1. 彼は後輩思いでとても良いやつなのだけれど、少し鰓が過ぎるところがあってね。それもあって、みんなから敬遠されがちなんだ。
2. いくら私がミスをしたからといって、あの上司の言い分は鰓が過ぎていませんか?おかしいと思います。
3. 審判に文句を言う時は、鰓が過ぎてはいけないよ。無駄にカードをもらうことになってしまうからね。
どの例文においても、言い方や言葉が高慢であったり生意気であったりする際に使用されていることがわかりますね。口語ではあまり使用されることが少ない慣用句ですから、しっかり使い方を確認しておきましょう。
「口が過ぎる」:言うべきことではないことまで言うこと
今回最初にご紹介する類義語が「口が過ぎる」(くちがすぎる)です。口語でもよく使用する慣用句ですが、念のため国語辞書で意味を確認しておきましょう。
言うのを控えるべきことまで言う。言いすぎる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「口が過ぎる」
「口が過ぎる」は「鰓が過ぎる」と同じような意味を有していますが、比較すると「鰓が過ぎる」は発した言葉が生意気であったり高慢であったりしたのに対し、「口が過ぎる」はその発言内容が言うべきではないことや度を越している際に使用するということが違いと言えるでしょう。「言葉が過ぎる」も同じように使用することが可能です。
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「大きな口をきく」:偉そうなことを言うこと
次にご紹介する類義語が「大きな口をきく」(おおきなくちをきく)です。こちらも意味を確認しておきます。
偉そうなことを言う。大口をたたく。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「大きな口をきく」
「大きな口をきく」も「鰓が過ぎる」と同じような意味を有していますが、「鰓が過ぎる」は高慢・生意気というニュアンスであったのに対し、「大きな口をきく」はできそうもないことや偉そうなことを言うという若干のニュアンスの違いがあります。
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「洒落臭い」:小生意気なこと
今回最後にご紹介する類義語が「洒落臭い」(しゃらくさい)です。しっかり「しゃらくさい」と読めたでしょうか、意味を確認してみましょう。
しゃれたまねをする。小生意気だ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「洒落臭い」
「洒落臭い」は生意気という点では「鰓が過ぎる」と共通していますが、「洒落臭い」は必ずしも言葉に限らず、その態度や行動も含めて使用するという点が違いと言えるでしょう。
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