この記事では英語の”Who”と”Whom”の違いについてみていきます。
”Who"の意味は分かる人は多いと思うが、”Whom”という単語を詳しく説明できるでしょうか?どちらも中学で学んでいるはずですが、違いを理解できていない人が多いらしいのです。よく似ている単語ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は知っておくと便利な2つの違いを英語オタクライターとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中学で英語にハマり英語学習に明け暮れた学生時代。社会人となった現在も英語学習を続ける英語オタクが、”Who”と”Whom”の違いを詳しく解説する。

そもそも”Who”と”Whom”ってなに?

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まずは”Who”と”Whom”を簡単に説明しましょう。どちらも英語の人称代名詞(IやYouのように人を表す言葉)の1つで、この人称代名詞は以下の3つに分類されます。

・主格…主語の働きをする。「〜は、〜が」と訳される。(I,You, He, She, They)
・所有格…誰が所有しているかを表す。「〜の」と訳される。(My,Your,His,Her,Their)
・目的格…目的語(動詞の目的・対象)を表す。「〜に、〜を、〜と」と訳される。(me, you, him, her, them)

”Who"は主格”Whom”は目的格であることを覚えておいてください。

疑問代名詞としての使い分け

”Who”と”Whom”はいずれも疑問文を作る疑問代名詞としての働きがあります。「主格」「目的格」を頭の片隅に置いて、疑問詞としての”Who”と”Whom”の違いを見ていきましょう。

主語を答える”Who"

”Who”を疑問詞とする文章は誰でも作れると思います。

Who are you?(あなたは誰ですか?)

この質問に対する答えは”I am 〇〇.(私は〇〇です。)”

Whoに対する答えは主語、つまり「誰が」を答えることになります。「動詞の主語(誰が)」を答えてもらいたい場合は主格の”Who”を文頭に置いて疑問文をつくりましょう。

目的語を答える”Whom"

一方”Whom”は目的格の人称代名詞。”Whom”で疑問文を作る場合は、目的語が答えとなります。

\次のページで「関係代名詞としての使い分け」を解説!/

Whom will you give this gift?(この贈り物は誰にあげるの?)
I will give it to my friend.(友人にあげるつもりです。)

”Whom”で作られる疑問文に対して「友人に」と動作の目的(対象)を答えていますね。

このように「〇〇に、〇〇と、〇〇を」動詞の目的(対象)を答えとする疑問文を作る際には、目的格の”Whom”を文頭に置き疑問文を作ります。

関係代名詞としての使い分け

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英文法の中でも特につまづきやすいのが関係代名詞。

私には友人がいる。
彼は東京に住んでいる

日本語では、私には東京に住んでいる友人がいる。と「説明文+名詞」で1つにまとめられますが、英語では関係代名詞を間に入れる必要があります。日本語には関係代名詞に相当する言葉がないため、混乱しやすいようです。

主格の関係代名詞”Who"

先程の日本語を例にあげてみます。

I have a friend.(私には友人がいる。)
He lives in Tokyo.(彼は東京に住んでいる。)

この2つの文章を繋げるために、関係代名詞”Who”を入れてみます。

I have a friend who lives in Tokyo.(私には東京に住んでいる友人がいる。)

1つの文章にまとめることができました。”Who”を接着剤として、”Who"の前の名詞(先行詞)を"Who"以下で説明しているというイメージです。

”Who”は主格の人称代名詞なので、先行詞(a friend)は続く説明文の主語になり、"lives in Tokyo"は"a friend"の説明、つまり友人が東京に住んでいることを説明しています。

目的格の関係代名詞”Whom"

”Who”が主格の人称代名詞であるのに対して、”Whom”は目的格の人称代名詞。関係代名詞”Whom”は先行詞が後ろの文章の目的語となる際に用いられます。

I met a woman yesterday. (昨日ある女性にお会いしました。)
She spoke fluent English.(彼女は流暢な英語を話していました。)

この2つの文章を”A woman”を主語にする形で1つの文章にしてみましょう。

A woman whom I met yesterday spoke fluent English. (昨日お会いしたある女性は流暢な英語を話した。)

"Whom"の先行詞は”A woman”、続く文章は”I met yesterday”です。”I met yesterday."では誰に会ったか分からず文章として成り立っていません。(目的語の欠落)正しくは”I met a woman yesteday."

”Whom”を置くことで、先行詞が後ろの文章の目的語となることを示しています。

”Whom"は使われていない!?

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”Who”と”Whom”の違いを解説してきましたが、ここで残念なお知らせです。それは…実際のところ”Whom”はあまり使われていないということ。試験などでは出題されますが、日常会話ではほとんど使われません。それはなぜでしょうか?みていきましょう。

”Who”と”Whom”には互換性がある

"Who"は主格、”Whom”は目的格であるとお伝えしました。しかし、実際にはあとから紹介する例外を除いて””Whom”は”Who”に置き換え可能です。Cambridge Dictionaryでは”Whom”を以下のように説明しています。

We use whom to refer to people in formal styles or in writing, when the person is the object of the verb. We don’t use it very often and we use it more commonly in writing than in speaking.

出典:Cambridge Dictionary, https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/who-whom

「Whomは正式な場や書き言葉で用いられ、話し言葉ではあまり使うことはない」ということです。”Whom"の代わりに”Who”が代用されます。これまで多くのネイティブスピーカーと話してきましたが、会話中に”Whom"を使う人は少数派でした。(SNS等では”Whom"も目にします。)

\次のページで「例外もある」を解説!/

例外もある

ほとんどの場合、”Whom”は”Who”に言い換えることができます。しかし、例外的に「前置詞+whom」はそのままでは言い換えることができません。学校やTOEICなどの文法問題で問われやすいので、注意しましょう。

He is a man with whom I worked before.(彼は以前一緒に働いたことがある男性だ。)

この文章を”Who"を用いて言い換える問題を考えてみましょう。まずは、前置詞を後ろに移動します。

He is a man whom I worked with before.

これで”Whom”を”Who"に言い換えられるようになるので、答えは”He is a man who I worked with before.”となります。前置詞を後ろに置くだけですが、間違えやすいので注意しましょう。

”Who"と”Whom"を理解して英語力を伸ばそう!

”Who"と”Whom”の違いは理解しにくい文法の1つです。実際、私も学生時代にはよく悩まされました。しかし、今ではしっかり理解し、洋書(書物なのでWhomもたくさん使われます)も読むことができます。普段使われないから…と無視するのではなく、”Who”と”Whom”の違いを理解して英語力を伸ばしましょう!

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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3分で分かる”Who”と”Whom”の違い!疑問詞・関係代名詞の使い分けも英語オタクが分かりやすくわかりやすく解説

この記事では英語の”Who”と”Whom”の違いについてみていきます。
”Who”の意味は分かる人は多いと思うが、”Whom”という単語を詳しく説明できるでしょうか?どちらも中学で学んでいるはずですが、違いを理解できていない人が多いらしいのです。よく似ている単語ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は知っておくと便利な2つの違いを英語オタクライターとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中学で英語にハマり英語学習に明け暮れた学生時代。社会人となった現在も英語学習を続ける英語オタクが、”Who”と”Whom”の違いを詳しく解説する。

そもそも”Who”と”Whom”ってなに?

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まずは”Who”と”Whom”を簡単に説明しましょう。どちらも英語の人称代名詞(IやYouのように人を表す言葉)の1つで、この人称代名詞は以下の3つに分類されます。

・主格…主語の働きをする。「〜は、〜が」と訳される。(I,You, He, She, They)
・所有格…誰が所有しているかを表す。「〜の」と訳される。(My,Your,His,Her,Their)
・目的格…目的語(動詞の目的・対象)を表す。「〜に、〜を、〜と」と訳される。(me, you, him, her, them)

”Who”は主格”Whom”は目的格であることを覚えておいてください。

疑問代名詞としての使い分け

”Who”と”Whom”はいずれも疑問文を作る疑問代名詞としての働きがあります。「主格」「目的格」を頭の片隅に置いて、疑問詞としての”Who”と”Whom”の違いを見ていきましょう。

主語を答える”Who”

”Who”を疑問詞とする文章は誰でも作れると思います。

Who are you?(あなたは誰ですか?)

この質問に対する答えは”I am 〇〇.(私は〇〇です。)”

Whoに対する答えは主語、つまり「誰が」を答えることになります。「動詞の主語(誰が)」を答えてもらいたい場合は主格の”Who”を文頭に置いて疑問文をつくりましょう。

目的語を答える”Whom”

一方”Whom”は目的格の人称代名詞。”Whom”で疑問文を作る場合は、目的語が答えとなります。

\次のページで「関係代名詞としての使い分け」を解説!/

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