
1. 担子菌類(菌界):キノコと呼ばれる

image by Study-Z編集部
菌界の「担子菌類」には、キノコと呼ばれている子実体を形成する菌類が属しています。代表的な例として、シイタケやマツタケ、ナメコなどがありますよ。担子菌類の子実体のことを「担子器果」と呼び、細胞内に2つの核を持つ、二次菌糸が集合してできています。このため、子実体の核相は2nではなく(n+n)となりますね。
これを念頭に置いて担子菌類の生活環を見ていきましょう。
1.菌糸の末端の細胞(n)内の2つの核が核合体を起こして2nの細胞になる。
2.減数分裂によって4個の担子胞子(n)が形成される。
3.担子胞子は水場で発芽し、一次菌糸を伸ばす。
4.2つの一次菌糸が接合すると、二次菌糸になる。
5.二次菌糸が体細胞分裂を繰り返す。
6.子実体が形成する。
2. 子のう菌類(菌界):担子菌類と並ぶ高等菌類

image by Study-Z編集部
菌界の「子のう菌類」にも子実体を形成する生物がいて、代表例として、トリュフやカエンタケなどがあります。子のう菌類の子実体は「子のう果」と呼び、一次菌糸と二次菌糸が集合したものです。
それでは上記の図を参考に子のう菌類の胞子のつくり方を見ていきましょう。
1.子のう胞子(n)が発芽して一次菌糸(n)を伸ばす。
2.2つの菌糸が接合し、二次菌糸になる。
3.二次菌糸で核合体(2n)が起こる。
4.減数分裂が始まり、核合体した1個の細胞(2n)から4個の細胞(n)ができる。
5.これらの細胞がさらに体細胞分裂で分裂する。
6.分裂した細胞の間に壁ができるように細胞質分裂が起こる。
7.8つの子のう胞子(n)ができる。
3. 細胞性粘菌類(原生生物界):単細胞と多細胞を繰り返す

image by Study-Z編集部
原生生物界に属する「細胞性粘菌類」に属して子実体を形成する生物例としてタマホコリカビなどが挙げられます。細胞性粘菌類は、単細胞で生活する時期と多細胞で生活する時期を繰り返すのです。子実体は、単細胞体が集合してできる移動体から形成されます。
上記の図を参考にしながら、細胞性粘菌類の生活環を解説しますね。
こちらの記事もおすすめ

3分で簡単「単細胞生物」はどんな生物?科学館職員がわかりやすく説明
1.子実体内の胞子が放出される。
2.胞子から単細胞のアメーバ状細胞が生まれる。
3.アメーバ状細胞は細菌を食べて増殖する。
4.エサがなくなると集合し、アメーバ状細胞が凝集し集合体になる。
5.集合体がナメクジのように動く移動体へと変化する。
6.移動体の後部に存在する細胞が柄の先に移動して胞子になる。
7.子実体が形成される。
\次のページで「珍しい子実体の紹介」を解説!/