

そこで、プーチン大統領がどのような人生を送ってきたのか、世界史に詳しいライターひこすけと一緒に解説していくぞ。
- プーチン大統領は元スパイの大統領
- 長らくロシア連邦のトップにいるプーチン大統領
- ロシア経済再生の立役者でもあるプーチン
- 貧しいロシアの家庭で育ったプーチン
- プーチンの父親は軍人から機械技師に
- 謎に包まれていた母親と祖父
- 成年時代はスパイとして活躍したプーチン
- 幼少期からスパイに憧れていたプーチン
- 最初は事務職員からスタート
- スパイから政界に進出したプーチン
- エリツィンの信頼を得て大統領へ
- 大統領職に就いたあとは強硬な政策を推進
- 「強いロシア」のシンボルとなるクリミア併合
- 大統領経験者を一生安泰としたプーチン
- プーチンによるウクライナ進攻の背景
- ウクライナのNATO接近が許せないプーチン
- 経済制裁により窮地に立たされるプーチン
- プーチン大統領の評価はまだ未確定
この記事の目次

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ひこすけ
アメリカの歴史と文化を専門とする元大学教員。ウクライナ進攻により時の人となったプーチン大統領。その人物像を、ソ連崩壊なども絡めてまとめてみる。
プーチン大統領は元スパイの大統領
プーチンの正式な名前はウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン。ロシア保安国家委員会のスパイとしての活動経験もありました。ロシア連邦の第2代、今は第4代大統領として君臨しています。
長らくロシア連邦のトップにいるプーチン大統領
プーチンが頭角をあらわしたのはエリツィン辞任後。大統領代行に就任し、そのまま大統領になります。さらに、2004年に再選を果たしました。強大な権力を持っているプーチンですが、憲法により連続2期の大統領就任はNG。
そこで2008年から2012年までは、ドミトリー・メドベージェフの下で再び首相を務めました。そのうえで、2012年の大統領選挙で復帰し、2018年に再選しています。
ロシア経済再生の立役者でもあるプーチン
プーチンが最初に大統領になってから、ロシア経済は8年連続で成長。国内総生産(GDP)は72%アップさせ、ロシア経済の強化に成功させました。それによりロシア人の所得は2.5倍、賃金は3倍以上、失業や貧困のパーセンテージは半分になりました。
同時に、第二次チェチェン戦争や南オセチア紛争に勝利。軍事力アップにも力を入れた大統領です。強硬なところも多く、ウクライナについてはクリミア併合を行い、国際制裁の対象となりました。この流れのなかで、プーチンはウクライナ進攻を継続しています。

プーチンは、ロシア経済を立て直したことで国民から高い支持を得た。でも同時に、近隣諸国には強硬な態度をとることも多い。そのため世界有数の大国でありながら、たびたびロシアを孤立させてしまっている。
貧しいロシアの家庭で育ったプーチン
By Kremlin.ru, CC BY 4.0, Link
両親が41歳のときに三番目の子どもとして生まれたプーチン。しかし兄2人はプーチンが生まれるまえに亡くなっています。そのため実質、一人っ子でした。
プーチンの父親は軍人から機械技師に
父ウラジーミル・スピリドノヴィチ・プーチンは無神論者で、共産党員として熱心に活動する人物。ソビエト連邦の時代には海軍に徴兵され、潜水艦隊で活動していました。
第二次世界大戦のときは、内務人民委員部に所属。破壊工作部隊として活動しました。しかし独ソ戦のときに怪我を負い、その後は機械技師の道へ。レニングラードの鉄道車両工場で生計を立てました。
謎に包まれていた母親と祖父
母の名前はマリア・イワーノヴナ・シェロモーワ。信心深いロシア正教徒でした。プーチンの顔立ちは母親にだったと言われていますが、生みの親は別にいるという話もあり、その存在は謎に包まれています。
また、プーチンの父方の祖父はプロの料理人。レーニンに仕えたのち、スターリンの別荘のひとつで働いていました。祖父については長らく謎に包まれており、存在が語られたのは2018年。ドキュメンタリー映画「プーチン」のなかでした。