
音楽用アンプなどに組み込まれている増幅回路とは?性質や特徴は?現役理系学生ライターが5分で徹底わかりやすく解説!
増幅回路は電気信号の波をより大きくするための回路で、音楽用アンプをはじめとして多くの身近な機器に組み込まれているぞ。今回の記事では、増幅回路の基本原理や特徴から解説を始めて、その応用例までを体系的に説明することを心がけたぞ。ぜひ、この記事を読んで増幅回路についての理解を深めてくれ。
中学時代に独学で第二種電気工事士免状を取得した理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
小学生のころ、電子工作にドハマリし、中学時代には独学で第二種電気工事士免状を取得した。電気について独学する機会が多かったこともあり、電気の学習がいかに難しいかということもよく理解している。
増幅回路について学ぼう!

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『増幅回路』という言葉を聞くと、何やら難しい技術のように感じる方が多いかもしれません。実際、身近なところで増幅回路という言葉を見ることは、ほとんどないでしょう。ですが、増幅回路は私たちの生活を支える科学技術の構成要素の1つです。
そこで、この記事では最初に増幅回路とはそもそも何かということを述べますね。その後、仕組みや歴史についても解説します。また、増幅回路が組み込まれている身近な機器についても考えてみましょう。それでは早速、説明をはじめますね。
増幅回路とは?

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増幅回路は、入力された電気信号を外部電源によってエネルギーを増大させ、それを出力として得る回路のことを指します。増幅回路において、エネルギーを増大させる程度は常に一定です。つまり、入力信号と出力信号の強度波形は相似になります。
また、外部電源が必要である点も増幅回路の特徴です。外部電源から供給されるエネルギーが存在しないと、入力信号のエネルギーを大きくすることはできないからですよ。この概念はエネルギー保存則に従えば当然ですが、忘れてしまうことが多いので注意が必要です。
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増幅率と利得
増幅回路の性能は増幅率や利得といった概念で表現されます。「増幅率」は、増幅の前後におけるエネルギーの比率を表す値です。ここにおけるエネルギーは電力のことを指します。増幅回路では、入力エネルギーが出力エネルギーを上回るので、増幅率は必然的に1より大きくなりますよ。
また、「利得」は増幅率の常用対数をとったものです。利得はdB(デシベル)の単位で表されます。増幅回路の仕様を示すときには、増幅率よりも利得を用いることが多いですよ。
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