北大西洋条約機構 NATOは、どのような背景から設立に至ったのか、世界史に詳しいライターひこすけと一緒に解説していきます。
- 北大西洋条約機構 NATOの設立
- NATOの設立は1949年
- ドイツの加入により揺れたNATO
- 東方に影響力を拡大させる北大西洋条約機構 NATO
- NATOの転換期となったいくつかの要素
- 「新戦略概念」の適応による影響
- 対テロ対策としての北大西洋条約機構 NATOの意義
- アメリカ同時多発テロ事件がきかっけ
- 2003年のイラク戦争で分裂の危機に陥ったNATO
- 北大西洋条約機構 NATOの組織の特徴
- NATOに中心となる国家は存在しない
- 複数に理事会によりさまざまな問題が協議
- 日本と北大西洋条約機構 NATOの関係は?
- 日本の軍事化と密接につながっているNATO
- 日本のNATO協力は人道支援や復興活動に限定
- ウクライナの北大西洋条約機構 NATO加盟希望の余波
- ロシアにとってNATOは東方拡大の脅威
- ウクライナがNATOに加盟できない理由
- 北大西洋条約機構 NATOのこれからは?
この記事の目次
ライター/ひこすけ
アメリカの歴史と文化を専門とする元大学教員。ウクライナ進攻をきっかけに、北大西洋条約機構 NATOに対する注目度が高まっている。知っているようで知らないNATOについて、気になる点をまとめてみた。
北大西洋条約機構 NATOの設立
パブリック・ドメイン, リンク
北大西洋条約機構 NATOの英語名はNorth Atlantic Treaty Organization。ヨーロッパと北米の30カ国から構成される軍事同盟のことで、外部からの攻撃に対抗するための「集団防衛システム」としても機能しています。
NATOの設立は1949年
NATOが設立されたのは第二次世界大戦後。ソビエト連邦により、ヨーロッパが共産化の波にのまれるのを防ごうとする意図があります。そのため設立されたときは、東ヨーロッパの共産圏に対抗する、西ヨーロッパおよび北アメリカにより構成されていました。
しかしながら、東ヨーロッパや旧ソ連国の資本主義化が進み、今ではさらに構成国は多様になっています。一方、ソ連など東側8か国は、NATOに対抗するためにワルシャワ条約機構を発足。ヨーロッパな長らく東西で分裂していました。なお、ワルシャワ条約機構は現在、廃止されています。
NATOは現在、30か国から構成されています。具体的には、アルバニア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スペイン、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国。フランスは復帰を宣言しているものの、離脱中です。
ドイツの加入により揺れたNATO
NATOが発足したころ、第二次世界大戦でナチスが与えた影響が問題視されていたドイツは加盟せず。ドイツは、米ソの対立の影響もあり、東西に分断していましたが、西ドイツについては早々にNATO加盟の準備を進められます。
しかし、フランスがドイツの再軍備化に反対するなど、スムーズに加盟できませんでした。西ドイツがNATOに加盟したのは1955年11月12日。ロシアの影響かにあった東ドイツは、ドイツ統合までワルシャワ条約機構に加盟していました。
こちらの記事もおすすめ
世界を巻き込んだ人類史上最大の戦争「第二次世界大戦」を元塾講師が分かりやすく5分でわかりやすく解説
\次のページで「東方に影響力を拡大させる北大西洋条約機構 NATO」を解説!/