
フェーリング反応とは?なぜアルデヒド基が検出できる?理系ライターが詳しくわかりやすく解説
糖類もアルデヒド基を持っている!
フェーリング反応と銀鏡反応は、アルデヒド基を持つ化合物が検出できましたよね。実は、フェーリング反応と銀鏡反応は糖類の検出にも使えます。
単糖類の「グルコース」「フルクトース」「ガラクトース」は分子内にアルデヒド基を持つため還元性を示し、フェーリング反応と銀鏡反応が進行するんです。一方、二糖類のショ糖(スクロース)や多糖類はアルデヒド基を持たないので、還元性を示しません。
アセチル基を検出する「ヨードホルム反応」もあわせて解説
アルデヒドの検出方法とは少し異なりますが、「ヨードホルム反応」もあわせてチェックしておいてください。
ヨードホルム反応とは、アセチル基を検出するための反応です。アセチル基を持った化合物とヨウ素と水酸化ナトリウムが混ざった溶液を加熱すると、黄色い沈澱ができます。この沈澱が、トリヨードメタン、別名ヨードホルムです。
反応を詳しく見ていくと、アセチル基の水素に水酸化ナトリウムが求核攻撃することで始まりますが…これは大学で学ぶ化学の範囲なので、ここでは省略します。
ヨードホルム反応で検出できるのはアセチル基だけではない?
ヨードホルム反応は、アセチル基を検出するための反応と紹介しましたが、実はアセチル基以外でもヨードホルム反応が進む分子構造があります。それが、端から2個目の2級アルコールです。エタノールや2-プロノールなどでもヨードホルム反応が進行します。
どうしてか?それは、端から2個目の2級アルコールは、酸化するとアセチル基ができるから。酸化することでアセチル基を持つ化合物が生成するので、ヨードホルム反応が進行するんです。
アセトアルデヒドはアセチル基を持っているため、ヨードホルム反応が進行します。一方、分子内にアルデヒド基ももっているため、銀鏡反応やフェーリング反応も進行するんです。
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