

ライター/ポスドクランナー
大学で有機化学や合成化学、生物学について学び、化学や生物に精通している。現在も研究者として活動を続ける傍ら、市民ランナーとしても多くのマラソン大会に出場している現役のランナー。
中和熱ってどんなもの?わかりやすく解説!
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物質の生成の過程で、放出されたり吸収されたりする熱のことを反応熱と言います。中和熱とは、酸と塩基を各1当量ずつとって中和させたとき発生する熱量のことです。
反応する酸・塩基の種類、濃度、温度などによって異なりますが、基本的には希薄溶液における強酸と強塩基の中和については、その種類によらずほとんどの場合H++OH-→H2Oの反応熱に一致します。18℃では1mol(モル)あたり57.3kjの熱量です。
中和熱はなぜ発生する?

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中和熱が発生する理由には物質のもつ位置エネルギーが関係します。イオン同士は分子間力及び、クーロン力で引き付け合っていますが、イオンが周りの物体に衝突するなどして速度エネルギーを熱量に変えた結果、発熱が起こるのです。
発熱反応と吸熱反応の見分け方は?
中和熱が発生するときに発熱反応なのか、吸熱反応なのかは反応する酸や塩基の状態に依存します。中和熱は、1molの酸(H+)と塩基(OH-)から1molのH2Oが生じる時に発生する熱量ですので、酸や塩基の種類によって大きさは変わりません。
しかし、酸や塩基が弱酸・弱塩基の場合は、物質のもつエネルギーが生成物よりも低いため吸熱反応が起こります。
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