今回はそんな鉄の溶液が出てくる話です。化学に詳しいライターの小春と解説していきます。
ライター/小春(KOHARU)
見た目はただの主婦だが、その正体は大阪大学大学院で化学を専攻していたバリバリの理系女子。大学院卒業後はB to Bメーカーで開発を担当し、起きている現象に「なぜ?』と疑問を持つ大切さを実感した。大学の共通教育で行われた実験では無機化学が一番面白かったという。
反応1.気体発生!その正体は水素?なぜ発生する?
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塩酸の中に鉄くぎを入れてみると、激しく泡が発生して溶けていきます。この泡の正体は何か分かるでしょうか?正解は、水素です。
発生した気体が水素であることを確かめるために、気体を容器の中に集めてみましょう。容器にマッチ棒や線香の火を近づけると、ポンと音を立てて爆発します。水素の特徴ですね。
この水素の発生源は塩酸(HCl)です。塩酸が分解されて、水素が発生したというわけですね。
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反応2.鉄が溶ける…なぜ?
鉄に塩酸が溶け、水素が発生したということは、水素と鉄を比べたときに、鉄の方がイオンになりやすく、水素の方が単体になりやすいということです。これは高校化学で習う「金属のイオン化傾向」というもので鉄と水素を比較すると分かります。
塩酸に鉄を入れた様子を化学反応式で示すと?
塩酸に鉄を入れた様子を化学反応式で表すとこうなります。
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