この記事では縄文土器と弥生土器の違いについてみていきます。どちらも歴史の授業で習い、さまざまな用途で使われたイメージがあるよな。違いはずばり作り方のようですが、デザイン・目的・作り方が違うなど調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんな日本史に欠かせない土器の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライターの熊家一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり縄文土器と弥生土器の違いは?

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歴史の授業の序盤では、縄文時代と弥生時代について学びます。これらの時代を知る中で、必ず出てくるのが土器です。似たような土器ですが、縄文土器と弥生土器では、どのような違いがあるのでしょうか?はじめにざっくり違いを紹介します。

縄文土器:縄文時代に作られた土器

縄文土器は、縄文時代に作られた土器になります。日本列島の各地で作られた土器で、日本で最初に使われはじめた焼き物です。縄文土器の由来は、縄の模様になります。また、縄文土器の中で一番美しいとされているのが、火焔型土器です。国宝に指定されていて、燃え盛る炎のようなフォルムをしています。

弥生土器:弥生時代に作られた土器

弥生土器は、弥生時代に作られた素焼きの土器です。稲作に伴って、もたらされたといわれています。弥生土器も縄文土器と同じく、日本列島の各地で使われていました。縄文土器と比べると、明るい色のものが多くシンプルなデザインです。

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違いその1:デザイン

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縄文土器と弥生土器について、ざっくり違いが分かりました。ここからは、さらに深堀して追っていきましょう。どちらも土器というだけあって、似たようなイメージがあります。細かくはどのようなデザインの違いがあるのでしょうか。

縄文土器:縄目や貝殻を押し付けた文様

縄文土器は、縄目や貝殻を押し付けた文様です。もともとは調理のために作られていましたが、徐々に道具から工芸品のようなデザインとなりました。その理由は、社会情勢が複雑になり、人々の心象が縄文土器に投影されるようになったためです。

このことから縄文土器には、神話やメッセージが込められているといわれています。

弥生土器:円・三角形・四角形など図形

弥生土器は、円・三角形・四角形などの図形です。時代の変化とともに流行は変わり形状が洗練されて、シンプルなデザインとなりました。縄文土器と比べて、より実用的な形となります。表面の模様は、縄目・刻目・くしがき模様などがありました。

違いその2:目的

縄文土器と弥生土器のデザインの違いが分かりました。では、どのような目的で作られたのでしょうか。この章では、双方の用途の目的について紹介します。目的が分かることで、この時代にどのような生活をしていたのか、イメージが湧きやすくなるでしょう。

縄文土器:調理・盛り付け・祭祀

縄文土器は、調理・盛り付け・祭祀を目的に作られました。もともとは調理や盛り付け、食料の貯蔵に利用していましたが、次第に祭りのような儀式で使われるようになります。祭りで使われる土器は、造形の美しいものが多くありました。

弥生土器:壺・鉢・高坏

弥生土器は、壺・鉢・高坏を目的に作られました。縄文土器と同じく、もともとは調理や貯蔵のために作られています。実際に米や種子、貝などの食物が入った状態で発見された実例がありました。ただし、弥生土器の場合は、壺や鉢といった使い方が多かったといわれています。

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違いその3:作り方

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縄文土器と弥生土器の、デザインや目的が分かりました。では、作り方にはどのような違いがあるのでしょうか。この章は、双方の作り方の違いについての解説です。作り方の違いが分かると、なぜ弥生土器の方が丈夫なのかが分かります。

縄文土器:野焼き

縄文土器の作り方は野焼きです。野焼きは、くべた草木で平らな場所に積み上げて、低温で焼き上げます。温度は600~800度ほどです。この作り方は、弥生土器も参考にしています。高温で焼き上げていないため、色は赤褐色で比較的軟質です。

弥生土器:覆い焼き

弥生土器の作り方は、覆い焼きです。野焼きまでは縄文土器と同じ作り方ですが、土器に土をかぶせて高温で焼く方法が追加されました。土をドーム状に覆うことで、窯のような役割を果たして、土器全体に熱を均一に伝えられます。

作り方が変わり、温度が一定に保たれるようになったため、良質な焼き上がりを実現しました。

縄文土器と弥生土器の違いは作り方

縄文土器と弥生土器の違いは、作り方です。目的やデザインに違いはありますが、大きな違いは作り方といえます。縄文土器は野焼きですが、弥生土器は覆い焼きの製法で作られていました。このことから、弥生土器の方が丈夫な土器といえます。

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文化・歴史雑学

3分でわかる縄文土器と弥生土器の違い!デザインや目的・作り方などを雑学好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では縄文土器と弥生土器の違いについてみていきます。どちらも歴史の授業で習い、さまざまな用途で使われたイメージがあるよな。違いはずばり作り方のようですが、デザイン・目的・作り方が違うなど調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんな日本史に欠かせない土器の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライターの熊家一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり縄文土器と弥生土器の違いは?

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歴史の授業の序盤では、縄文時代と弥生時代について学びます。これらの時代を知る中で、必ず出てくるのが土器です。似たような土器ですが、縄文土器と弥生土器では、どのような違いがあるのでしょうか?はじめにざっくり違いを紹介します。

縄文土器:縄文時代に作られた土器

縄文土器は、縄文時代に作られた土器になります。日本列島の各地で作られた土器で、日本で最初に使われはじめた焼き物です。縄文土器の由来は、縄の模様になります。また、縄文土器の中で一番美しいとされているのが、火焔型土器です。国宝に指定されていて、燃え盛る炎のようなフォルムをしています。

弥生土器:弥生時代に作られた土器

弥生土器は、弥生時代に作られた素焼きの土器です。稲作に伴って、もたらされたといわれています。弥生土器も縄文土器と同じく、日本列島の各地で使われていました。縄文土器と比べると、明るい色のものが多くシンプルなデザインです。

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