逆反応とは?正反応との違いや向きを決める要因・活性化エネルギーなど理系ライターが分かりやすくわかりやすく解説
右向きの矢印は「正反応」
まずは、「右向きの矢印」の場合、どのような化学変化か解説していきます。右向きの矢印の場合、化学変化は反応物から生成物ができる方向です。
教科書に出てくる化学反応式はほとんどが右向きの矢印で、右向き矢印の化学反応は「正反応」と呼びます。
こちらの記事もおすすめ
正反応とは?逆反応との違いや活性化エネルギー・反応速度などを理系ライターがわかりやすく解説!
左向き矢印は「逆反応」
次は、「左向きの矢印」の場合の化学変化を解説していきます。左向き矢印の場合、化学反応は「生成物」から「反応物」ができる方向です。正反応とは逆方向の反応で、この反応を「逆(ギャク)反応」といいます。基本的に化学反応は反応物から生成物ができるため、「左向き矢印」のみの化学反応はありません。
反応物から生成物ができる左向き矢印のみの化学反応が進行する場合、反応物と生成物を入れ替えて、正反応として化学反応式を作るのが基本です。
左右両方の矢印がある?
実は、化学反応式には「正反応」と「逆反応」が同時に同じように起きる反応があります。化学反応式で書くと、左向き矢印と右向き矢印が両方書いてある反応式です。この反応を「可逆反応」と呼びます。可逆反応では、反応が始まるとまず反応物から生成物が生成されていき、生成物がの濃度が増えると、生成物から反応物ができ始めるんです。
可逆反応は時間が経つと、見かけ上は反応が停止したように見えるのが特徴で、この状態を化学平衡と呼びます。一方で、「正反応」のみしか起こらない反応は「不可逆反応」です。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単可逆反応!どんな反応?不可逆反応とは?理系学生ライターがわかりやすく解説!
化学反応の向きを決めている要因とは?
image by iStockphoto
化学反応には「可逆反応」と「不可逆反応」があることを先ほど紹介しました。どうして可逆反応と不可逆反応が起きるんでしょうか。その理由は化学反応のエネルギーを見ると分かります。
「エネルギー」に注目!可逆反応になる場合とは?
image by Study-Z編集部
化学反応が進行するとき、反応物から生成物に直接変化するわけではありません。活性化状態と呼ばれる状態を一度経由して反応物が生成されます。
つまり、化学反応が進行するためには、反応物の分子が活性化状態になるだけのエネルギーを持っていなければなりません。基本的にエネルギーは高いところから低いところに流れていくので、活性化状態を超えてしまえばエネルギーを放出しながら生成物ができあがります。
そこで、化学反応を反応物と生成物のエネルギー差に着目して見てみましょう。例えば、反応物と生成物のエネルギー差がほとんどない場合、どうでしょうか。反応物から活性化状態を超えることができれば、生成物からも活性化状態を超えられると思いませんか?
まさにその通りで、反応物と生成物のエネルギー差が少ないほど、可逆反応になりやすいです。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単「活性化状態」具体例を交えて理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!
\次のページで「逆反応が起こらないのは活性化エネルギーが原因」を解説!/