端的に言えば頭を剃るの意味は「出家して仏門に入る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「頭を剃る」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/eastflower
今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「頭を剃る」の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。
「頭を剃る」の意味は?
まずは、「頭を剃る」の意味を国語辞典で見ていきましょう。
1. 頭髪を剃って僧または尼となる。あたまを剃る。あたまを丸める。かしらを下ろす。
出典: 日本国語大辞典(精選版)「頭を剃る」
「頭を剃る」(あたまをそる)の「頭」とは文字通り人の頭のことですね。また、「剃る」とは、髪の毛やひげなどを、かみそりなどの刃で根元からきれいに切り落とすこと。辞書に説明されているとおり、「頭を剃る」とは、「僧」、通称では「お坊さん」になったり、女性の場合は尼僧(にそう)、尼さん(あまさん)になることです。「頭を剃る」は出家して仏門に入るという意味になります。
「頭を剃る」の語源は?
次に「頭を剃る」の語源を確認しておきましょう。
「頭を剃る」の用語は、仏門に入るために髪の毛を切ることですから、髪の毛を剃るという風習は仏教に由来していたのです。
仏教は6世紀の中頃に朝鮮半島から日本に伝わりました。仏教が最終的に目指すところは、世俗(せぞく)の苦しみや煩悩(ぼんのう)から解放されることであり、仏教の修行にあたっては煩悩を断ち切るために髪の毛を剃ることが規定され強要されていたのです。仏教を信奉していたのは、貴族など限られた人々に限られていましたが、鎌倉時代に入ると武士や一般の民衆にも広がっていきました。
ただ、それ以前においても僧は尊い職種であると理解されていたことから、「頭を剃る」という表現は鎌倉時代以前から使われていた表現だったのかもしれませんね。
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「頭を剃る」の使い方・例文
「頭を剃る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.「頭を剃るっていう言葉があるけど最近はお坊さんでない人にも普及していると思わない?」
「そうだね。一般の人が頭を剃っていてもあまり抵抗がないよね。髪が薄くなってくると落ち武者(おちむしゃ)カットよりもスキンヘッドの方が清潔でサッパリしていてイイという認識になってきたからじゃないかな?」
2.「このプロジェクトの実施に踏み切るなんてスゴイですよ。ヘタしたら降格になるんじゃないですか?」
「執行役員たちのように極端にリスクばかり考えていたら何もできないさ。降格になるならそれでもいい。首にはならないと思ってね。失敗したら頭を剃って謝るだけさ。」
例文では「頭を剃る」を現代社会でどんな場合に使えるかを考えてみました。
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