
端的に言えば様によりて葫蘆を画くの意味は「創意工夫がない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「様によりて葫蘆を画く」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/eastflower
今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「様によりて葫蘆を画く」の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。
「様によりて葫蘆を画く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは、早速「様によりて葫蘆を画く」(ようによりてころをえがく)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「様によりて葫蘆を画く」の意味は?
それでは、まず、「様によりて葫蘆を画く」の辞書の意味をコトバンクから探してみましょう。
1. 様式に従ってひょうたんを描く。先例に従っているだけで創意工夫がないことのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「様によりて葫蘆を画く」
「様によりて葫蘆を画く」(ようによりてころをえがく)の「よう」とは、「様式」のこと。「型通りの形式」とも言い換えられるかもしれませんね。「葫蘆」(ころ)とは「ひょうたん」の異名。全体で、「型通りの形式でひょうたんを描く」との意味ですが、そこから派生して「見た目を先例のまねをして描いているだけで独創的なところがないこと」のたとえとして使われる言葉です。
「様によりて葫蘆を画く」の語源は?
次に「様によりて葫蘆を画く」の語源を確認しておきましょう。
「様によりて葫蘆を画く」は、中国、宋(そう)の初代皇帝、太祖 趙匡胤(たいそ ちようきよういん)の官僚が自嘲して語った言葉であると言われています。その官僚が、ある法案を太祖に提出すると、先例の真似をしただけの出來に太祖は不満げだったようです。その様子を見ていた官僚は「様によりて葫蘆を画く」、形だけを整えた独創性のない法案だったと言って自分を戒めたのだと言われています。
太祖は制度や政治に長けた人物で、官僚制度を整えた実力のあるトップだったのです。当時の文官(ぶんかん)たちも優れた太祖に提出する文書などにはかなり気を遣ったのかもしれませんね。
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