この記事では「目にも留まらぬ」について解説する。
端的に言えば目にも留まらぬの意味は「あまりに速い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目にも留まらぬ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目にも留まらぬ(めにもとまらぬ)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目にも留まらぬ」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目にも留まらぬ」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目にも留まらぬ」の意味は?

「目にも留まらぬ」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.あまりに速くてはっきりと見定めることができない。

出典:精選版 日本国語大辞典「目にも留まらぬ」

「目にも留まらぬ」はあまりにも速く、はっきりと見定めることができないという意味をもった言葉です。速度が速すぎるため、それをしっかりと見ることができない。「目にも留まらぬ」はこうした様子を表している言葉となっています。動作の速さを表す表現として覚えておきましょう。

「目にも留まらぬ」は書籍・新聞等の文章中を中心として使用されています。口語ではあまり使用されないため注意が必要です。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。この機会に「目にも留まらぬ」の意味・用法について、しっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目にも留まらぬ」の語源は?

次に「目にも留まらぬ」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目にも留まらぬ」の語源は現在はっきりとはしていません。「目にも留まらぬ」の語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。またあわせて「目にも留まらぬ」がいつ頃から使われだしたのか、という点についても確認しておきましょう。

1921年の寺田寅彦・芝刈では「非常な目にも止らぬ速度で、空を蔽ふ森を薙ぎ立てるのである」としてこの言葉が登場しています。このことから「目にも留まらぬ」は古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「目にも留まらぬ」の使い方・例文」を解説!/

「目にも留まらぬ」の使い方・例文

「目にも留まらぬ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.観客の前、マジシャンは目にも留まらぬ早業でカードを消し去った。
2.ジェット機は目にも留まらぬ速さで飛び去った。
3.彼は目にも留まらぬ速さでその場から立ち去った。

「目にも留まらぬ」は例文のように、あまりに速い動作を指して使われている言葉となっています。目で追うことができないほどの速さといった表現となっており、速さの度合いを表現する言葉として覚えておきましょう。また「目にも留まらぬ早業」といった言い回しでよく用いられています。

マジシャンが手の中のカードを観客が気づかないほどの早業で隠す。ジェット機が目では追えない速さで上空を飛ぶ。「目にも留まらぬ」はこうした非常に速い挙動を伝える言葉となっています。例文から実際に使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「目にも留まらぬ」の類義語は?違いは?

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続いて「目にも留まらぬ」の類義語・違いについて確認していきましょう。「目にも留まらぬ」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「目にも留まらぬ」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「神速」:神業と思えるほどの速さ

「神速」は神業かと思えるほど速い様子を意味する言葉です。こちらも非常に速い様子を意味している言葉となっており、「目にも留まらぬ」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは神業と思えるほどの、という表現であるという点など、細かい意味に違いがあるため注意しましょう。

\次のページで「その2「高速」:速度が速い」を解説!/

その2「高速」:速度が速い

「高速」は速度の速いことを意味する言葉です。こちらも速度の速さの表現となっており、「目にも留まらぬ」と似た意味をもった類義語となっています。はっきりと見定めることすらできないほどの速さといった意味がない点など、細かい意味に違いがあるため注意しましょう。

その3「迅速(じんそく)」:きわめて速い

「迅速」は物事の進み具合・行動などがきわめて速いことを意味する言葉です。こちらも非常に速い様子を意味している言葉となっており、「目にも留まらぬ」と似た意味をもった類義語となっています。二字熟語である点など違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その4「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」:行動が素早く凄まじい

「疾風迅雷」は強い風と激しい雷、また転じて行動が素早く凄まじいことを意味する言葉です。こちらも行動の速さを表す言葉となっており、「目にも留まらぬ」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは四字熟語である点など、違いがあるため注意しましょう。

その5「脱兎の勢い(だっとのいきおい)」:逃げる兎のようにきわめて速い

「脱兎の勢い」は逃げる兎のようにきわめて速いことを意味する言葉です。こちらも非常に速い様子を意味する言葉となっており、「目にも留まらぬ」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは逃げる兎のような速さという表現である点に注意しましょう。

「目にも留まらぬ」の対義語は?

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つづいて「目にも留まらぬ」の対義語についても確認していきましょう。「目にも留まらぬ」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「遅遅(ちち)」:のろのろして遅い

「遅遅(遅々)」は物事の進み方が遅く、のろのろして遅い様子を意味する言葉です。「目にも留まらぬ」が非常に速い動作を意味していたのに対し、こちらは行動などが非常にのろのろして遅いことを意味しています。対義語としてこちらの単語についても覚えておきましょう。

\次のページで「「目にも留まらぬ」を使いこなそう」を解説!/

「目にも留まらぬ」を使いこなそう

この記事では「目にも留まらぬ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目にも留まらぬ」はあまりに早くはっきりと見定めることができないという意味をもった慣用句です。あまりの速度の速さから、しっかり見ることができない。「目にも留まらぬ」はこうした様子を指して使われています。

また類義語には「神速」、「高速」、「迅速」、「疾風迅雷」、「脱兎の勢い」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「目にも留まらぬ」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「目にも留まらぬ」について解説する。
端的に言えば目にも留まらぬの意味は「あまりに速い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目にも留まらぬ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目にも留まらぬ(めにもとまらぬ)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目にも留まらぬ」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目にも留まらぬ」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目にも留まらぬ」の意味は?

「目にも留まらぬ」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.あまりに速くてはっきりと見定めることができない。

出典:精選版 日本国語大辞典「目にも留まらぬ」

「目にも留まらぬ」はあまりにも速く、はっきりと見定めることができないという意味をもった言葉です。速度が速すぎるため、それをしっかりと見ることができない。「目にも留まらぬ」はこうした様子を表している言葉となっています。動作の速さを表す表現として覚えておきましょう。

「目にも留まらぬ」は書籍・新聞等の文章中を中心として使用されています。口語ではあまり使用されないため注意が必要です。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。この機会に「目にも留まらぬ」の意味・用法について、しっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目にも留まらぬ」の語源は?

次に「目にも留まらぬ」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目にも留まらぬ」の語源は現在はっきりとはしていません。「目にも留まらぬ」の語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。またあわせて「目にも留まらぬ」がいつ頃から使われだしたのか、という点についても確認しておきましょう。

1921年の寺田寅彦・芝刈では「非常な目にも止らぬ速度で、空を蔽ふ森を薙ぎ立てるのである」としてこの言葉が登場しています。このことから「目にも留まらぬ」は古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。

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