、滝の仲間ではあっても、規模や水量が関係しているかもしれませんね。今回はクイズ番組の問題から絶景の写真集にハマったライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

海外の推理小説を愛好するライター。教養系のクイズ番組で出題されていた問題から絶景の写真にハマり、瀑布と滝の違いが気になっている。

「瀑布」と「滝」に違いはある?

image by iStockphoto

「瀑布」と「滝」、どちらも同じものを指すのでしょうか。両方とも段差があって急な斜面からものすごい勢いで水が下っていくような感じですね。水が高い所から流れ出るイメージがありますが、細かい違いはどこにあるのでしょうか。

「瀑布」の意味と使い方

image by iStockphoto

まずは「瀑布」の意味と使い方をチェックしていきましょう。ちなみに読み方は「ばくふ」です。

「瀑布」の意味

では、「瀑布」の意味を辞書で調べてみましょう。

高い所から白い布を垂らしたように、直下する水の流れ。滝。飛泉。「ナイアガラ―」《季 夏》

出典:goo辞書「瀑布」の意味

「瀑」の漢字の意味

①たき(滝)。「瀑布」 ②しぶき。水しぶき。 ③にわかあめ。

出典:漢字ペディア「瀑」の意味

\次のページで「「瀑布」の使い方」を解説!/

1.麻や綿などの織物。一般に、織物。ぬの。「布衣 (ふい) ・布巾 (ふきん) ・布帛 (ふはく) /画布・乾布・絹布・財布・湿布・瀑布 (ばくふ) ・麻布・綿布・毛布」

2.平らに敷き広げる。「布陣・布石/散布・塗布」

出典:goo辞書 「布」の意味

上記のように、「瀑布」は夏の季語で、水が勢いよく流れる様子を表す語句だということが分かりましたね。つまり、「滝」の中でも勾配が垂直に近く、水が川床から離れて崖のような高い場所から直接落下するものを表します。

「瀑布」の「瀑」という字は、滝や水しぶきを表す漢字。にわか雨を表すこともあるようです。水が勢いよく落ちてしぶきをあげる様子がイメージできます。「布」は糸を織って作ったもの、もしくは平らに敷いて広げる様子のことです。水が幾重にも落ちてくる時につながって1枚の布を広げているように見えるところから来ているのでしょう。

「瀑布」の使い方

「瀑布」の使い方について、わかりやすいように例文をあげてみます。

1.瀑布というと派手に水しぶきを上げる、迫力のあるような滝というイメージがある。
2.世界三大瀑布は、イグアスの滝、ヴィクトリアの滝、ナイアガラの滝なんだって。
3.水量の多い瀑布で滝行したら大変だろうね。落ちてくる水が痛そうだよ。

日本三大瀑布はどこにある?

海外のように大規模な滝ではなくても、日本にも瀑布はあります。「日本三大瀑布」はどこにあるかご存知でしょうか。

1.華厳の滝(栃木県日光市)…中禅寺湖から流れ出る滝で、高さ97mほどの崖を一気に落下する迫力のある滝。
2.那智の滝(和歌山県那智勝浦町)…那智大社の別宮、飛龍神社の御神体。岩盤に3つの切れ目があり3本筋になっていることから「三筋の滝」という別名も。地面との落差が133mで、毎秒1tもの水が流れ出るスケールの大きな滝。
3.袋田の滝(茨城県太子町)…久慈川の支流滝川にある滝。高さ120m、幅73mもの大きさがあり、4段の岩肌を流れることから「四度の滝」という別名もある。

\次のページで「「滝」の意味と使い方」を解説!/

「滝」の意味と使い方

image by iStockphoto

「滝」は本来、川の流れの急な斜面を流れる水を「たぎ」や「たぎつせ」と呼んだことからきています。水が沸騰するように勢いよく流れ出るところを「たぎる」といいました。現在の滝のイメージとどこか違うような感じがしますね。

「滝」の意味

「滝」には大きく分けて2種類。急勾配の所を勢いよく流れる水は「早瀬(はやせ)」、高い所から直接落下するのは「瀑布」と呼ばれています。ただし、近年では瀑布と滝を同じように使い、早瀬と区別して使うような傾向があるようです。現代では「滝」と「瀑布」の違いがわからなくても仕方がない一面がありますね。

「滝」の使い方

「滝」の使い方について、例文をあげてみていきましょう。

1.滝は古来から神聖視されて、滝を登った鯉は龍になるという伝説があるそうだよ。
2.滝の水が落ちて、深くけずられた部分は滝壺という。
3.瀑布と同様に滝も夏の季語だ。

「滝」を「たる」と読むのはなぜ?

静岡県河津町は河津桜で有名な観光地で、7つの滝があることでも有名です。総称して「河津七滝」、読みは「かわづななだる」。「滝」であるのに、「たる(だる)」と読むのはなぜでしょうか。一説によると、滝が「水が垂れる(たれる)」ように見えたので「垂水(たるみ)」と呼んでいたからではないかといわれています。

ちなみに、7つの滝のうちの1つ「初景滝(しょけいだる)」には、川端康成の代表作『伊豆の踊り子』のブロンズ像がありますよ。

ライター厳選!おすすめの滝はここだ!

最後に、ライター・海辺のつばくろが好きな滝を3つご紹介します。

その1.浄蓮の滝

浄蓮の滝(じょうれんのたき)は静岡県伊豆市にあるコバルトブルーの水が美しい滝です。夏の暑い時期でも、水しぶきがかかってとても涼しく感じますよ。森に囲まれているので、マイナスイオンもたっぷり!清々しい気分になれます。『天城越え』の歌詞でも有名ですね。

\次のページで「その2.音止の滝」を解説!/

その2.音止の滝

音止の滝(おとどめのたき)は静岡県富士宮市にある、水の流れが豪快で音量が大きい滝です。源頼朝が催した富士の巻狩りの時に、曽我兄弟が親の仇である工藤祐経を討つ相談をしていたそう。滝の轟音で互いの声が聞き取れず、神に願ったところ滝の音が止んで無事に仇討ちができたのが名前の由来となっているようです。

その3.白糸の滝

白糸の滝(しらいとのたき)は先ほど紹介した音止の滝の隣にあります。白い糸が細く流れる様子が優美な滝で、音止の滝とは対称的。岩のすき間から富士山の湧き水が流れ出ていて、透き通っていてとてもきれいなんですよ。源頼朝が富士の巻狩りの際に下記の歌を詠んだという伝説もあります。

この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝

「滝」は全般的「瀑布」は滝の種類の1つ

「滝」は2種類の「早瀬」と「瀑布」をひっくるめて全般的に使えます。一方、瀑布は滝の一種です。しかし、現在では早瀬を別個に扱い、瀑布と滝と同じような意味で使うようになってきたため、両者の意味はほとんど変わりなくなってきています。

" /> 3分でわかる「瀑布」と「 滝」の 違いとは!日本三大瀑布はどこにある?絶景写真集にハマった文学部卒ライターがわかりやすく解説 – ページ 2 – Study-Z
雑学

3分でわかる「瀑布」と「 滝」の 違いとは!日本三大瀑布はどこにある?絶景写真集にハマった文学部卒ライターがわかりやすく解説

1.麻や綿などの織物。一般に、織物。ぬの。「布衣 (ふい) ・布巾 (ふきん) ・布帛 (ふはく) /画布・乾布・絹布・財布・湿布・瀑布 (ばくふ) ・麻布・綿布・毛布」

2.平らに敷き広げる。「布陣・布石/散布・塗布」

出典:goo辞書 「布」の意味

上記のように、「瀑布」は夏の季語で、水が勢いよく流れる様子を表す語句だということが分かりましたね。つまり、「滝」の中でも勾配が垂直に近く、水が川床から離れて崖のような高い場所から直接落下するものを表します。

「瀑布」の「瀑」という字は、滝や水しぶきを表す漢字。にわか雨を表すこともあるようです。水が勢いよく落ちてしぶきをあげる様子がイメージできます。「布」は糸を織って作ったもの、もしくは平らに敷いて広げる様子のことです。水が幾重にも落ちてくる時につながって1枚の布を広げているように見えるところから来ているのでしょう。

「瀑布」の使い方

「瀑布」の使い方について、わかりやすいように例文をあげてみます。

1.瀑布というと派手に水しぶきを上げる、迫力のあるような滝というイメージがある。
2.世界三大瀑布は、イグアスの滝、ヴィクトリアの滝、ナイアガラの滝なんだって。
3.水量の多い瀑布で滝行したら大変だろうね。落ちてくる水が痛そうだよ。

日本三大瀑布はどこにある?

海外のように大規模な滝ではなくても、日本にも瀑布はあります。「日本三大瀑布」はどこにあるかご存知でしょうか。

1.華厳の滝(栃木県日光市)…中禅寺湖から流れ出る滝で、高さ97mほどの崖を一気に落下する迫力のある滝。
2.那智の滝(和歌山県那智勝浦町)…那智大社の別宮、飛龍神社の御神体。岩盤に3つの切れ目があり3本筋になっていることから「三筋の滝」という別名も。地面との落差が133mで、毎秒1tもの水が流れ出るスケールの大きな滝。
3.袋田の滝(茨城県太子町)…久慈川の支流滝川にある滝。高さ120m、幅73mもの大きさがあり、4段の岩肌を流れることから「四度の滝」という別名もある。

\次のページで「「滝」の意味と使い方」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: