

ライター/ポスドクランナー
大学で有機化学や合成化学、生物学について学び、化学や生物に精通している。現在も研究者として活動を続ける傍ら、市民ランナーとしても多くのマラソン大会に出場している現役のランナー。
冷媒ってどんなもの?わかりやすく解説!

image by iStockphoto
冷媒とは、冷蔵庫やエアコンなど機器の中で、熱を温度の低い所から高い所へ移動させるために使用される流体のことです。例えば、エアコンの場合は室内機と室外機をつなぐパイプの中に充填されています。
一般的に液体が気体になるときには周囲から熱を奪い、気体が液体になるときには周囲に熱を放出していますが、冷媒は液体が気化するときに周囲の熱を奪うという性質を利用して冷却しているのです。この時、圧縮による液化・放熱、気化・吸熱を繰り返しています。
こちらの記事もおすすめ

気化とは?蒸発と沸騰は違う?物質ごとで気化しやすさが違う理由は?理系ライターがわかりやすく解説
冷媒の具体例1:クロロフルオロカーボン
クロロフルオロカーボン(CFC)は塩素(クロロ)・フッ素(フルオロ)・炭素(カーボン)のみからなり、初期の冷房装置、冷温冷凍機やカーエアコン、電気冷蔵庫で使われてきた冷媒です。
しかし、オゾン層を破壊している原因であることが発見され、1987年に採択されたモントリオール議定書において、生産中止・全面廃止が決定されて今では使用されていません。
冷媒の具体例2:ハイドロフルオロカーボン
ハイドロフルオロカーボン(HFC)は炭化水素化合物(ハイドロカーボン)を構成する水素の一部または全部をフッ素で置換した化合物です。
現在、代替フロンと呼ばれ、冷媒として用いられるフロンの主流になっています。HFCのなかでも地球温暖化係数やエネルギー効率の点から、R32が主流です。
どんなところに使用されている?

image by iStockphoto
冷媒の用途としてはその名の通り、物を冷やすための機械に多く使用されています。
例えば、家庭用の冷蔵庫、エアコンや空調、スーパーの食品ショーケースなど、冷暖房装置や冷凍冷蔵装置など全般です。もちろんエアコンで暖房を使用するときにも冷媒は働きます。
\次のページで「冷媒はどうやって物を冷やすの?その仕組みを解説!」を解説!/