「竹の子の親まさり」の対義語は?
次に「竹の子の親まさり」の対義語を見ていきましょう。
「親の七光り」
「竹の子の親まさり」は、竹の子の生長が早く、子の方が親より優れていることの例えのひとつでしたが、対義語は親の方が子より優れているという意味を持つ言葉がピッタリとくるでしょう。親は子より時間的に早い時代に生き、そのあとを子は親の背中を見ながら育つため、親の方が子より経験が豊富なことは自然なことですよね。
「竹の子の親まさり」の対義語となるかどうかは不確かですが、「親の七光り」(おやのななひかり)ということわざがあるのでご紹介しましょう。「親の七光り」は省略形で、正式には「親の光は七光り」(おやのひかりはななひかり)というようですが、どちらも同じ意味です。「親の七光り」は、「親が優れ、親の地位や名声のおかげで、子どもが恩恵を受けること。」になります。「七光り」(ななひかり)とは、具体的に「七つの恩恵」を受けるという意味ではなく、「たくさんの恩恵」を受けるという意味で使われているのです。「親の七光り」には、本来、「親の方が子より優れている」という意味は含まれていませんが、ただ、「親の七光り」と使われる場合には、当然、「親の方が子より優れている」ことが言外で予測される言葉でもありますよね。
「A goose gives birth to a swan」
「竹の子の親まさり」とは、子が親よりすぐれていることのたとえでしたが、英語圏で使われていることわざの中にも同じような意味を持つ言葉があります。「A goose gives birth to a swan」です。
「goose」(gúːs)とは、「ガチョウ」のことswan(swάn) は白鳥のことですね。「gives birth to~」は「~を産む」という意味。「A goose gives birth to a swan」は、全体で「ガチョウが白鳥を産む」という意味になります。「goose(ガチョウ)」は、口語では、「まぬけ」や「とんま」という意味でも使われるさえない鳥であるのに対して、「swan(白鳥)」は、スラっとしていて美しい鳥の代名詞でもありますよね。「さえない鳥が美しい鳥を産んだ」は、「竹の子の親まさり」と同様に親よりも子の方がすぐれているという意味で使われているのです。
「竹の子の親まさり」を使いこなそう
この記事では、「竹の子の親まさり」の意味や使い方などを見てきました。「竹の子の親まさり」とは、竹の子の生長は早くすぐに親竹よりも高くなることから子が親よりも優秀であることの例えでした。竹の子に限らず人間でも若いころは、背丈が伸びるのも顕著ですし、知識を吸収するスピードも早いですよね。若いころにもっと頑張っておけばよかったと後悔する人も少なくありません。実際に子の方が親よりも優れている家庭もあるでしょう。だからといって老化して成長が止まったのだから何をやっても意味がないというわけではありません。成長が鈍化して自身のこどもより能力が劣っていてもいいのではないでしょうか?今、現在やれることにベストを尽くす。それが最高の生き方だと思います。