スリップサインをチェック
「スリップサイン」という言葉を聞いたとはありませんか?この言葉も自動車免許を持っている方なら知っていると思います。「スリップサイン」とは、「これ以上タイヤの溝が浅くなったら、危険!」という目安です。
タイヤを見ると、側面に三角マークがあります。この部分の溝がスリップサインです。スリップサイン部分の溝を触ったときに溝が途切れてしまうタイヤは「これ以上は使ってはダメ!」ということですね。
タイヤの溝には、水を排出する以外にも、地面と接地することで、ブレーキ性能や走行性能を向上させる役割もあります。スリップサインが出てきてしまったタイヤは、排水機能はもちろんブレーキ性能や走行性能も低下しているということです。
こういったタイヤは、事故が起きる危険が高まってしまうため、使用が禁止されています。つまり、スリップサインが出てきてしまったタイヤでは、車検を通すことはできません。
ハイドロプレーニング現象を防ぐには
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ここからは、ハイドロプレーニング現象が起きる原因について、さらに詳しく紹介していきますね。タイヤの溝の深さが大きな原因のひとつですが、ほかにもハイドロプレーニング現象が起きてしまう原因はあります。
それはスピードです。車のスピードが速くなるほど、ハイドロプレーニング現象は起きやすくなります。そのため、雨の日の高速道路は特に注意が必要です。車のスピードが速くなるほど、タイヤが水を排水する前に水が入り込み、タイヤの排水機能が追い付かない状態になります。
溝が浅くなっているタイヤほど排水機能は低下しているため、溝が浅い状態で高速走行することは特に危険ということです。タイヤの溝が1.6mmで80km/hで走行している場合、排水機能は追い付かず、タイヤはほとんど浮いてしまっています。
タイヤの空気圧もハイドロプレーニング現象の発生に関係しているという報告もあります。空気圧が減ったタイヤでは、地面と接地した際、水を押し出すために必要な圧力が少なくなってしまうんです。そのため、排水が遅くなり、水の膜ができやすくなってしまいます。
ハイドロプレーニング現象が起きてしまった時の対処法
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車が制御不能になってしまうハイドロプレーニング現象ですが、実際に起きてしまった時はどうすればいいのでしょうか。ハイドロプレーニング現象が起きると、タイヤと道路の間に水の膜ができてしまい、タイヤが浮いてしまいます。
完全にこの状態になると、車の制御は全くできないため、運転手ができることはありません。タイヤが水の膜の上を滑っている状態なので、無理にブレーキをかけたり、ハンドルを切ってしまうとスリップの危険があるため非常に危険です。
ハイドロプレーニング現象が起きてしまった場合は、水が排出され、タイヤが道路と接地するのを待つしかありません。そのため、ハンドルを保持したままアクセルペダルからゆっくりと足をはなし、車が自然と減速するのを待ちます。
水の排水が追い付けばタイヤと道路が接地するため、ハイドロプレーニング現象は解消されるんです。
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