「こんばんは」と「こんばんわ」どちらが正解?世代で違う?意味や語源を元情報誌制作ライターがわかりやすく解説!
助詞の「は」は,「は」と書く。
例 今日は日曜です 山では雪が降りました
あるいは または もしくは
いずれは さては ついては ではさようなら とはいえ
惜しむらくは 恐らくは 願わくは
これはこれは こんにちは こんばんは
悪天候もものかは
[注意] 次のようなものは,この例にあたらないものとする。
いまわの際 すわ一大事
雨も降るわ風も吹くわ 来るわ来るわ きれいだわ
出典:『常用漢字表・現代仮名遣い 外来語の表記(付 人名用漢字)』(大蔵省印刷局編集発行)
「こんばんは」も例文にしっかりと載っていますね。
その2.歴史的な言葉の変遷
国が定めたのだから、その通りとは言えるのですが、そもそも発音が「わ」なのに、どうして「は」と書くようになったかは謎ですよね。もう少し、歴史を遡って見ましょう。
実は、昔はむしろ助詞以外のものでも、文中・文末にある「わ」を「は」と発音していた時代がありました。川を「かは」と読んだ時代があったのです。それを近代、音声に基づいた表記に戻しました。その際、助詞は「は」のままで残ったのですね。
その3.混在しているのはなぜ?
混在の謎を解くためには、改訂された現代仮名遣いが告示された時期が鍵となります。この告示が出たのは、1986(昭和61)年。よく考えてみると、まだ「こんばんは」と書く事が明示されてから、35年ほどしか経っていないのですね。
その前は「こんにちは」「こんばんわ」どちらも正しい表記だったそうです。そのために、年代によっては「わ」が正しいと習っていた人たちもいます。まだ「こんばんは」のみが正しいとなってから、それほど経っていないのですね。
「こんばんは」が正解。しかし歴史は浅い
今まで見てきたように、「こんばんは」が正しい事が分かりました。しかし、元々「わ」の発音が「は」であって、表記の方を音に合わせていき、助詞だけが「は」として残ったと言う流れだったのですね。
そのような事情があったにも関わらず、告示に例として明示がされたのは昭和61年。とっても最近で、それまではどちらでも良いと言うことになっていたから、今でも「こんばんわ」の表記が残っているんですね。ですが、今は「こんばんは」が正しいとされましたので、そちらを使っていくようにしましょう。