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ウィリアム・ハーベーってどんな人?血液循環の実験についても現役理系学生がわかりやすく解説

<動脈を結紮する場合>
実験:心臓から全身に送り出される血液が通る動脈を紐などで強く縛り上げる。
結果:血液が心臓側に停滞した。

<静脈を結紮する場合>
実験:体の末端から心臓に戻る血液が通る静脈を紐などで強く縛り上げる。
結果:血液が末端側に停滞した。

この実験結果から、血液は一方向に向かって流れるのではなく、体内を循環していることを証明することができたのです。

人間以外にも魚やヘビと言った128種類に及ぶ動物の観察と実験を通して、血液の流れはもちろん、心臓の動き方まで立証しました。

その他の功績:発生学

ウィリアム・ハーベーは血液循環説のほかにも、発生学でも大きな功績を残しました。ここでは、まず、ウィリアム・ハーベーが新たな説を唱える前の発生学で主流だった学説について解説します。その後、彼が行った観察で導かれた説について学習していきましょう。

それまでの動物の発生の学説

ウィリアム・ハーベー以前の動物の発生の考え方は、古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスが唱えた説が最も有力とされていました。アリストテレスの説とは、月経血が固まることで胎児ができるというものです。最初は構造がなにもない状態から徐々に胎児の形になっていくと考えられていました。

すべては卵から!

image by iStockphoto

1651年、ウィリアム・ハーベーは「動物の発生」を発表しました。そこには、シカの交尾前後から発生の段階を観察し、その結果「卵はすべての動物の共通な原基である」と記されていたのです。ここでいう卵とは、生物の最初の未分化の状態を表します。例えば、鳥の卵は外に放出された卵で、人間は中に残ったままの卵であるとし、どちらの「卵」も鳥や人間に成長しうる動物であると定義したのです。

実際に哺乳類の「卵」を見つけ出すことができませんでしたが、アリストテレスの発生学の説を否定し、現代の生理学の発展に大きなヒントを与えてくれました。

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「卵」を動物としているところが興味深い点だな。実は、ウィリアム・ハーベーは、昆虫の幼虫や蛹を「卵」と定義しなかったそうだ。彼にとって幼虫や昆虫は成虫に成長しうる動物という条件を満たさないと考えていたのであろう。

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