理科環境と生物の反応生き物・植物生物

魚類や昆虫などに見られる「走性」とは?5つの種類・代表的な動物を現役理系学生が分かりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。みんなは高校生物で学ぶ「動物の行動」は得意だろうか。この分野はかなり複雑だから、苦手とする人も少なくはないだろう。今回は動物の行動のうち、「走性」について学習していこう。走性とは何なのか、種類や代表的な動物などについて、生物に詳しいライターききと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/きき

大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している。

走性って何?

「走性(そうせい)」とは、生物が外界から与えられた刺激に対して一定方向に移動や運動などの反応を示す性質のことを言います。走性は魚類や昆虫などで多くみられるのです。また、この走性は刺激の種類によっていくつかに分類されています。そんな走性について、動物の行動とはどういったものなのかも合わせながら学習していきましょう。

動物の行動とは?

走性は動物の行動の1種です。そもそも動物の「行動」とはどういった意味を持つのでしょうか。「行動」とは、外界の刺激によって動物の様々な効果器が働くことで見られる反応のことを言います。そして、この行動をもたらす神経回路の種類によって、さらに「生得的行動」「習得的行動」の2つに分けることができるのです。ちなみに走性は「生得的行動」に属します。走性について詳しく学習する前に、「生得的行動」と「習得的行動」についてと、各行動の神経回路について学習していきましょう。

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「効果器」とは、外界からの刺激を受容する「受容器」で受けた刺激が中枢神経を通って最終的に伝わる器官だ。効果器は外界の刺激に対して何かしらの反応を示すことになるぞ。効果器の例として、筋肉や鞭毛、分泌腺、発電器官などが挙げられるぞ。

1. 生得的行動

1.  生得的行動

image by Study-Z編集部

「生得的行動」とは、生まれたときから備わっている行動のことを言います。つまり、ある行動について誰かから教わる必要がなく、すぐに発現される行動なのです。また、生得的行動を引き起こす刺激のことを特に「鍵刺激」と呼びます。

生得的行動は上記の図のような神経回路によって起こるのです。ここで「固定的な神経回路」がポイントになります。神経回路が固定されているということは、特定の刺激に対して決まった行動を起こすことを意味するのです。このため、反応の誤りや遅れによって大きな危険になり得る刺激に対して非常に有効な行動であることが言えます。

私たち人間の生得的行動の例として、ご飯を食べると唾液が分泌される、手で熱いものに触れたらすぐに手を引っ込めるなどがありますね。今回、学習する「走性」も生得的行動の1つであることをしっかりと頭に入れておきましょう。

2. 習得的行動

2.  習得的行動

image by Study-Z編集部

「生得的行動」は元から備わっている行動のことでしたね。一方で、「習得的行動」とは学習によって習得した行動のことを指します。つまり、本来は備わっていないものの、経験によって定着した行動のことです。

習得的行動の神経回路は上記の図のようになります。生得的行動と大きく異なる点は固定的な神経回路ではなく「可塑性(かそせい)」がある神経回路であることです。

中枢神経の部分に学習や記憶が影響することで、様々な反応を示すことができます。このため、習得的行動は予測困難な状況や環境変化に対して、柔軟で複雑な反応を占示すことができるのです。

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