この記事ではto不定詞と動名詞”ing"の違いについてみていきます。中学英語で習う文法ですが、英語学習者が最初に必ずつまづく文法と言っても過言ではない。しかし、英語の上達には必要不可欠な文法なのです。
今回は英語学習者・学生の第一関門となるこの2つの文法の違いを、中3までbe動詞すら分からなかった英語オタクライターとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中学3年生まで万年赤点だった英語にハマり、英語学習に明け暮れた学生時代。社会人となった現在も英語学習を続ける英語オタクが、”to不定詞”と”動名詞”の違いを詳しく解説する。

to不定詞と動名詞"ing"ってなに?

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to不定詞、動名詞"ing"どちらも中学2年生で学ぶ英文法です。義務教育で学ぶ英文法、つまり英語の基礎の基礎となる文法。まずは簡単にこの2つの文法を説明します。

to不定詞とは

to不定詞の作り方は、動詞の原形の前に”to”をつけるだけです。例えば、eat(食べる)のto不定詞は、eatの前にtoをつけて"to eat"に。非常に簡単ですね。問題はこのto不定詞の働き。主に3つの働きがあるので、確認しておきましょう。

・名詞的用法:名詞としての働きを持つ。〜すること。
例:To learn English is important.(英語を学ぶことは大切です。)

・形容詞的用法:形容詞(主に名詞を説明する言葉)としての働きを持つ。〜するための、〜すべき。
例:I want something to drink.(私はなにか飲むものが欲しいです。)

副詞的用法:副詞(主に形容詞、動詞を説明する言葉)としての働きを持つ。〜するために。
例:I will go to the sea to swim.(私は海に泳ぎに行きます。)

堅苦しく〇〇用法と書いていますが、つまりはto不定詞にすることで、動詞を名詞にも形容詞にも副詞にも変身させることができるのです。

動名詞とは

動名詞の作り方は、動詞の最後に"ing"をつけるだけです。ただし、"ing"の付け方には以下のようなルールがあるので、注意しましょう。

・そのまま動詞の最後に”ing"をつける。例:study→studying
・動詞のスペルの最後が子音+eで終わる場合は、eをとって"ing"をつける。 例:give→giving
・スペルの最後が母音1つ+子音で終わる場合は、子音を重ねて"ing"をつける。例:stop→stopping
・スペルの最後が-ieの場合は、ieをとってyをつけて"ing"をつける。例:lie→lying

\次のページで「なぜto不定詞や動名詞が必要なの?」を解説!/

こうして"ing"がついた形を動名詞と呼びます。動名詞の意味は以下の通りです。

動名詞:動詞に名詞としての機能をもたせる。〜すること。
例:Learning English is important.(英語を学ぶことは大切です。)

to不定詞とは異なり、動名詞は名詞としてのみ扱われます。

なぜto不定詞や動名詞が必要なの?

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「こんな複雑な文法がなければ、もっと簡単なのに!」と思ったことはないでしょうか?恥ずかしながら中学生の頃の私はそうでした。しかし、英語の大原則は「1つの文章に主語と述語(動詞)は1つずつ」です。そのためto不定詞や動名詞がなければ、1つのことを伝えるために複数の文章を作らなければなりません。

・to不定詞があれば…
I will go to the sea to swim.(海に泳ぎに行くつもりです。)

・to不定詞がなければ…
I will go to the sea.  I will swim there.(海に行きます。そこで泳ぐつもりです。)

to不定詞や動名詞がなければ、1つの内容を伝えるために複数の文章が必要となり余計な混乱を招く可能性があります。to不定詞や動名詞は複雑な文法ですが、文章を簡潔に分かりやすくするために非常に大きな役割を果たしているのです。

名詞的用法のto不定詞と動名詞がややこしい!

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to不定詞と動名詞の共通点。それは、どちらも名詞としての性質を持つということです。名詞として使えるのであれば、動詞の目的語としても使えますよね。ここが1番難しいところです。

「どちらも目的語として使えるなら、どっちでもいいんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、常にどちらも使えるというわけではありません。それでは、どのように使い分けるべきなのか、確認していきましょう。

\次のページで「目的語にto不定詞のみ使える動詞」を解説!/

目的語にto不定詞のみ使える動詞

to不定詞のみを目的語として使える単語をいくつか紹介します。

・want(〜したい)
・hope(〜することを望む)
・decide(〜することを決める)
・pretend(〜するふりをする)

to不定詞を目的語とする場合、文章の動詞よりも目的語の内容が未来のことを示していることが多いです。I want to be a baseball player.を例にあげると、want(〜したい)は今現在のことを言及しているのに対し、to be a baseball playerはまだ起こっていない未来のことを示しています。

このように、to不定詞には未来のニュアンスが含まれていると考えましょう。

目的語に動名詞のみ使える動詞

次に動名詞のみを目的語として使える動詞を紹介します。

・finish(〜するのやめる)
・enjoy(〜することを楽しむ)
・give up(〜することを諦める)
・suggest(〜することを提案する)

to不定詞とは対象的に、動名詞を目的語とする場合、その目的語は動詞に対して過去、もしくは現在進行中のことを示していることが多いです。I finish reading a book.を例にあげると、reading a book (読書)をfinish(やめる)するのであれば、やめる瞬間までは読書をしているはずですよね。

このように動名詞にはto不定詞とは反対の過去、現在進行中のニュアンスが含まれていると考えられます。

目的語にどちらも使える動詞

to不定詞と動名詞どちらも目的語として使える動詞も存在します。

・like(〜することを好む)
・love(〜することが大好きである)
・bigin/start(〜を始める)
・continue(〜を続ける)

これらの動詞は目的語としてto不定詞、動名詞どちらを置いても意味は同じです。ニュアンスの微妙な違いはあれど、どちらを置いても自然な英文として認識されます。

目的語がto不定詞か動名詞かで意味が変わる動詞

to不定詞と動名詞の使い分けで最も頭を悩ませるのが、どちらも目的語に使えるがどちらを目的語にするかで意味が変わってしまう動詞が存在する、という点です。いくつか例をみてみましょう。

・stop:stop to不定詞…立ち止まって〜する、stop ~ing…〜することをやめる
・forget:forget to不定詞…〜することを忘れる、forget ~ing…〜したことを忘れる
・remember:remember to不定詞…〜することを覚えている、remember -ing…〜したことを覚えている
・try:try to不定詞…〜しようと努力する、try -ing…試しに〜してみる

forgetとrememberは真逆の意味になっていますね。to不定詞は未来のニュアンス、動名詞は過去のニュアンスというのがよく分かります。これらの動詞に対しては、to不定詞と動名詞のうち適切な方を目的語として置かなければ誤解が生じかねません。意味が変わってしまう動詞に関しては、それぞれの意味をしっかり覚えておきましょう。

to不定詞は「未来」、動名詞は「過去もしくは現在進行中」のニュアンスがあります。しかし、すべてがこれに当てはまるわけではなく、例外も数多く存在することを忘れてはいけません。

最も確実に使い分ける方法は、その動詞が目的語にどちらをとるのかを意識しながら、"want to~"のように「動詞+to不定詞(or 動名詞)」の1つの塊として覚えること。こうすることで文法ミスは確実に減り、次第に自然とto不定詞と動名詞の使い分けができるようになってきます。

2つの違いを理解して英語マスターになろう!

to不定詞と動名詞の違いは誰しもがぶつかる最初の壁です。しかし、英語の基礎の基礎となる文法。しっかり理解することで英語力は確実に伸び、英語が理解できることで自信に繋がります。難しいからと諦めずに、理解できるまで繰り返し学んでください。英文法を1つ1つしっかり理解していくこと、これこそが英語マスターへの近道です!

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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雑学

3分で分かる”to”と”ing”の違い!英語初級者が間違いやすいto不定詞と動名詞”ing”を英語オタクが分かりやすくわかりやすく解説

この記事ではto不定詞と動名詞”ing”の違いについてみていきます。中学英語で習う文法ですが、英語学習者が最初に必ずつまづく文法と言っても過言ではない。しかし、英語の上達には必要不可欠な文法なのです。
今回は英語学習者・学生の第一関門となるこの2つの文法の違いを、中3までbe動詞すら分からなかった英語オタクライターとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中学3年生まで万年赤点だった英語にハマり、英語学習に明け暮れた学生時代。社会人となった現在も英語学習を続ける英語オタクが、”to不定詞”と”動名詞”の違いを詳しく解説する。

to不定詞と動名詞”ing”ってなに?

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to不定詞、動名詞”ing”どちらも中学2年生で学ぶ英文法です。義務教育で学ぶ英文法、つまり英語の基礎の基礎となる文法。まずは簡単にこの2つの文法を説明します。

to不定詞とは

to不定詞の作り方は、動詞の原形の前に”to”をつけるだけです。例えば、eat(食べる)のto不定詞は、eatの前にtoをつけて”to eat”に。非常に簡単ですね。問題はこのto不定詞の働き。主に3つの働きがあるので、確認しておきましょう。

・名詞的用法:名詞としての働きを持つ。〜すること。
例:To learn English is important.(英語を学ぶことは大切です。)

・形容詞的用法:形容詞(主に名詞を説明する言葉)としての働きを持つ。〜するための、〜すべき。
例:I want something to drink.(私はなにか飲むものが欲しいです。)

副詞的用法:副詞(主に形容詞、動詞を説明する言葉)としての働きを持つ。〜するために。
例:I will go to the sea to swim.(私は海に泳ぎに行きます。)

堅苦しく〇〇用法と書いていますが、つまりはto不定詞にすることで、動詞を名詞にも形容詞にも副詞にも変身させることができるのです。

動名詞とは

動名詞の作り方は、動詞の最後に”ing”をつけるだけです。ただし、”ing”の付け方には以下のようなルールがあるので、注意しましょう。

・そのまま動詞の最後に”ing”をつける。例:study→studying
・動詞のスペルの最後が子音+eで終わる場合は、eをとって”ing”をつける。 例:give→giving
・スペルの最後が母音1つ+子音で終わる場合は、子音を重ねて”ing”をつける。例:stop→stopping
・スペルの最後が-ieの場合は、ieをとってyをつけて”ing”をつける。例:lie→lying

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