
相手が予期していないときをねらってしかける。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「不意を突く」
「不意を突く」は「虚を衝く」と同じような意味を有していますが、比較すると「虚を衝く」は「他者の弱点」といったウィークポイントに着目しているのに対し、「不意を突く」は「他者の予測」というタイミングに着目した慣用句であると言えます。似たような慣用句ですが、「衝く」「突く」の漢字を間違えないようにしましょうね。
「痛い所を衝く」:弱点を攻めたてる
次にご紹介する類義語が「痛い所を衝く」(いたいところをつく)です。こちらも意味を確認しておきましょう。
弱点を指摘して攻めたてる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「痛い所を衝く」
「痛い所を衝く」は「虚を衝く」とほとんど同じ意味を有していることがわかりますね。ただ「痛い所を衝く」は上記したように「指摘」というニュアンスが強く、つまり口論や打ち合わせなどのシチュエーションで用いられることが多い慣用句です。なお「痛い所をつつく」もしばしば用いられますが、正確には「痛い所を衝く」ですから注意しておきましょう。
「騙し討ち」:油断させておいてひどい仕打ちをすること
今回最後にご紹介する類義語が「騙し討ち」(だましうち)です。こちらも意味を確認しておきます。
だましておいて、不意に討ち取ること。油断させておいて、いきなりひどい仕打ちをすること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「騙し討ち」
「騙し討ち」は「虚を衝く」と類似した意味を有していますが、比較すると「騙す」という行為がセットになっている点が違いです。その点では「不意を突く」と同じように、タイミングや時間を活用・操作して、隙や油断を作り出す際に使用する慣用句と言えるでしょう。
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