諸君は、“燃焼とは物質が酸素と反応(結合)すること”と理科の授業で習ったでしょう。しかし、授業ではおそらく教わらない、この現象を初めて説明した人物を知っているでしょうか?この記事では、フロギストン説とはどういう仮説でそれの何が欠点なのか、またフロギストン説を否定したラヴォアジエ理論についても理解していこう。
高校・大学にて化学も専攻していた農学部卒ライターの園(その)と一緒に解説していきます。
ライター/園(その)
数学は苦手だけれど、生物と化学が得意な国立大学農学部卒業の元リケジョ。動物の中でも特に犬が好きで、趣味は愛犬をモフること。分かりやすく面白い情報を発信していく。
フロギストン説を考え、確立させた人物
フロギストン説の起源とされる考えを提唱したのは、ドイツの医師ヨハン・ベッヒャーでした。そして、そのベッヒャーの提唱した仮説に基づく理論を確立したのがドイツの医師ゲオルク・エルンスト・シュタールです。彼らはどのような仮説を立てたのか見ていきましょう。
地下世界における鉱物の生成現象に注目し,地下の物質,すなわち土に3種類を設けた。第1に流動性,稀薄性,金属性を担う液状または水銀状の土,第2に油性,硫黄性,可燃性を担う油状または脂肪質の土,そして第3に可融性と固定性を担う石状またはガラス質の土,の3種類である。
出典:吉本秀之.ベッヒャーとシュタール: 原質説とフロギストン.2017, https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/65/8/65_372/_pdf,(参照2022/4/17).
フロギストン説を確立させたシュタール
1697年、シュタールは『化学の基礎』において、ベッヒャーの考えた第2の土をもとに燃焼の軸となる元素を「フロギストン」と名付けました。
フロギストン説とは
image by iStockphoto
フロギストン説とは、「フロギストン」という架空の物質を使って、物質の燃焼や酸化・還元について説明した説です。
こちらの記事もおすすめ

3分で簡単「有機物の燃焼」具体例を交えて理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!
物質はフロギストンと灰からできていて、物質が燃焼および酸化すると物質からフロギストンが放出されて灰が残る。
燃焼:薪→灰+フロギストン…1(薪などの燃えやすい物質は、残る灰が少ないのでフロギストンの含有量が多い)
酸化:鉄→鉄灰+フロギストン…2(燃焼後に残った鉄灰は、フロギストンがまったくないので燃えない)
フロギストン説における物質の還元
フロギストン説における物質の還元(例:炭と金属)は以下のように考えられました。
炭+鉄灰→灰+鉄
これは上記の1と2から求められる
炭→灰+フロギストン…1
鉄→鉄灰+フロギストン…2
1を変形
フロギストン→炭-灰
2を変形
フロギストン→鉄-鉄灰
1+2
鉄-鉄灰→炭-灰
炭+鉄灰→灰+鉄
\次のページで「フロギストン説の欠点」を解説!/


