今回はネットワーク用語の「LAN(ラン)」と「WAN(ワン)」の違いについて勉強していこう。何気なく聞いたことはありますが違いがわからないという人も多いのではないか。そこで今回はLANとWANの違いと一緒にそれぞれで使われるIPアドレスやネットワーク機器の特徴を現役ネットワークエンジニアのsatokoと一緒に解説していきます。

ライター/satoko

現役のネットワークエンジニア。普段からネットワーク機器を扱っている経験を活かしわかりやすく解説していく。

そもそもネットワークとは?

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スマートフォンやパソコンが普及し、ネットワークというものが身近なものになってきました。皆さんも普段からネットワークを利用しているのではないでしょうか。ではネットワークとはそもそも何なのでしょうか?

ネットワークとは情報の伝達を行うための通信設備です。例えばメールを送るときのことを考えてみましょう。私たちはスマートフォンからメールを送信することで相手にメールが届きますね。この時自分のスマートフォンから相手のスマートフォンへメールが届くまでには私たちに見えていな様々な機器を経由してメールが届きますこれらの機器がネットワークを作っているのです。

ネットワークを作っているこれらの機器については後ほどご紹介します。

「LAN」と「WAN」の違いとは?

ネットワークが普及した昨今、皆さんもLANやWNといった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。なんとなく聞いたことがあるこれらの言葉の意味や違いはご存じですか。

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「LAN」:限定された範囲のネットワーク

LANとはLocal Area Network(ローカルエリアネットワーク)の頭文字をとったものです。ローカルエリア(限定された範囲)のネットワークのことを意味します。LANは自分達で構築、運用することが可能です。

「WAN」:公開された広範囲なネットワーク

WANとはWide Area Network(ワイドエリアネットワーク)の頭文字をとったものです。ワイルドエリア(広範囲)のネットワークのことを意味します。いわゆるインターネットがWANにあたり、プロバイダーと契約をすることでWANにアクセスすることができるのです。WANの構築、運用はプロバイダーが行います

LANとWANの具体例

ある会社を例に考えてみましょう。この会社には東京オフィスと大阪オフィスがあり、東京オフィス内および大阪オフィス内のネットワークはLANにあたります。

東京オフィスのAさんが席の横にあるプリンターで印刷するために行われる通信はLANの中での通信となるのです。東京オフィスのLANと大阪オフィスのLANをつなぐのがWANになります。大阪オフィスのBさんが東京オフィスにあるサーバーにアクセスするときにはWANを介した通信を行っているのです。

「LAN」と「WAN」で使用するIPアドレスは違う

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LANとWANでは使用するIPアドレスが違います。ではどのような違いがあるのかみていきましょう。

IPアドレスって何?

IPアドレスはネットワーク上で住所を表す数字です。0~255の数字でx.x.x.xのように4つの数字の組み合わせによって表記されます。あまり意識したことがないかもしれませんが、スマートフォンやパソコンなど普段私たちが使っている端末にもIPアドレスは割り当てられているのです。このIPアドレスは通信を行う際に利用されます。

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「LAN」:プライベートIPアドレス

プライベートIPアドレスはLANの中でのみ使用することのできるアドレスで、インターネット上の機器と直接通信することはできません。プライベートIPアドレスには以下の範囲があり、LANの中で自由に使用するアドレスの範囲を決めることができます

プライベートIPアドレスの範囲
・10.0.0.0~10.255.255.255
・172.16.0.0~172.31.255.255
・192.168.0.0~192.168.255.255

「WAN」:グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスはWANで使用されるアドレスで、インターネットに接続するときに使用されます。グローバルIPアドレスは世界中で一意なアドレスのため、既に使用されているアドレスは使うことができません。そのため自由に使うことはできず、プロバイダーから割り当てられたIPアドレスを使用することになります。上記のプライベートIPアドレス以外がグローバルIPアドレスの範囲です。

「LAN」を構成するネットワーク機器

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LANとWANで使用するIPアドレスの違いについて解説しました。LANとWANでは構成する機器にも違いがあります。ではどのような違いがあるのでしょうか。まずはLANを構成する機器についてみてみましょう。

ハブ:接続口を増やすための機器

ハブは接続口を増やす役割を持っています。会社のように複数の端末をネットワークにつなげるような場合に使用する機器です。ハブは送信元から受け取った情報を端末が接続されている他の口にも同じように送信します。

スイッチ:接続口を増やすための機器

スイッチもハブと同じように接続口を増やす役割を持っています。ハブは受け取ったデータを他のすべての端末にも同じように送っていたため、無駄なデータ通信がありました。それに比べてスイッチは必要な相手のみにデータを送ることができるため無駄なデータ通信がありません。

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ルータ:異なるネットワークを接続し転送経路を決定する機器

ルータはネットワーク通信を行うための中継機器で、異なるネットワーク同士を接続します。さらにルータはどういう経路でデータを転送するかを判断する交通整理のような役割も持っているのです。

ネットワークでは宛先に到達するまでに1つの経路だけではなく複数の経路が存在することがあります。その場合にどちらの経路を使用するのか決めるのはルータの役割です。ルータは後述するモデムと接続しLANとWANの境界部分で使用され、LAN同士をつなぐ役割を持っています。

「WAN」を構成するネットワーク機器

続いてWANで使用される機器を紹介していきます。

モデム:インターネットに接続するための機器

モデムはパソコンなどが理解できるデジタル信号と電話回線などのアナログ信号を相互に変換する機器です。近年では光回線が普及し、光回線とデジタル信号を変換するためのONUといわれる機器も増えています。
モデムやONUは通信事業者からレンタルするのが一般的です。これらの機器に接続することによってWANであるインターネットに接続することができます。

ネットワークの技術により私たちはつながっている

ネットワーク用語のLANとWANの違いについて解説しました。LANとWANの大きな違いは範囲です。LANは限定された範囲WANは公開された広範囲。範囲に違いはありますが、これまで紹介したネットワーク機器や技術により私たちはさまざまなものや人とつながっています。今後もネットワークはされに進化を続ていくでしょう。

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初心者でもわかる「LAN」と「WAN」の違い!特徴やネットワーク機器・IPアドレスも現役エンジニアがわかりやすく解説

今回はネットワーク用語の「LAN(ラン)」と「WAN(ワン)」の違いについて勉強していこう。何気なく聞いたことはありますが違いがわからないという人も多いのではないか。そこで今回はLANとWANの違いと一緒にそれぞれで使われるIPアドレスやネットワーク機器の特徴を現役ネットワークエンジニアのsatokoと一緒に解説していきます。

ライター/satoko

現役のネットワークエンジニア。普段からネットワーク機器を扱っている経験を活かしわかりやすく解説していく。

そもそもネットワークとは?

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スマートフォンやパソコンが普及し、ネットワークというものが身近なものになってきました。皆さんも普段からネットワークを利用しているのではないでしょうか。ではネットワークとはそもそも何なのでしょうか?

ネットワークとは情報の伝達を行うための通信設備です。例えばメールを送るときのことを考えてみましょう。私たちはスマートフォンからメールを送信することで相手にメールが届きますね。この時自分のスマートフォンから相手のスマートフォンへメールが届くまでには私たちに見えていな様々な機器を経由してメールが届きますこれらの機器がネットワークを作っているのです。

ネットワークを作っているこれらの機器については後ほどご紹介します。

「LAN」と「WAN」の違いとは?

ネットワークが普及した昨今、皆さんもLANやWNといった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。なんとなく聞いたことがあるこれらの言葉の意味や違いはご存じですか。

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