
フェーリング反応とは?なぜアルデヒド基が検出できる?理系ライターが詳しくわかりやすく解説
フェーリング反応はアルデヒド基を検知する
先ほど紹介したフェーリング反応は、アルデヒドの還元性を利用した反応です。アルデヒド基の持つ還元性を利用してフェーリング液を還元することで反応が進んでいきます。
フェーリング反応を解説

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ここからはフェーリング反応がどのように進行していくか、解説していきます。
まず、フェーリング液とは、2価の銅の錯イオンを含む深青色の塩基性溶液です。フェーリング液にアルデヒド基を含む化合物を加えて穏やかに加熱すると、銅イオン(Cu2+)が還元されて、酸化銅(Cu2O)の赤色沈澱ができます。これがフェーリング反応です。
フェーリング反応も酸化還元反応のひとつで、アルデヒド基は酸化されてカルボン酸に変化します。銅の酸化数は、反応前が+2で反応後が+1に変わっており、還元されていると分かりますね。
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アルデヒド基を検出するもう一つの反応「銀鏡反応」とは
アルデヒドの検出方法にもう一つ、必ず覚えておいてほしい反応があります。それが「銀鏡反応」です。銀鏡反応は見た目がガラッと変わる反応なので、インパクトが大きく覚えやすいかもしれません。
アンモニア性硝酸銀水溶液にアルデヒド基を持つ分子を加えて穏やかに加熱すると、アンモニア性硝酸銀水溶液中に含まれる銀イオンが還元されて、単体の銀が生成します。銀鏡反応が進行すると、試験管内に銀が析出するため、液体に鏡のような光沢が出てくるんです。
この反応も酸化還元反応で、アルデヒド基が銀を還元することで反応が進行します。銀の酸化数は反応前が+1、反応後が0です。銀の酸化数が減っているので、銀は還元されており、そしてアルデヒドは酸化してカルボン酸に変化しています。
「銀鏡反応」も「フェーリング反応」もアルデヒド基が相手を還元して、自身が酸化することがポイントです。反応が進行すると、何が生成するかは確実に覚えておいてください。銀鏡反応は単体の銀が生成して、フェーリング反応では酸化銅(Cu2O)が生成します。
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