
私たちの周りにはさまざまな”動物”がいますが、これだけの多様な分類群に分けられるんですよね。一口に動物といっても、本当にいろいろなものがいるんだ、というのを実感していただければよいかと思います。

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できればすべての門について詳しい解説を行いたいのですが、少々数が多いので…私たちの生活に特に身近なものや、動物の進化を考えるうえでとくに重要な門をいくつかピックアップしてご紹介していきましょう。
海綿動物門
いろいろな動物の中でも、「動物っぽくない」といわれがちなのが海綿動物門のなかまです。繊維や炭酸カルシウムでできた骨格をもち、とくに繊維でできた海綿動物の骨格は昔からスポンジとして人間の生活に利用されてきました。
多細胞生物としてはかなり原始的な存在で、細胞同士は緩く結合しています。私たちの身体のように、内臓などの器官が明瞭に分かれているわけでもありません。発生の際には内胚葉や中胚葉、外胚葉といった区別がないんです。
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刺胞動物門
刺胞とよばれる毒針が収納された細胞をもっている動物のなかまが含まれているのが刺胞動物門。クラゲやイソギンチャク、サンゴなどが該当します。世界には一万種以上が確認されているんです。
刺胞動物は発生時、内胚葉と外胚葉の2層が確認されます(二胚葉性)。内胚葉の部分がいわゆる「内臓」になるのです。海綿動物よりは器官の区別がはっきりしている動物といえるでしょう。

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サンゴは体内に光合成をする微生物を共生させているので、その辺は注意が必要ですね。
棘皮動物門
棘皮動物門は、「棘(とげ)」をもったウニをはじめとする動物がまとめられた分類群です。ウニ以外には、ヒトデやナマコ、ウミユリなどがふくまれます。
ウニとヒトデでは全く似ていないように感じますが、五放射相称であることや、発生の過程などに共通点があるんです。
刺胞動物より複雑な体をしています。発生に内胚葉、中胚葉、外胚葉がみられる三胚葉性です。
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