今回は「腐葉土」と「堆肥」の違いについて勉強していこう。どちらも園芸やガーデニングなどで使い、土の状態を改善してくれるイメージがあるよな。違いはずばり原料にあるようですが、使い方にも微妙に違いがあり、適切な使い分けをすることで植物の生長を助ける効果があるらしいのです。今回はそんな腐葉土と堆肥の違いに加え、関連アイテムである培養土についても雑学好きの元書店員ライターケイノと一緒に解説していきます。

ライター/ケイノ

新しい知識をストックするのが趣味の元書店員。得た内容を自分なりに噛み砕いて、読者にわかりやすく伝えていく。

腐葉土と堆肥の違いは?

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腐葉土と堆肥は、どのような違いがあるのでしょうか。ここではまず、腐葉土と堆肥の違いや土にもたらす効果について解説しながら、それぞれ自宅で簡単に試せる作り方についても順を追って紹介します。

腐葉土:落ち葉が発酵してできた土

腐葉土の原料は植物の枯れ葉。地面に落ちてつもり積もった枯れ葉は長い時間をかけて自然に腐り、バクテリアやミミズなどの土壌生物に分解されて、フカフカの土のような状態になります。こうしてできたものが腐葉土と呼ばれるのです。

腐葉土とほかの土を混ぜると、葉と葉の間のほどよい隙間によって通気性を高めたり、水はけを良くしてくれる効果があります。また、土全体に微生物が繁殖しやすくなり、植物の成長を助けるやわらかい土を作ってくれるのです。

土に混ぜると良いと言われる理由はこのためなんですね。合わせて腐葉土の作り方もご紹介します。この方法ならコンポストなどの容器を用意する必要もなく、自宅でも簡単に作ることができますよ。

1:庭に1メートル四方の穴を掘る
2:穴が埋まるまで落ち葉、米ぬか、水を層になるように積み重ねる
3:足で踏み固め、2週間に1度全体を混ぜ合わせる

葉の形が崩れて細かくなり、土の良い香りがしてきたら完成です。葉の形が残っていたり、酸っぱいような嫌な臭いがしていたら発酵が不十分なので注意しましょう。大体3ヶ月~半年ほどで完成します。

\次のページで「堆肥:有機物を発酵させて作った肥料」を解説!/

堆肥:有機物を発酵させて作った肥料

堆肥の原料は動物のフンや生ごみといった「有機物」。有機物を完全に発酵させてサラサラの土のような状態にしたものが堆肥です。堆肥には多くの微生物が含まれており、土に与えることで植物の成長を促してくれる効果があります。腐葉土にも微生物がいると紹介しましたが、数も種類も堆肥のほうが豊富です。

堆肥の作り方の手順は腐葉土と同じですが、材料は落ち葉以外にも生ごみや野菜くず、雑草など様々なものが使えるため、ご家庭で揃えられるもので試してみてください。

腐葉土と堆肥の使い分け方は?

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腐葉土と堆肥の違いは分かりましたが、実際に自宅で植物や野菜を育てる際、どちらを土に混ぜて使おうか迷ってしまいますよね。この章ではそれぞれどんな使い分けをすれば良いのかについて解説していきます。

腐葉土:時間をかけて土を柔らかくしたいとき

前述したとおり、腐葉土は葉が積み重なることによって隙間にちょうど良い空気の層ができるため、固い土に柔らかさをプラスしたいときに使うと良いでしょう。また、土の表面に腐葉土をかぶせて覆うことで防寒対策になりますし、雨風の被害から植物を守ることもできます。その際は腐葉土と土を1:2の割合で混ぜるのが良いでしょう。

基本的には、じっくりと時間をかけて土の状態を改善したいときにおすすめです。

堆肥:短期間で土に栄養を与えたいとき

堆肥は原料となる有機物がどんなものかによって、いくつかの種類に分けられます。牛糞堆肥、鶏糞堆肥、バーク堆肥などがその例で、それぞれに適した使い方をすると良いでしょう。

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・牛糞堆肥…牛のフンにわらやもみがらを入れて発酵させたもの。栄養分は少なめだが土壌改良効果は高いため、土が固く、有機物が足りないときに使う
・鶏糞堆肥…鶏のフンを発酵させたもの。栄養分が高いが、土壌改良効果は低い。土を改善するというよりは、肥料として使うのに適している
・バーク堆肥…木の皮や枝を発酵させたもの。食物繊維が豊富で、水はけが悪い土に使うのがおすすめ

堆肥にはたくさんの微生物が含まれており栄養分も多いため、短期間で土を元気にしたいときの使用に向いています。

培養土との違いは?

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ホームセンターなどの園芸コーナーで「培養土」という土をよく見かけますよね。この培養土と、腐葉土や堆肥との違いはどこにあるのでしょうか。結論を言うと、培養土は「基本用土」で、腐葉土と堆肥は「補助用土」という別の種類の土でした。どういうことなのか順を追って解説していきます。

培養土とは

ガーデニングや園芸で使われる土は「基本用土」と「補助用土」の2種類に分けられます。違いは以下の通りです。

・基本用土…植物を育てるうえでベースとなる土のことで、土壌の50%以上を占める。水はけや通気性が良いが、肥料分を含まないのが特徴。ほかの土と混ぜ合わせて栽培に適した土を作る
・補助用土…基本用土に混ぜて使用する土で、肥料分が含まれている。特定の植物に適した配合にすることで、植物が生長しやすい環境を作ることができる

実はこれまで紹介してきた腐葉土や堆肥は「補助用土」に当たるもの。それに対して培養土は「基本用土」と「補助用土」を混ぜ合わせた土です。腐葉土や堆肥はほかの土と混ぜて使うことが必須ですが、培養土は特定の植物に合わせてあらかじめ成分がブレンドされているため、そのまますぐに使用することができます。

培養土は初心者向け

ホームセンターなどで販売されている培養土は野菜用、観葉植物用、草花用など、ジャンルごとにさまざまな種類のものがあります。どれも培養土だけで栽培することができるので、土の配合について良くわからないという方や、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。

ガーデニングは土作りが重要

腐葉土も堆肥も土を改良する目的で使われますが、その原料や使い方に違いがありましたね。植物や野菜を育てる際、植える前の土作りはとても重要で、固い土や栄養分の少ない土では上手く育ってくれません。今回解説してきた腐葉土や堆肥などの「補助用土」と培養土などの「基本用土」を効果的に混ぜて、花や野菜が元気に育ってくれるような土作りから始めてみてはいかがでしょうか。

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雑学

腐葉土と堆肥の違いとは?作り方や使い分け・培養土との違いも雑学好きの元書店員がわかりやすく解説

今回は「腐葉土」と「堆肥」の違いについて勉強していこう。どちらも園芸やガーデニングなどで使い、土の状態を改善してくれるイメージがあるよな。違いはずばり原料にあるようですが、使い方にも微妙に違いがあり、適切な使い分けをすることで植物の生長を助ける効果があるらしいのです。今回はそんな腐葉土と堆肥の違いに加え、関連アイテムである培養土についても雑学好きの元書店員ライターケイノと一緒に解説していきます。

ライター/ケイノ

新しい知識をストックするのが趣味の元書店員。得た内容を自分なりに噛み砕いて、読者にわかりやすく伝えていく。

腐葉土と堆肥の違いは?

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腐葉土と堆肥は、どのような違いがあるのでしょうか。ここではまず、腐葉土と堆肥の違いや土にもたらす効果について解説しながら、それぞれ自宅で簡単に試せる作り方についても順を追って紹介します。

腐葉土:落ち葉が発酵してできた土

腐葉土の原料は植物の枯れ葉。地面に落ちてつもり積もった枯れ葉は長い時間をかけて自然に腐り、バクテリアやミミズなどの土壌生物に分解されて、フカフカの土のような状態になります。こうしてできたものが腐葉土と呼ばれるのです。

腐葉土とほかの土を混ぜると、葉と葉の間のほどよい隙間によって通気性を高めたり、水はけを良くしてくれる効果があります。また、土全体に微生物が繁殖しやすくなり、植物の成長を助けるやわらかい土を作ってくれるのです。

土に混ぜると良いと言われる理由はこのためなんですね。合わせて腐葉土の作り方もご紹介します。この方法ならコンポストなどの容器を用意する必要もなく、自宅でも簡単に作ることができますよ。

1:庭に1メートル四方の穴を掘る
2:穴が埋まるまで落ち葉、米ぬか、水を層になるように積み重ねる
3:足で踏み固め、2週間に1度全体を混ぜ合わせる

葉の形が崩れて細かくなり、土の良い香りがしてきたら完成です。葉の形が残っていたり、酸っぱいような嫌な臭いがしていたら発酵が不十分なので注意しましょう。大体3ヶ月~半年ほどで完成します。

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