ラジウムという元素を知っているか?周期表では第2族のアルカリ土類金属のひとつで、その中でもラジウムは放射性元素です。放射能と聞くと怖い印象ですが、近年温泉に利用されている。
ラジウムは青白く光る特性を持っていて、昔は時計の文字盤を光らせる塗料として使われていたんです。しかし、のちに恐ろしい事件が起きてしまい、現在は工業的にほとんど使用されていない。
今回はそんな怖そうな元素、ラジウムについて、大学時代は化学専攻だったライターyuaと一緒に解説していきます。
ライター/yua
理工学部化学科を卒業している理系女子。有機化学が好き。だが理系には見えず、だいたいの人にびっくりされるらしい。塾講師の経験もあり、化学が苦手な人にもわかりやすく解説できるように努力している。
ラジウムについて知ろう!
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ラジウムは、原子番号88の元素で、元素記号はRaと表します。周期表では第2族に属しているので、アルカリ土類金属のひとつです。しかしラジウムは、カルシウムやストロンチウムなど他のアルカリ土類金属と比べて異なった性質を持っています。
そこで、このラジウムという元素はどのような特徴を持っているのかをみていきましょう。
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ラジウムの特徴は?
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ラジウムは白色の金属で、融点は700℃、沸点は1140℃です。常温常圧下で、安定な体心立法構造をとっています。反応性は強く、水と激しく反応し、酸には簡単に溶けてしまうのです。空気中では容易に酸化され、暗所では青白く光る性質を持っています。化学的な性質は同じ第2族元素のバリウムと似ていて、炎色反応は洋紅色です。
また、ラジウムは放射性元素であり、かつてはラジウムが持つ放射能を元にキュリー(Ci)という単位が用いられていました。現在、放射能の単位はベクレル(Bq)が使用されています。ニュースで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ちなみに、ラジウムはWHOの下部機関IARCで発がん性があると警告されている怖い性質があります。
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ラジウムの発見者は誰?
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ラジウムは、1898年フランスの物理学者ピエール・キュリーとマリ・キュリー夫妻によって発見されました。「キュリー夫人」といえば知っている人も多いでしょう。
彼らは、ピッチブレンド(閃ウラン鉱)という二酸化ウラン(UO₂)で形成されている鉱物から、元素の分離を行っていました。その時、バリウムと似た部分から高い放射能があることに気づいたのです。この部分には新しい物質が存在すると考え、バリウムから分離、精製を行いました。これによりリン光を発する塩化ラジウムが分離され、ラジウムの存在が明らかになったのです。
キュリー夫人ことマリ・キュリーは、夫の死後も研究を続け、塩化ラジウムの電気分解により金属ラジウムを生成することに成功しました。
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ラジウム温泉は安全?
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ラジウム温泉という言葉を聞いたことはありますか?これは、近年注目されている温泉のひとつで、数が少なく貴重な温泉です。このラジウム温泉とはどのような温泉なのかを解説していきます。
ラジウム温泉の効能
ラジウム温泉とは、ラドンとラドンの同位体であるトロンという成分が一定量含まれている、無色透明で無臭の温泉です。ラドン温泉や放射温泉とも呼ばれています。お湯がラジウムを含む岩石を通ることで、ラドンなどの有効成分がお湯に溶け込み地表から湧き出ているのです。
ラジウム温泉は、温度が低いほどラドンを多く含み、その効力も高くなります。主に新陳代謝の促進や、免疫力向上、疲労回復や神経痛などの緩和など、たくさんの効能があるといわれているのです。
ラジウム温泉の副作用
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ラジウム温泉には放射能があります。放射能と聞くと体に悪いイメージがあるでしょう。ですが微量なので、体内に取り込まれても数時間で排出されるため、人体への影響はほぼないといえますね。
むしろ、ラジウム温泉は「万病の湯」とも呼ばれるくらい人に癒しを与えます。微量の放射能によって、ホルミシス効果という細胞を活性化させる作用が働くからです。これは、がんの進行抑制などの効果があるといわれています。ラジウム温泉は飲用水として飲むこともでき、入浴時と同じ効果が期待できるのです。
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