
イットリウムの毒性
続いて、イットリウムという物質がもつ毒性について考えていきましょう。イットリウムは、ヒトを含むほとんどの生物の血液中に含まれることがわかっています。そのため、少量のイットリウムは人体にほとんど影響を与えないと考えられていますよ。
しかしながら、多量のイットリウムが人間の体内に入ると肺や肝臓に損傷を与え、呼吸困難などの症状があらわれます。それゆえ、イットリウム化合物の人間への暴露量を規制する法律がある国も存在しますよ。
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イットリウム鉱物の分布
イットリウムの単体は自然界には存在せず、化合物として鉱石中に存在しています。イットリウムはゼノタイムやフェルグソン石などの希土類鉱物に含まれていますよ。また、ウラン鉱石にも微量のイットリウムが含まれることが知られています。
イットリウム鉱物の分布には偏りがあり、その大部分が中華人民共和国周辺に集中していますよ。実際、日本で使われるイットリウムの95%以上が中国産です。中国以外では、インド・ブラジル・マレーシア・アメリカがイットリウムの生産国として挙げられますよ。
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