今回は文化と文明の違いを解説していきます。「縄文文化」や「メソポタミア文明」などどちらも歴史の授業で頻繁に出てくる言葉であり、特に文化は「若者文化」や「ネット文化」など日常でも使われるイメージがあるよな。その使い分けのポイントは「地域性にとらわれるかどうか」、「物質的か精神的か」という点にあるようですが、少し理解しにくいでしょう。今回はそんな文化と文明の違いをわかりやすく説明しつつ、語源や例文についても雑学好きの元書店員ライターケイノと一緒に解説していきます。

ライター/ケイノ

新しい知識をストックするのが趣味の元書店員。得た内容を自分なりに噛み砕いて、読者にわかりやすく伝えていく。

文化と文明の違いは?

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文化と文明は、どのような違いがあるのでしょうか。ここではまず、文化と文明のそれぞれの定義について確認しながら、直感的に理解しやすい使い分け方についても紹介していきます。

文化:地域に根ざした精神的なもの

はじめに、文化の定義について辞書で確認してみましょう。

【文化】
1.人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。
2.1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。
3.世の中が開けて生活内容が高まること。文明開化。多く他の語の上に付いて、便利・モダン・新式などの意を表す。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり、文化は特定の地域や社会のもとで生まれ、その集団内に共有された生活や行動のしかた全般のことであると言えます。そして、特にその中でも精神的なもの(哲学・芸術・宗教・学問など)を指す場合が多いということですね。文化は人間が所属する環境に根ざして発達していったものと考えるとイメージしやすいでしょう。

「日本文化」や「ネット文化」は日本という国やインターネットという社会の中で生まれ、そこに属する人々の中で共有されることで発達した、生活や行動のしかた全体を指しているのです。

文明:地域にとらわれない物質的なもの

続いて、文明の定義について辞書で確認してみましょう。

【文明】
人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり文明とは、人間の知恵や知識によって世の中が進歩し、生活が豊かになった状態であると言えます。特にその中でも、文化が高度に、広範囲に発達することにより生み出された物質的なもの、すなわち「物や技術」を指す場合が多いということですね。さらに文明は文化と比較すると「地域にとらわれない」という点もポイントです。コンピューターや車などの文明は、文化の違いを超えて世界中に普及していますね。

歴史で学ぶメソポタミア文明やインダス文明なども、農業の発展によって国や都市が形成され、生活が豊かになった状態を指しているのです。

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文化と文明の使い分けを例文でチェック!

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続いて文化と文明の例文を見ていきましょう。前の章で解説した違いを意識しながら例文を読むと、より使い分けがしやすくなりますよ。

文化の例文

まずは文化を使った例文を見ていきましょう。

・異文化交流において最も重要なのは、他文化を尊重する気持ちである
・茶の湯や水墨画は室町時代を代表する文化だ
・企業文化とは、企業内で共有されている価値観やルールを指している
・キリスト教はヨーロッパのあらゆる文化に多大な影響を与えてきた
・日本の漫画やアニメを中心とするオタク文化は年々発展してきている

文明の例文

続いて文明を使った例文を見ていきましょう。

・明治時代の日本に西洋の文明が流入してきたことで、文明開化がおこった
・メソポタミア文明は紀元前3000年頃に誕生した世界最古の文明である
・現代の日本では文明を捨てて生活することは難しいと言えるだろう
・自動車文明によって人や物の長距離の移動が可能となった
・スマートフォンやタブレットは、現代における文明の利器である

文化と文明の英語表現・語源は?

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続いて文化と文明の英語表現とその語源について見ていきましょう。語源を知ることで、両者の違いが記憶に定着しやすくなりますよ。

文化の英語表現・語源

文化は英語「culture」の訳語で、その語源はラテン語の「colore」であると言われています。「colore」は、「耕す」、「住む」、「崇拝する」などの意味がありますが、この中でも「耕す」という意味が現在の「文化」と深い関連を持っているのです。耕すという行動によって、人間は自然環境に手を加え、自分たちの過ごしやすい土地に作り変えてきたと言えるでしょう。

そうした流れで地域に根ざした生活や行動のしかた、つまり文化が形成されていったことは想像しやすいですね。このことから、ラテン語の「colore」が英語の「culture」になり、日本語で「文化」と訳され一般的に使われるようになったのです。

文明の英語表現・語源

文明は英語「civilization」の訳語で、その語源はラテン語の市民「civis」や都市「civitas」に由来しています。このことから、文明は市民が生活する都市を前提とした言葉だと言えるでしょう。「civilization」は「都市化」という意味も持ちますが、これはまさに人々の知恵によって世の中が進歩した状態のことであり、市民が寄り集まった都市から文明という言葉が生まれた経緯がイメージしやすいですね。

文化は「耕す」、つまり土地と深い関連を持つのに対し、文明は「市民」や「都市」と繋がりのある言葉だと考えると違いも理解しやすくなるでしょう。

文化も文明も多くの意味を含んだ言葉

文化や文明はとても多くの意味を持っており、いくら調べてもなかなか理解が難しい部分がありますよね。便利さの一方で、その曖昧さから、現在までさまざまな分野の専門家が個別の定義を主張してきた言葉でもあります。文化と文明の違いは判断に迷うところがありますが、今回解説した内容を大まかな目安として使ってみてくださいね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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文化と文明の違いとは?定義や使い分けのポイント・英語表現・例文も雑学好きの元書店員がわかりやすく解説

今回は文化と文明の違いを解説していきます。「縄文文化」や「メソポタミア文明」などどちらも歴史の授業で頻繁に出てくる言葉であり、特に文化は「若者文化」や「ネット文化」など日常でも使われるイメージがあるよな。その使い分けのポイントは「地域性にとらわれるかどうか」、「物質的か精神的か」という点にあるようですが、少し理解しにくいでしょう。今回はそんな文化と文明の違いをわかりやすく説明しつつ、語源や例文についても雑学好きの元書店員ライターケイノと一緒に解説していきます。

ライター/ケイノ

新しい知識をストックするのが趣味の元書店員。得た内容を自分なりに噛み砕いて、読者にわかりやすく伝えていく。

文化と文明の違いは?

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文化と文明は、どのような違いがあるのでしょうか。ここではまず、文化と文明のそれぞれの定義について確認しながら、直感的に理解しやすい使い分け方についても紹介していきます。

文化:地域に根ざした精神的なもの

はじめに、文化の定義について辞書で確認してみましょう。

【文化】
1.人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。
2.1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。
3.世の中が開けて生活内容が高まること。文明開化。多く他の語の上に付いて、便利・モダン・新式などの意を表す。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり、文化は特定の地域や社会のもとで生まれ、その集団内に共有された生活や行動のしかた全般のことであると言えます。そして、特にその中でも精神的なもの(哲学・芸術・宗教・学問など)を指す場合が多いということですね。文化は人間が所属する環境に根ざして発達していったものと考えるとイメージしやすいでしょう。

「日本文化」や「ネット文化」は日本という国やインターネットという社会の中で生まれ、そこに属する人々の中で共有されることで発達した、生活や行動のしかた全体を指しているのです。

文明:地域にとらわれない物質的なもの

続いて、文明の定義について辞書で確認してみましょう。

【文明】
人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり文明とは、人間の知恵や知識によって世の中が進歩し、生活が豊かになった状態であると言えます。特にその中でも、文化が高度に、広範囲に発達することにより生み出された物質的なもの、すなわち「物や技術」を指す場合が多いということですね。さらに文明は文化と比較すると「地域にとらわれない」という点もポイントです。コンピューターや車などの文明は、文化の違いを超えて世界中に普及していますね。

歴史で学ぶメソポタミア文明やインダス文明なども、農業の発展によって国や都市が形成され、生活が豊かになった状態を指しているのです。

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