この記事では「世話を掛ける」について解説する。

端的に言えば「世話を掛ける」の意味は「他人に面倒を掛ける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「世話を掛ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「世話を掛ける」の意味をわかりやすく伝える。

「世話を掛ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「世話を掛ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「世話を掛ける」の意味は?

「世話を掛ける」には、次のような意味があります。

他人に面倒をかける。やっかいをかける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話を掛ける

「世話を掛ける」は「せわをかける」と読み、何らかの物事で他者に対して面倒をかけてしまう際に使用する言葉です。「かける」は口語ではひらがなとすることが多いですが、漢字でもしっかりと「掛ける」と書けるようにしておきましょう。

「世話を掛ける」の語源は?

次に「世話を掛ける」の語源を確認しておきましょう。「世話を掛ける」の語源は明確ではありませんが、2つの言葉がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認してみます。

まず「世話」はここでは「手数がかかってやっかいであること。面倒であること。」という意味ですね。次に「掛ける」は「望ましくないこと、不都合なことなどを他に与える。こうむらせる。負わせる。」の意味です。

そのため「世話を掛ける」を丁寧に言い回すと「手数がかかってやっかいなことを(他者に)負わせる」となることがわかりますね。

\次のページで「「世話を掛ける」の使い方・例文」を解説!/

「世話を掛ける」の使い方・例文

「世話を掛ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. あの問題で日本は諸外国に世話を掛けているはずだから、今日起こったこの事象について頭が上がらないはずだ。身動きが取りづらい状況だよ。
2. 僕が責任もって精選すると言ったのに、時間が無くて任せてしまってごめんね。世話を掛けて申し訳ないとは思っているんだけど。
3. 家族なんだから、世話を掛けているとか言わないでよ。困った時はお互いさまでしょ。

このようにどの例文においても「世話を掛ける」は何らかの面倒を他者に負わせている際に使用されていることがわかります。面倒を負うおよび負わせる主体は例文にもあるように、「日本」のような大きな対象でも「僕」のような個人でも、「世話を掛ける」は使うことが可能です。

「世話を掛ける」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「世話を掛ける」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「世話が焼ける」:手数がかかること

今回最初にご紹介する類義語が「世話が焼ける」(せわがやける)です。口語でもよく使用される慣用句ですが、念のため国語辞典で意味を確認しておきましょう。

他人の手助けが必要で、手数がかかる。面倒である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話が焼ける

「世話が焼ける」は「世話を掛ける」と同じように面倒な事象が生じていることを表す慣用句ですが、比較すると「世話を掛ける」は誰か「他者」に面倒を負わせていることを示すのに対し、「世話が焼ける」は客観的にその面倒を捉えていることが違いと言えます。

「世話になる」:人のやっかいになること

次にご紹介する類義語が「世話になる」です。こちらも意味を確認しておきましょう。

人のやっかいになる。人の援助を受ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話になる

「世話になる」は「世話を掛ける」とほとんど同じ意味を有していることがわかりますが、どちらかというと「世話を掛ける」が面倒を押しつけているのに対し、「世話になる」は他者から支援を受けることに主眼を置いた慣用句であると言えるでしょう。

「煩わす」:面倒をかけること

今回最後にご紹介する類義語が「煩わす」(わずらわす)です。しっかりと読むことができたでしょうか、こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 心配させる。悩ます。
2. ほねをおらせる。面倒をかける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「煩わす

「世話を掛ける」の類義語としては2の意味で、「煩わす」はほとんど同じ意味を有していることがわかりますね。漢字および読み方を間違えやすいので、しっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「世話を掛ける」の対義語は?」を解説!/

「世話を掛ける」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

「世話を焼く」:他人の世話をすること

「世話を掛ける」の対義語としては「世話を焼く」(せわをやく)が挙げられるでしょう。「他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。」という意味ですから、面倒を負わされる側から見た慣用句として対義関係にあることがわかりますね。

「世話を掛ける」の英訳は?

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最後に、「世話を掛ける」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「bother」:面倒を掛ける

「世話を掛ける」を英語で言い回す場合には、「bother」を使用すると良いでしょう。「面倒を掛ける」という意味合いでも使用できます。以下に例文を見てみましょう。

・I bothered the grandma and grandpa next door, so I bought them plenty of souvenirs. I hope they will be pleased.
隣のおじいちゃんとおばあちゃんには世話を掛けたから、お土産をたっぷり買ってきたんだ。喜んでくれると良いのだけれど。

・You are a leader now, so you don't have to think about bothering your subordinates. You have to keep giving them more and more work to do.
あなたはもうリーダーなのだから、部下に世話を掛けるとか考えなくてよいのよ。どんどん仕事を振っていかないと回らないわ。

・He is a very good researcher, but he is not good at paperwork and always seems to be bothering the general affairs department.
彼は研究者として非常に優秀なのだけれど、事務手続きが苦手で、いつも総務の方に世話を掛けているみたいだよ。

「世話を掛ける」を使いこなそう

この記事では「世話を掛ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。

「世話を掛ける」は何らかの物事で他者に対して面倒をかけてしまう際に使用する言葉でした。ビジネスシーンでも日常生活でも、本当に苦しい時は誰かに「世話を掛ける」ことをいとわず、相談したり頼ったりすることが大事です。自分だけで無理をしないようにしましょうね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「世話を掛ける」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

「世話を掛ける」の使い方・例文

「世話を掛ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. あの問題で日本は諸外国に世話を掛けているはずだから、今日起こったこの事象について頭が上がらないはずだ。身動きが取りづらい状況だよ。
2. 僕が責任もって精選すると言ったのに、時間が無くて任せてしまってごめんね。世話を掛けて申し訳ないとは思っているんだけど。
3. 家族なんだから、世話を掛けているとか言わないでよ。困った時はお互いさまでしょ。

このようにどの例文においても「世話を掛ける」は何らかの面倒を他者に負わせている際に使用されていることがわかります。面倒を負うおよび負わせる主体は例文にもあるように、「日本」のような大きな対象でも「僕」のような個人でも、「世話を掛ける」は使うことが可能です。

「世話を掛ける」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「世話を掛ける」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「世話が焼ける」:手数がかかること

今回最初にご紹介する類義語が「世話が焼ける」(せわがやける)です。口語でもよく使用される慣用句ですが、念のため国語辞典で意味を確認しておきましょう。

他人の手助けが必要で、手数がかかる。面倒である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話が焼ける

「世話が焼ける」は「世話を掛ける」と同じように面倒な事象が生じていることを表す慣用句ですが、比較すると「世話を掛ける」は誰か「他者」に面倒を負わせていることを示すのに対し、「世話が焼ける」は客観的にその面倒を捉えていることが違いと言えます。

「世話になる」:人のやっかいになること

次にご紹介する類義語が「世話になる」です。こちらも意味を確認しておきましょう。

人のやっかいになる。人の援助を受ける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話になる

「世話になる」は「世話を掛ける」とほとんど同じ意味を有していることがわかりますが、どちらかというと「世話を掛ける」が面倒を押しつけているのに対し、「世話になる」は他者から支援を受けることに主眼を置いた慣用句であると言えるでしょう。

「煩わす」:面倒をかけること

今回最後にご紹介する類義語が「煩わす」(わずらわす)です。しっかりと読むことができたでしょうか、こちらも意味を確認しておきましょう。

1. 心配させる。悩ます。
2. ほねをおらせる。面倒をかける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「煩わす

「世話を掛ける」の類義語としては2の意味で、「煩わす」はほとんど同じ意味を有していることがわかりますね。漢字および読み方を間違えやすいので、しっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「世話を掛ける」の対義語は?」を解説!/

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