この記事では「袖を通す」について解説する。
端的に言えば袖を通すの意味は「衣服を着る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「袖を通す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「袖を通す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「袖を通す」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「袖を通す」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「袖を通す」の意味は?

「袖を通す」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.衣服を着る。特に、はじめてその衣服を着ることにいう。「新しいスーツに―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「袖を通す」

「袖を通す」は衣服を着る、特に初めてその服を着ることについて言う慣用句です。新しく購入した衣服を初めて着る。「袖を通す」はこうした場面について表現する際に、使われている言葉となっています。古風なニュアンスをもった表現ですが、現在でも時折使われている言葉です。

書籍・新聞等の文章中を中心として使われています。口語ではあまり使われていないため、注意しましょう。衣服を実際に着る際の動作から、「腕を通す」と表現してしまうことがありますが、こちらは誤りのため注意が必要です。この機会に「袖を通す」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「袖を通す」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら語源は現在はっきりとはしていません。「袖を通す」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、いつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

1775年の洒落本・後編風俗通には「着る物は有余て、〈略〉袖を通さぬのがいくつあるか知れぬとサ」として、この言葉が登場しています。このことから「袖を通す」はかなり古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらの点についても、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「袖を通す」の使い方・例文」を解説!/

「袖を通す」の使い方・例文

「袖を通す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.新調したスーツに袖を通す。
2.着慣れない制服に袖を通し、学校の門を通る新入生たち。
3.買ったままで放置され、一度も袖を通していない服が何着もある。

例文のように、衣服を着ること、特にその服を初めて着るという場面で使われている言葉です。新調したスーツを初めて着る。新入生が購入したばかりの制服に身を包む。「袖を通す」はこうした初めて着る衣服を指して使われる言葉です。また衣服を一度も着ていないことを表して、「袖を通していない」と表現する場合もあります。

多くは衣服を初めて着ることを表しますが、場合によって単に衣服を着る行為を表している場合もあるため、前後の文脈に注意し、どちらの意味で使われているのか確認しておきましょう。例文から実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「袖を通す」の類義語は?違いは?

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続いて類義語・違いについて確認していきましょう。類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「袖を通す」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「着替える」:衣服を脱ぎ他のものを着る

「着替える」は着ていた衣服を脱いで他のものを着ることを意味する言葉です。こちらも衣服を着ることを意味している言葉となっており、「袖を通す」と少し似た意味をもった類義語となっています。こちらは着ていた衣服を別の服に変えるという意味を表す点に注意しましょう。

\次のページで「その2「更衣(こうい)」:衣服を着替える」を解説!/

その2「更衣(こうい)」:衣服を着替える

「更衣」は衣服を着替えること、衣替えを意味する言葉です。こちらも衣服を着ることを意味している言葉となっており、「袖を通す」と少し似た意味をもった類義語となっています。衣服の着替えを意味している点など、細かい意味に違いがあるため注意して使い分けていきましょう。

その3「手を通す」:衣服を着る

「手を通す」は衣服を着ることを意味している言葉です。こちらも衣服を着ることを意味している言葉となっており、「袖を通す」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に他のものを経由するという意味も表す点に注意しましょう。

その4「着用(ちゃくよう)」:衣服を身につける

「着用」は衣服を身につけることを意味している言葉です。こちらも衣服を着ることを意味する言葉となっており、「袖を通す」と似た意味をもった類義語となっています。細かい意味・用法や、使用頻度などに違いがあるため、それぞれ注意して使い分けていきましょう。

その5「着衣(ちゃくい)」:身につけている衣服

「着衣」は衣服を身につけること、また身につけている衣服を意味している言葉です。こちらも衣服を身につけることを意味している言葉となっており、「袖を通す」と似た意味をもった類義語となっています。身につけている衣服そのものを表すこともある点など、細かい意味の違いに注意しましょう。

「袖を通す」の対義語は?

つづいて「袖を通す」の対義語についても確認していきましょう。「袖を通す」には明確に対義語とされている語はありません。「袖を通す」は衣服を着ること、特に初めてその服を着ることを表す言葉となっており、反対の意味を定義することは難しくなっています。対義語はないと覚えておきましょう。

「袖を通す」の英訳は?

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つづいて「袖を通す」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「slip into」:~をスッと着る」を解説!/

「slip into」:~をスッと着る

「slip into」はスッと衣服を着ること、袖を通すことを意味する英フレーズです。日本語と同様に衣服を着ることを表現することができる言葉となっており、「袖を通す」の英語での表現として覚えておきましょう。こちらは初めてその服を着るという意味はない点に注意が必要です。

「袖を通す」を使いこなそう

この記事では「袖を通す」の意味・使い方・類語などを説明しました。「袖を通す」は衣服を着る、特に初めてその衣服を着ることを意味している慣用句です。単に衣服を着ることを指すよりも、まだ着たことがない衣服を初めて着るという場面でより使われている表現となっています。

また類義語には「着替える」、「更衣」、「手を通す」、「着用」、「着衣」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「袖を通す」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「袖を通す」について解説する。
端的に言えば袖を通すの意味は「衣服を着る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「袖を通す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「袖を通す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「袖を通す」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「袖を通す」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「袖を通す」の意味は?

「袖を通す」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.衣服を着る。特に、はじめてその衣服を着ることにいう。「新しいスーツに―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「袖を通す」

「袖を通す」は衣服を着る、特に初めてその服を着ることについて言う慣用句です。新しく購入した衣服を初めて着る。「袖を通す」はこうした場面について表現する際に、使われている言葉となっています。古風なニュアンスをもった表現ですが、現在でも時折使われている言葉です。

書籍・新聞等の文章中を中心として使われています。口語ではあまり使われていないため、注意しましょう。衣服を実際に着る際の動作から、「腕を通す」と表現してしまうことがありますが、こちらは誤りのため注意が必要です。この機会に「袖を通す」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「袖を通す」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら語源は現在はっきりとはしていません。「袖を通す」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、いつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

1775年の洒落本・後編風俗通には「着る物は有余て、〈略〉袖を通さぬのがいくつあるか知れぬとサ」として、この言葉が登場しています。このことから「袖を通す」はかなり古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらの点についても、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「袖を通す」の使い方・例文」を解説!/

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