
逆反応とは?正反応との違いや向きを決める要因・活性化エネルギーなど理系ライターが分かりやすくわかりやすく解説
逆反応が起こらないのは活性化エネルギーが原因

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一方で、「不可逆反応」つまり正反応しか起こらない場合のエネルギー図を見てみましょう。分子の世界では、「エネルギー」がとても重要で、反応物と生成物のエネルギー差が大きく開いている場合、生成物から活性化状態へ上がっていくのは、とても大変です。
反応物から活性化状態へは少ないエネルギーで到達することができますが、生成物から活性化状態へ上がっていくのはたくさんのエネルギーが必要になります。
この場合は不可逆反応です。教科書に載っている多くの反応は不可逆反応なので、エネルギー図を書くと、反応物よりも生成物の方がエネルギー値が大きく低いところにあるんですね。
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実は、不可逆反応でも正反応だけでなく、逆反応を起こす分子もあります。しかし、その割合はごく小さいためほとんど無視できるため、逆反応は起きていないとみなすことができるんです。
覚えておくべき可逆反応を紹介

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ここからは、よくテストで出題される可逆反応を2つ紹介していきます。
一つ目は水素分子とヨウ素分子からヨウ化水素分子を作る化学反応です。この反応は可逆反応や平衡状態を解説するときによく使われる反応なので、ぜひ書けるようにしておいてください。化学反応式も「H2+I2⇄2HI」なので、とてもシンプルですね。
二つ目はハーバーボッシュ法です。水素分子と窒素分子からアンモニア分子を作る化学反応で、現在もアンモニア分子を工業的に作る手法として使われています。化学反応式も「H2+N2⇄NH3」なので、とてもシンプルです。ハーバーボッシュ法はルシャトリエの原理を説明するときに必ず出てくる化学反応なので、合わせてチェックしておいてください。
可逆反応と不可逆反応を見分けることはできるの?
ここで一つ、疑問に思いませんか。「可逆反応」と「不可逆反応」を見分ける方法ってあるのか?ですが、反応物と生成物の化学式を見ただけでは、見分けることはできません。
大切なのは反応物のエネルギーと生成物のエネルギー、そして活性化エネルギーです。「エネルギー」は結合エネルギーやエントロピーといった様々な要素が絡み合って決まるので、化学式を見ただけでは分かりません。
大学化学では、エネルギーを計算し反応の向きや速度を計算することはありますが、高校化学では、代表的な可逆反応は覚えておきましょう。
化学反応の向きと化学平衡をチェック
今回は「化学反応式の矢印と化学反応の向きの関係」と「正反応と逆反応が同時に起きる化学平衡」をエネルギーに注目して紹介しました。高校化学ではあまり着目しませんが、化学反応において、エネルギーがどのように移動して、反応が進行したかは非常に重要なんです。
「可逆反応になるのか」「不可逆反応になるのか」も実はエネルギーが重要でした。ただし、化学式を見ただけではエネルギーを特定ことはできないので、まずはどのような可逆反応があるのか、教科書で見つけた可逆反応は一つずつチェックしていってください!