この記事では「竹の子の親まさり」について解説する。

端的に言えば竹の子の親まさりの意味は「子の方が親よりもすぐれている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「竹の子の親まさり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「竹の子の親まさり」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「竹の子の親まさり」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「竹の子の親まさり」(たけのこのおやまさり)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「竹の子の親まさり」の意味は?

まずは、「竹の子の親まさり」の辞書の意味を見ていきましょう。

1.《たけのこは生長が早く、たちまち親竹より高くなるところから》子が親よりすぐれていることのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「竹の子の親勝り」

「竹の子の親まさり」(たけのこのおやまさり)を辞書で引くと「親まさり」の部分が「親勝り」と漢字があてられている場合もありますが、どちらも多く目にしますし意味は同じです。また、「竹の子」も「筍」と一字で表記される場合も、「タケノコ」とカタカナで表記される場合も多いですね。

「竹の子の親まさり」の語源は?

「竹の子の親まさり」ということわざがいつから使われるようになったのかははっきりしませんが、「竹」は、縄文時代には既に生息していたと言われていますね。700年代に書かれたとされる「古事記」(こじき)「日本書紀」(にほんしょき)の中には竹の子が薬用として、また、食用として利用されていたことが記載されており、「竹の子」は、人々にとって身近な存在だったと考えられています。人々は、竹の子が勢いよく成長していく様子をよく知っていて、「竹」という言葉は、「猛る」(たける)という言葉が語源になっているという説もあるくらいです。

\次のページで「「竹の子の親まさり」の使い方・例文」を解説!/

「竹の子の親まさり」の使い方・例文

「竹の子の親まさり」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。…

1. 竹の子の親まさりということわざがあるが、親にとっても子どもが親を越えて立派になってくれることはうれしいものさ。子どもを大学にあげるために働き続けられたんだと思う。

2. まさにうちは、竹の子の親まさりというとおり、息子の方がはるかに優秀だと思う。だけど、時代が悪かったな。いい大学に入って、いい企業にも就職できたんだが、体調不良で1年休んで退職したら次の仕事につけない。一度、レールから外れてしまうと永久に前に戻れない。俺の時代では、そんなことなかったのにな。

親が「竹の子の親まさり」を望んでいる場合を例文にしてみました。

「竹の子の親まさり」の類義語は?違いは?

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それでは、「竹の子の親まさり」の類義語を見ていきましょう。

「青は藍より出でて藍より青し」

「竹の子の親まさり」は、竹の子の生長が早く、すぐに親竹より高くなる特質から子の方が親より優れていることの例えのひとつでした。「竹の子の親まさり」に類似した例えはいくつかありますが、ここでは、中国の思想家、荀子(じゅんし)が発したと言われている成語を紹介しましょう。「青は藍より出でて藍より青し」(あおはあいよりいでてあいよりあおし)です。青色の染料は藍色の染料から抽出して作られますが、できた青の染料は原料の藍よりもより青色になっているという意味で、「弟子が師匠よりも優れていることの例え」として使われています。

「青は藍より出でて藍より青し」が「竹の子の親まさり」と異なる点は、「青は藍より」の方は、特に師弟関係に使われ、「竹の子の親まさり」の方が親子関係のことを言っている点ですが、どちらも、後継の方が優れていることを示す言葉である点で類義語といえるでしょう。子の方が優れている点を言いたいのであれば、「竹の子の親まさり」の他に「トンビが鷹を産む」(とんびがたかをうむ)ということわざもありますね。

\次のページで「「竹の子の親まさり」の対義語は?」を解説!/

「竹の子の親まさり」の対義語は?

次に「竹の子の親まさり」の対義語を見ていきましょう。

「親の七光り」

「竹の子の親まさり」は、竹の子の生長が早く、子の方が親より優れていることの例えのひとつでしたが、対義語は親の方が子より優れているという意味を持つ言葉がピッタリとくるでしょう。親は子より時間的に早い時代に生き、そのあとを子は親の背中を見ながら育つため、親の方が子より経験が豊富なことは自然なことですよね。

「竹の子の親まさり」の対義語となるかどうかは不確かですが、「親の七光り」(おやのななひかり)ということわざがあるのでご紹介しましょう。「親の七光り」は省略形で、正式には「親の光は七光り」(おやのひかりはななひかり)というようですが、どちらも同じ意味です。「親の七光り」は、「親が優れ、親の地位や名声のおかげで、子どもが恩恵を受けること。」になります。「七光り」(ななひかり)とは、具体的に「七つの恩恵」を受けるという意味ではなく、「たくさんの恩恵」を受けるという意味で使われているのです。「親の七光り」には、本来、「親の方が子より優れている」という意味は含まれていませんが、ただ、「親の七光り」と使われる場合には、当然、「親の方が子より優れている」ことが言外で予測される言葉でもありますよね。

「竹の子の親まさり」の英訳は?

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次に「竹の子の親まさり」の英訳を見ていきましょう。

「A goose gives birth to a swan」

「竹の子の親まさり」とは、子が親よりすぐれていることのたとえでしたが、英語圏で使われていることわざの中にも同じような意味を持つ言葉があります。「A goose gives birth to a swan」です。

「goose」(gúːs)とは、「ガチョウ」のことswan(swάn) は白鳥のことですね。「gives birth to~」は「~を産む」という意味。「A goose gives birth to a swan」は、全体で「ガチョウが白鳥を産む」という意味になります。「goose(ガチョウ)」は、口語では、「まぬけ」や「とんま」という意味でも使われるさえない鳥であるのに対して、「swan(白鳥)」は、スラっとしていて美しい鳥の代名詞でもありますよね。「さえない鳥が美しい鳥を産んだ」は、「竹の子の親まさり」と同様に親よりも子の方がすぐれているという意味で使われているのです。

「竹の子の親まさり」を使いこなそう

この記事では、「竹の子の親まさり」の意味や使い方などを見てきました。「竹の子の親まさり」とは、竹の子の生長は早くすぐに親竹よりも高くなることから子が親よりも優秀であることの例えでした。竹の子に限らず人間でも若いころは、背丈が伸びるのも顕著ですし、知識を吸収するスピードも早いですよね。若いころにもっと頑張っておけばよかったと後悔する人も少なくありません。実際に子の方が親よりも優れている家庭もあるでしょう。だからといって老化して成長が止まったのだから何をやっても意味がないというわけではありません。成長が鈍化して自身のこどもより能力が劣っていてもいいのではないでしょうか?今、現在やれることにベストを尽くす。それが最高の生き方だと思います。

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国語言葉の意味

【慣用句】「竹の子の親まさり」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「竹の子の親まさり」の対義語は?

次に「竹の子の親まさり」の対義語を見ていきましょう。

「親の七光り」

「竹の子の親まさり」は、竹の子の生長が早く、子の方が親より優れていることの例えのひとつでしたが、対義語は親の方が子より優れているという意味を持つ言葉がピッタリとくるでしょう。親は子より時間的に早い時代に生き、そのあとを子は親の背中を見ながら育つため、親の方が子より経験が豊富なことは自然なことですよね。

「竹の子の親まさり」の対義語となるかどうかは不確かですが、「親の七光り」(おやのななひかり)ということわざがあるのでご紹介しましょう。「親の七光り」は省略形で、正式には「親の光は七光り」(おやのひかりはななひかり)というようですが、どちらも同じ意味です。「親の七光り」は、「親が優れ、親の地位や名声のおかげで、子どもが恩恵を受けること。」になります。「七光り」(ななひかり)とは、具体的に「七つの恩恵」を受けるという意味ではなく、「たくさんの恩恵」を受けるという意味で使われているのです。「親の七光り」には、本来、「親の方が子より優れている」という意味は含まれていませんが、ただ、「親の七光り」と使われる場合には、当然、「親の方が子より優れている」ことが言外で予測される言葉でもありますよね。

「竹の子の親まさり」の英訳は?

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次に「竹の子の親まさり」の英訳を見ていきましょう。

「A goose gives birth to a swan」

「竹の子の親まさり」とは、子が親よりすぐれていることのたとえでしたが、英語圏で使われていることわざの中にも同じような意味を持つ言葉があります。「A goose gives birth to a swan」です。

「goose」(gúːs)とは、「ガチョウ」のことswan(swάn) は白鳥のことですね。「gives birth to~」は「~を産む」という意味。「A goose gives birth to a swan」は、全体で「ガチョウが白鳥を産む」という意味になります。「goose(ガチョウ)」は、口語では、「まぬけ」や「とんま」という意味でも使われるさえない鳥であるのに対して、「swan(白鳥)」は、スラっとしていて美しい鳥の代名詞でもありますよね。「さえない鳥が美しい鳥を産んだ」は、「竹の子の親まさり」と同様に親よりも子の方がすぐれているという意味で使われているのです。

「竹の子の親まさり」を使いこなそう

この記事では、「竹の子の親まさり」の意味や使い方などを見てきました。「竹の子の親まさり」とは、竹の子の生長は早くすぐに親竹よりも高くなることから子が親よりも優秀であることの例えでした。竹の子に限らず人間でも若いころは、背丈が伸びるのも顕著ですし、知識を吸収するスピードも早いですよね。若いころにもっと頑張っておけばよかったと後悔する人も少なくありません。実際に子の方が親よりも優れている家庭もあるでしょう。だからといって老化して成長が止まったのだから何をやっても意味がないというわけではありません。成長が鈍化して自身のこどもより能力が劣っていてもいいのではないでしょうか?今、現在やれることにベストを尽くす。それが最高の生き方だと思います。

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