「猿真似(さるまね)」:うわべだけをまねること
「様によりて葫蘆を画く」は先例にならってやっているだけで創意工夫がないことのたとえでしたが、類似の意味を持つ言葉に「猿真似」(さるまね)があります。猿真似は、言葉どおり猿が人の動作を見てその通りにまねることですが、そこから転じて、本質がわからないまま、うわべだけをまねることの意味で使われるようになりました。
「様によりて葫蘆を画く」の対義語は?
次に「様によりて葫蘆を画く」の対義語を見ていきましょう。
「唯一無二」(ゆいいつむに): だだそれひとつが存在しふたつとないこと
「様によりて葫蘆を画く」先例にならって行っているが創意工夫がないことでした。対義語であたるのは他に代わりがないたったひとつのものという意味を持つ言葉になりますね。ピッタリくる言葉に「唯一無二」(ゆいいつむに)があります。
「唯一無二」の「唯一」(ゆいいつ)とは、「ただひとつだけ」という意味であり、「無二」(むに)は、「ふたつとない」の意味です。「唯一」も「無二」もほとんど同じ意味ですが、二つの熟語を重ねて強調した表現になっているのですね。「この世にひとつしかない貴重なもの」と表現したい時によく使われる言葉でもあります。ただ、「様によりて葫蘆を画く」が独創性のないことを表した熟語であるのに対して、「唯一無二」の意味の中に独創性があるという意は含まれていないため、その点で完全な対義語とは言い切れない点もありますね。
「no originality, no creativity」:個性も創造性もない
「様によりて葫蘆を画く」は、先例にならって真似しているだけで創意工夫がないことの例えでしたね。この文を英語にする場合に相手に伝えなければならないのは「創意工夫がない」という点になりますね。
「創意」は英語では、「creativity」(krìːeɪtívəṭi), 「ingenuity」(ìndʒən(j)úːəṭi)などの単語が良く使われるのではないでしょうか?「ingenuity」の方は、「発明する才能」の意味で使われることもしばしばあります。「様によりて葫蘆を画く」は、「独創力や個性がない」という意味も含まれるため、originality「ərìdʒənˈæləṭi」, いわゆるオリジナリティーがないという雰囲気を伝えられると相手に意図がよく伝わるでしょう。
「様によりて葫蘆を画く」と英語で表現したい場合、「no originality, no creativity」と言ってみてもよいと思いますね。
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