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北大西洋条約機構(NATO)とは?設立の背景やその目的を元大学教員が5分でわかりやすく解説

日本のNATO協力は人道支援や復興活動に限定

とはいえ、日本の軍事力は限られているため、NATOへの協力は人道支援や復興活動に限定。そこでNATOは、紛争地域の武装解除が進んだあとの、社会復帰プログラムなどに、日本を参加させることを検討するように。そのため今の日本はNATOの「グローバル・パートナー国」という位置づけです。

そこで日本政府は、アフガニスタンの治安回復に従事するNATOに経済支援を行いました。ただし、全面的に協力するのではなく「草の根無償・人間の安全保障資金協力 (GAGP) スキーム」の範囲内。途上国の開発に貢献するという趣旨の支援にとどめています。

ウクライナの北大西洋条約機構 NATO加盟希望の余波

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ロシアがウクライナの軍事侵攻に踏み切った背景として、ウクライナがNATOとの距離を縮めたことがあります。ロシアのプーチン大統領はNATOの軍事活動を批判。どうしてそのようなことが起こったのでしょうか。

ロシアにとってNATOは東方拡大の脅威

NATOが設立された背景として、共産圏の拡大の脅威がありました。いっぽうロシアにとってNATOは東方拡大の脅威。もともと独裁国家が多かった東ヨーロッパの国々が次々と独立。NATOに加盟していきます。それによりロシアの影響力が及ぶ範囲が限られてきました。

ヨーロッパの課題は東西格差。1999年にポーランド、チェコ、ハンガリー、2004年にバルト3国がNATOに加盟しました。NATOに加盟して民主化をすすめれば、経済的に発展できると考える国が増えていきます。

ウクライナがNATOに加盟できない理由

ウクライナのゼレンスキー政権はNATO加盟を強く希望しています。ロシアの侵攻とは別に、NATO加盟は難しいとされてきました。その理由がウクライナの民主化が不十分であること。財閥と政治家の癒着が根強く、クリーンな政治体制ができあがっていないことです。

もうひとつがロシアとの関係。ウクライナをNATOに加盟させると、ロシアがどのような行動を起こすのか未知数です。ロシアにとってウクライナは兄弟国。ロシアの歴史にとって重要なエリアでもあるため、平和的に手放すとは考えにくいのが現状です。

北大西洋条約機構 NATOのこれからは?

北大西洋条約機構 NATOは、そのときの国際情勢の流れに応じて、その使命を変えてきました。今、ロシアとウクライナの衝突を前に、ふたたびその意義が問われています。これまでは、ロシアを除く国家から安全保障を形作ってきました。これからは、ロシアを含めてどのような平和な世界を作っていくのか、NATOは考えていく時期に差し掛かっているのでしょう。

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