この記事では「声を落とす」について解説する。

端的に言えば声を落とすの意味は「声の調子を低くする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「声を落とす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「声を落とす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「声を落とす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「声を落とす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「声を落とす」の意味は?

「声を落とす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.声を急に低くして小声で言う。声を殺す。「その話題になると皆―・した」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「声を落とす」

「声を落とす」は声の調子を急に低くし、小声で話すことを意味する言葉です。周囲に聞かれては都合の悪い話などをする際、それまでの声量を抑え、小声で話す。「声を落とす」はこうした状況を表して使われている言葉となっています。単に小声で話すのではなく、声の調子を落とすという点に注意しましょう。

書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても日常的に使われている身近な表現となっています。こちらの点についてもあわせて覚えておくことが大切です。この機会に意味・用法をしっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「声を落とす」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。またあわせて「声を落とす」がいつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

1905年~1906年の小栗風葉・青春には「『那(あ)の女が…懐妊したか!』と声を落して太息(といき)を咐(つ)いた」として、この言葉が登場しています。このことから、こちらの言葉が古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「声を落とす」の使い方・例文」を解説!/

「声を落とす」の使い方・例文

「声を落とす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.母は父には聞かれたくないようで、声を落として私に言う。
2.周囲に聞かれないように声を落とし、話し始める。
3.彼は居心地の悪さから声を落とすと、不倫している事実を話し始めた。

「声を落とす」は例文のように、声の調子を低くし小声で話す様子を表して使われている言葉です。特定の人物・周囲には聞かれたくない話題を話す際、声を抑えて小声で話す。決まりの悪さから声の調子が下がり、小声になる。「声を落とす」はこうした場面で用いられる言葉となっています。

実際に使用する際は、声の調子を急に下げる、ひそひそと話すようなニュアンスに注意して使用していきましょう。例文から「声を落とす」の実際の使用場面をイメージし、用法を捉えて自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「声を落とす」の類義語は?違いは?

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続いて類義語・違いについて確認していきましょう。類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「声を落とす」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「声を潜める(こえをひそめる)」:他人に聞こえないよう声を小さくする

「声を潜める」は他人に聞こえないように声を小さくすることを意味する言葉です。こちらも周囲に聞かれないように小声で話す様子を表す言葉となっており、「声を落とす」とよく似た意味をもった類義語となっています。使用頻度・用法などに違いがあるため注意しましょう。

\次のページで「その2「声を殺す」:声を抑えて小さな声で言う」を解説!/

その2「声を殺す」:声を抑えて小さな声で言う

「声を殺す」は声を抑えて小さな声で言うことを意味する言葉です。こちらも周囲に聞かれないよう声を抑えて小声で話すことを意味している言葉となっており、「声を落とす」とよく似た意味をもった類義語となっています。細かい意味・使用頻度に違いがあるため注意しましょう。

その3「忍び声(しのびごえ)」:ひそひそ話す声

「忍び声」は他人に聞こえないようひそひそと話す声という意味をもつ言葉です。こちらも周囲に聞こえないように話す様子を表す言葉となっており、「声を落とす」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは周りに聞かれないように話す際の小声自体を指す言葉である点に注意しましょう。

その4「ひそひそ」:他人に聞こえないよう小声で話す

「ひそひそ」はささやくような話し声・他人に聞こえないよう小声で話す様子を意味する言葉です。こちらも周囲に聞こえないよう小声で話す様子を意味している言葉となっており、「声を落とす」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは擬音語である点に注意しましょう。

「声を落とす」の対義語は?

つづいて「声を落とす」の対義語についても確認していきましょう。「声を落とす」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「声を上げる」:声の強さを急に大きくして言う

「声を上げる」は声の強さを急に大きくして言うことを意味する言葉です。「声を落とす」が声の調子を急に下げ、小声になることを意味していたのに対し、こちらは声の調子を上げ、急に大声になる様子を表す言葉となっています。対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

「声を落とす」の英訳は?

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つづいて「声を落とす」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「lower one's voice」:声を落とす」を解説!/

「lower one's voice」:声を落とす

「lower one's voice」は声を落とす・声を潜める・声を抑えるといった意味を表す英語表現です。こちらも声の調子を急に低くし、小声になる様子を表す言葉となっており、日本語の「声を落とす」とよく似た意味を表現することができます。英語での表現としてこちらも覚えておきましょう。

「声を落とす」を使いこなそう

この記事では「声を落とす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「声を落とす」は声を急に低くし小声で言うことを意味する慣用句です。特に周囲に聞かれては都合が悪い話などをする際に小声で話す様子について表すことが多い表現となっています。

また類義語には「声を潜める」、「声を殺す」、「忍び声」、「ひそひそ」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「声を落とす」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「声を落とす」について解説する。

端的に言えば声を落とすの意味は「声の調子を低くする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「声を落とす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「声を落とす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「声を落とす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「声を落とす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「声を落とす」の意味は?

「声を落とす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.声を急に低くして小声で言う。声を殺す。「その話題になると皆―・した」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「声を落とす」

「声を落とす」は声の調子を急に低くし、小声で話すことを意味する言葉です。周囲に聞かれては都合の悪い話などをする際、それまでの声量を抑え、小声で話す。「声を落とす」はこうした状況を表して使われている言葉となっています。単に小声で話すのではなく、声の調子を落とすという点に注意しましょう。

書籍・新聞等の文章中のほか、口語においても日常的に使われている身近な表現となっています。こちらの点についてもあわせて覚えておくことが大切です。この機会に意味・用法をしっかりと覚えておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「声を落とす」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。またあわせて「声を落とす」がいつ頃から使われだしたのかという点についても確認しておきましょう。

1905年~1906年の小栗風葉・青春には「『那(あ)の女が…懐妊したか!』と声を落して太息(といき)を咐(つ)いた」として、この言葉が登場しています。このことから、こちらの言葉が古くから現在と同様の意味で使われていることが分かりますね。こちらも覚えておきましょう。

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